TOTO×マガジンハウス エコスタイル通信 - 7 – Part 1  オーガニックコットンへの道。

(2009.11.02)
らゆる服の元――コットン。白いフワフワのコットンの中にタネがあり、このフワフワの繊維が糸になる。雨が苦手なコットン栽培は、手がかかるが、ここまで生長したらもうすぐ収穫。(写真提供/アバンティ)

コットンは、野菜と同じように世界各地で栽培されています。とてもデリケートな植物で、水をたくさんやりすぎると根が腐ってしまい、強い雑草が生えていると地中の養分を取られて生長が止まってしまいます。茎や枝も細いため、強風や雨が当たると倒れることも。そして何よりも虫に弱く、新芽のときにはアブラムシがつきやすく、大きくなっても葉の裏には、ダニ類がつきやすいのです。

そしてようやく花が咲いたら、結実してワタの毛がお目見え。ところが収穫できるのは、その実がはじけて乾燥してから。生長したワタは、草丈1mほど、中腰の姿勢で手入れや収穫をするのは大変な労力です。アメリカ南部では、18世紀末から19世紀にかけて黒人奴隷によって、コットンの栽培をしていたことは周知のこと。その人員を大きく減らしたのが、20世紀初頭の農薬の導入と機械化です。雑草が生えないように除草剤を。虫がつかないように殺虫剤を。そして一斉に収穫できるように枯れ葉剤をまいて、摘み取り機で刈っていく。こうしてコットンの収穫は短時間で簡単にできるようになりました。

「世界の農作物栽培面積のうちコットン畑はわずか2%。けれど使われている全農薬の16%をコットンの栽培に使っていると言われています」と教えてくれるのは、株式会社アバンティの代表取締役であり日本オーガニックコットン協会の理事を務める渡邊智恵子さん……
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『TOTO×マガジンハウス エコスタイル通信』は、環境問題に真剣に取り組むTOTOとマガジンハウスのコラボレーションでできた、最新のエコ問題を取り上げるコンテンツです。環境をテーマに最前線で活躍するジャーナリストが、いま注目すべきエコなニュースはアクションをレポートしています。

 

筆者プロフィール

いのうえ あきこ

編集・ライター。“暮らし”“生活”から見た食やごみ、エネルギー問題などの環境問題をテーマにし、雑誌『BRUTUS』や『Hanako』、ウェブなどを中心に編集や取材、原稿執筆を行う。