土屋孝元のお洒落奇譚。年賀状やクリスマスカード
いろいろ、もろもろ……。

(2011.12.10)

約30年の年賀状を並べてみました。

最近では人にカードを送るというのは、クリスマスカード? か年賀状ぐらいでしょうか。
人からいただいた お土産でも、ちょっとしたプレゼントでも、お礼状でも、お花でも、簡単なカードが添えられていると嬉しいものですね。絵が上手くなくてもその人のために作られたカードや手書きのひと言が添えてあれば良いと思うのですが。

先日の手紙に引き続いて年賀状やクリスマスカード、お祝いなどにも色々と使えるカードについてのお話を…。

年賀状は、ここ二十数年 決まりのように干支に” Bonne anne!! ” (ボナネ = フランス語のおめでとう)。これに決めています。干支の表現もその時の自分の好みだったり、その時自分の中での流行りの色使いなどにより変化していて、ここ約30年を並べて見ると楽しいものです。

干支といってもいろいろな表現ができるもので、もうふた回り目に入ると干支の動物達も変化していて何でこんな動物にしたのかなとか、思うものもあります。

年賀状に限らず人にカードを送るというのは、その人の好みや、自分の好み、どんな内容かにもより、色使い、モチーフなどさまざまに変化します。

僕の場合、年賀状は印刷してオリジナルのポストカードを作っているのです。ここ数年は4C+1Cで紙は基本的にミラーコート220kg。4Cの場合、原画をスキャニングしてから原画データを自分の好みに変化させて入稿データCMYKのPhotoshop.epsかesd、Ilstrator.epsにしています。

切手は干支シリーズやディック・ブルーナ。

前にはこんな手法でも作りました。手描きの干支を0.1mmペンで描きデータ化して背景にDICのフランス伝統色の特色を使い、干支の線描を毛抜きで白く抜きカードにしました、完成したカードをご覧ください。

切手にはその年の干支シリーズがない場合には、各地のお花のシリーズかディックブルーナの切手にしています。年賀状ではなく カードで送る場合には切手の値段は違うのですが、写楽、歌麿とセットになった歌川広重作江戸風景の切手が一番のお気に入りです、これは絵柄が美しいのでカードの色との組み合わせを楽しんだりしています。

今まで展覧会などのたびにポストカードをいろいろと制作していますが、まったく残らなかったものと、かなり残ってしまったものがあります。

誰が見ても美しいものは人気があり、あとは紙質にもよるのでしょうか。一般的にはミラーコートなどの艶のある紙質に人気がありました。マットの紙質(スノーマット、サテン金藤、他でも厚口のもの)でも色の再現性がよく、絵の内容により展覧会会期中でも気をつけないと全てなくなる場合など、過去には何度かありました。

珍しい紙は買い置き。ここぞという時に使う。

目上の方へのお礼状などに添えるカードの場合、手描きの絵を入れて送ります。

鳩居堂やITOYAさんなどで紙質の良いファブリアーノ、ブレダンなどの水彩紙や珍しい和紙や耳付きの紙(紙を漉く時にまわりの部分をわざと残し耳をつけ断裁していないものです。)があると手に入れておき、ここぞという時にはそれを使うのです。耐水性のペンや鉛筆、筆などでスケッチを描き透明水彩で色を加え、見た目には完成の少し手前ぐらいまで仕上げます。余白の効果を活かし、その上に手紙の文章を重ねていくのです、そうすると下の絵とあいまってより美しく見えたりするものです。

私は絵が上手くないので他に方法はないでしょうか? という方には墨流しの技法ですね、これは前にも簡単に説明しましたが、水面に墨を流してから 軽くかき回して濡らした紙に写し取る技法です。これも少し薄めかな? と思うくらいがちょうど良く見えるものです。

この墨流しに気にいった色を2、3色加えても美しいカードに仕上がると思います。
あくまでも手紙の文章が読めるように色味は抑えめにした方が良いでしょうね。

水彩絵の具の重ね塗りで美しいカードが。

墨流しもむずかしいなとおっしゃる方には、水彩画の技法の一つでポストカード全体に水をたっぷり含ませ、これはかなり大量に含ませます。水彩絵の具で好きな色を描き塗ります。まだ乾く前に別の気になる色を重ねるのです、そうすると自然に水の効果で混色して美しいカードが出来上がります。この時に選ぶ色は2色の組み合わせを考えてください、色の相性の良いものとそうでもないものがありますから、これも以前にこの技法を使い作品を作っていましたので参考に。

この混色は自然に任せるのが一番です、作為的になると良いものができませんから、ご注意を。