TOTO×マガジンハウス エコスタイル通信 – 3 - ドイツにならうエコハウス。

(2009.07.06)

エコハウス先進国ドイツの住宅事情とは?
そして日本のエコハウス事情は?
機能や設備、住民意識や社会システム、
さまざまな視点からエコハウスを考察。
エコに住むことの工夫とアイデアを学びたい。
 

「クルマの燃費は気にしても、家の燃費は気にしないでしょう?」そう、言ったのはドイツのエコタウン、フライブルク市に住むジャーナリストの村上 敦さん。彼の言葉を聞いて取材に出かけたのが、フライブルク市にあるヴォーバン地区でした。
一番驚いたのは、当たり前のように“エコハウス”が並んでいたことでした。ドイツで普及しているエコハウスは「パッシブハウス」と呼ばれる集合住宅。これは「1カ月分の光熱費で1年暮らせる家」です。我慢して省エネするのではなく、南に面した大きな窓から明るい光が入り、どの部屋も平均的に暖かい、居心地のいい家に住むことがエコなのです。でも、その舞台裏には工夫がたくさん。見学した物件では、壁の中に厚さ30cm以上の断熱材が張り巡らされており、窓は3重、地下室に発熱装置が備わり、屋上には実験的に雨水の保持や蒸発のために屋上緑化が行われていました。
ヴォーバン地区のもうひとつのみどころは、ドイツ人建築家ロルフ・ディッシュ氏が設計した「ソーラー・プラスエネルギー住宅」。これは、パッシブハウスの進化系です。省エネ住宅・パッシブハウスの屋根に太陽光発電のパネルをつけることによって、「使うエネルギー」より「発電するエネルギー」の方を多くした家です。クルマは乗るとガソリンが減るのに、この家は住んでいるとクリーンなエネルギーが作り出せるなんて、夢のようですね。

 
この続きは、TOTO ecochannel「エコスタイル通信」vol.3へ。

ヴォーバン地区に見られる集合住宅型のパッシブハウス。ここは「1か月分の光熱費で1年暮らせる家」なのです。(写真/村上 敦
建築家のディッシュ氏によって設計された「ソーラー・プラスエネルギー住宅」。住民が発生する熱と屋上の太陽光発電によって、住民が使うエネルギーを賄うことができる。(写真/村上 敦

『TOTO×マガジンハウス エコスタイル通信』は、環境問題に真剣に取り組むTOTOとマガジンハウスのコラボレーションでできた、最新のエコ問題を取り上げるコンテンツです。環境をテーマに最前線で活躍するジャーナリストが、いま注目すべきエコなニュースはアクションをレポートしています。

筆者プロフィール

川端 由美(かわばた・ゆみ)

エンジニア、自動車雑誌の編集部員を経て、現在はフリーランスのジャーナリストとして活躍。環境問題や自動車の新技術といった堅い話題から、子供のための食育まで幅広い視点でリポートを展開する。世界各国の環境問題や技術学会を取材する国際派でもある。