籾山由美の東京-島根 小さな暮らし私のお気に入り。
ゆるりとギャラリーを歩く。

(2012.08.31)

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青山辺りのギャラリーを時にはフラリと

長いようであっという間に終わる夏。暑かったけれどちょっと残念。こんな時期は音楽でも美術でも芸術に触れるのが一番。とびきり豊かな気持ちになります。学生時代からギャラリーを見て歩くのが大好き。青山辺りのギャラリーを時にはフラリと入り、時には企画展に気合いを入れて見に行ったり。(なんに気合いを入れるのでしょう、自分がわかりません。笑)

どんな作品も見終わるとなにかしら影響を受けます。アパートに帰るなり、一心不乱に絵を描きなぐったり、ちくちく針仕事してみたり。気がつくと部屋の中は描きなぐった紙と鉛筆、形にもならない布の山と糸くずが散乱。あ~、またお掃除……少し冷静になってお掃除しながら思う事は自分から触れようと思えばなんでも体験できる東京ってすごいなぁと。それって本当に贅沢なことだなとですよね。それは今でもかわりません。東京は私の大事な宝箱です。

そんな私の宝箱から、とっておきのギャラリーを紹介します。

今は、ネット検索で見たい企画展を楽に探せます。本当に便利ですね。休刊になってしまった『ぴあ』の美術欄を広げ、赤線を引いて調べるのが学生時代の楽しみでした。もう間に合わないじゃん! と舌打ちしてみたり。あっと言う間に経つ時間。赤線を引くだけで夢中になれました。ま、仕組みは違えど赤線をひく感覚と時間はかわらない今日この頃です。学生時代と変わったところは、コレだと思うと何もかも捨ててブッチギリで見に行く事ですね。笑)BGM :雑踏音

ぴあ

凛とした空気に包まれて。
『スペースユイ』

学生時代、『ぴあ』の地図を切り取りそれを握り締めて見に来た『スペースユイ』。時間を経ても色あせない普遍でずっと心に残る作品を捜し出してきて紹介しています。それは国内だけに留まらず海外からも作品が届きます。

ドアを開けると日常から離れた凛とした空気を肌で感じます。空間の作りによるのでしょう、動くと聴こえる小さな音が反響して静かに作品と共に心に刻まれていきます。ギャラリーは作品を見る場所です。展示の方法がとびきり変わっているわけではありません。でも『スペースユイ』ではゆっくり動く人の気配や小さく聴こえる人の足音でさえ作品の一部に感じられます。そして音とともに作品がぐいぐい迫り体中に入り込んできて心が浄化される感じ。尋ねてみて下さい。この空間にぜひ触れて欲しいですね。

『スペースユイ』
Tel : 03-3479-5889
東京都港区南青山3-4-11 ハヤカワビル1F  
11:00~19:00
無休

写真の作品は 永松あき子さん 作品展より
壁画が突然変わりました。
『デザイン フェスタ ギャラリー原宿』

建物全てを被って描かれた壁画は今年の3月までは以前の壁画でした。取材のお願いをしたくてホームページを開いたときもその壁画、それが5月。本当に取材のお願いをしようと決めてホームページを開いてびっくり! 壁画が全く違うものに。一瞬別のギャラリーかと地図を何度も確認してしまいました。壁画は不定期に突然変わるのだそうです。これも見逃せない面白さのひとつですね。想像を超えた所で変貌して行くギャラリー。

大きなアパートをそのまま生かして作ったこのギャラリーは、元の形に合わせて大小のブースが折り重なるようにあります。その数、20以上。老若男女問わず、方向性の異なる作家が集い、そのブースを埋め尽くします。行って見るべし。その作品群に圧倒されます。

 

『デザイン フェスタ ギャラリー原宿』
Tel:03-3479-1442
ギャラリーEAST・東京都渋谷区神宮前3-20-2
ギャラリーWEST・東京都渋谷区神宮前3-20-18
営業時間:11:00~20:00
定休日:無休(デザイン・フェスタ期間のぞく)

その変化が見逃せない、強力な空間です。
数十人が集まる企画展、群を抜く。
『タンバリンギャラリー』

私は十数年毎月、青山・キラー通り沿いにある『風花(ふうか)』にお花を買いに行きます。その『風花』に辿り着く途中に突然できた『タンバリンギャラリー』。以来、ネット検索して気になった作家は必ず見に行きます。いいですね、慣れた道にあるって。作品を見ると息詰った気持ちがひゅ~んと溶けて消えてしまいます。

抜群に面白いのは12月クリスマスにかけての企画展。数十人の作家が規定楽器のタンバリンに各々表現した作品を一斉に展示します。同じ物なんてひとつとしてありません。人はオリジナル。とことん見てやるぞと挑戦者の気持ちになります。本当に見応えがある。スライドショーを公開しているのでぜひ見てね。

スライドショー:TAMBOURIN GALLERY presents FANTASTIC DAYS 2011

『タンバリンギャラリー』
Tel:03-5770-2331
東京都渋谷区神宮前2-3-24
11:00-19:00(展示最終日18:00まで) 
月曜休

写真の作品は肖像画家・レオナルド藤井作品展より。
『ギャラリーキッチン』

9月1日オープンする『ギャラリーキッチン』は、プロ、一般を問わず、料理の作品を発表するギャラリー。お料理を創作するキッチン設備が整えてあります。設備はプロ対応できるものになっています。もちろん絵やレリーフなど美術のギャラリーとしても機能します。1Fが画廊、2Fがオープンキッチン・ギャラリーになっています。

実際のところ、これまで、フード・クリエーターなど、食べ物や料理を仕事にする人にとっても、アマチュアの人にとっても料理の腕前を披露し、はっきりとした評価を受ける場所が思いのほか少なかったように思います。クリエーターとして今までの場所では表現しきれなかったレシピなどを思い切っり公開してみてはどうでしょう? 評価を実感できる良い機会になるでしょう。挑戦をお勧めします。ブログもあるのでチェックしてみてください。

こけら落としのイベントはデザイナー ツモリチサトさんによる「ツモリの森」。ツモリさんのテキスタイルの原画展です。原画展の期間、2階のキッチンでは 『ギャラリーキッチン(Gallery Kitchen)」オープンにちなんだランチボックスを1日100個限定販売します。『Hayatoya』のマルチクリエイター相澤真理さんによるもので700円とプチプライスです。

『ギャラリーキッチン』
東京都 渋谷区 神宮前2-19-2
11:00〜19:00(2Fでバー営業のある時は〜23:00)
問い合わせTel.03-3470-7080(ギャラリーキッチン運営事務局 担当 大村)
不定休

螺旋階段が特徴的な3階建て。