初夏の軽井沢。デトックスキュイジーヌとアロママッサージの2泊3日。

(2010.07.13)

軽井沢は新幹線でほんの1時間。ホームに降りると、夏でも清涼感があり、「ああ避暑地に来たな」と実感します。そうした空気とあふれる緑、避暑地としての文化度で一目置かれた存在の軽井沢に、女子心をくすぐる「軽井沢プリンスホテル イースト デトックス ステイプラン」があると聞き、行ってきました。実は当方、よりによって胃腸が絶不調。本来であれば、旅行など取りやめるところ、「まてよ、デトックスプランなら体調が戻るかもしれない」。と思い直し、お腹を押さえながら、出かけたのでした。

さて、2泊3日で「食=デトックスキュイジーヌ、スパトリートメント=デトックスマッサージ、運動=ウォーキング」を体感するスケジューリングプランとは???


梅雨の献立は
胃腸を丈夫にし,
気の巡りをよくする料理。

軽井沢プリンスホテル イーストのメインダイニングルームで、1日目の夕食に渡されたのは、2泊分のメニューパンフレットでした。それによると……。
「梅雨の頃は湿邪といって、中医学によるところの脾(胃腸)に影響が出ることがあり、またからだが重い、頭が痛い、口が粘る、みぞおちがつかえる、むくむ、食欲不振などの症状が出る」とあります。なるほど、わたくしの症状は季節性のものだったのですね。

メニューはこうした症状を改善すべく、利尿、利湿のある食材や胃腸を丈夫にする食材、氣の巡りをよくする食材を使ったとあります。

一品一品、フレンチのように運ばれるデトックスキュイジーヌは、滋味に満ち、素材の味を生かすためでしょう、調味料を極力控えた味付けです。男性陣はちょっともの足りない塩加減かもしれませんが、代わりに酸味やハーブでアクセントづけ、「はと麦?キャットミント?ネズミ大根の切り干し?へえ、これなに?からだに良さそう」という食材がふんだんに盛り込まれ、女子の感性に十分うったえるアプローチです。

一番の魅力は乳製品に頼らない調理法ですね。たとえば、クリームタイプのスープは味に深みを出すためには、生クリームを入れるのが常套手段ですが、野菜のうまみや甘みを引き出す調理法と水、豆乳などで美味しく仕上げています。もちろん、ベジタリアン料理ではないので、メインデイッシュには肉や魚が登場。軽井沢の地場産や近郊から取り寄せたフレッシュベジがかならず添えられ、とにかく野菜が堪能できる献立でした。

「蕪のスープ キャットミントの花添え」
蕪と豆乳で作ったスープは口あたりがよく、からだに優しい味だ。塩味は控えて、ハーブのキャットミントがアクセントになっている。
「豚肉のロールキャベツ わさびソース」
信州ポークとキャベツを巻いた、スープのないロールキャベツ。わさびクリームを添えるとさらに美味。ちなみにキャベツは消化がよく、豚肉は氣と血を補うとか。左上は、「生海苔ピラフ」。
「岩魚のバジルバルサミコビネガーソース 季節の野菜添え」
少し甘めのソースで岩魚、軽井沢いんげん、大根、マコモ茸のソテーをいただく。ソースには体を温め、消化を助けてくれるにんにくが入っているという。
「レモン寒天 ベリー添え」
レモン風味の寒天がさわやかな味。このボリュームでもきっと低カロリー。毎食後、かなりたっぷりめのデザートがつく。コーヒーではなく、ハーブテイ、杜仲茶、有機紅茶などが添えられる。

注:2010年7月24日(土)まで梅雨のメニュー、7月25日(日)から夏のメニューになります。


デトックス ステイプランの真骨頂。
予防医学に基づいた
メディシナルアロママッサージ。

デトックスプランのメインイベントといえば、2回のトリートメントで、1日目は筋膜から徐々に深部の筋肉をほぐすセラビューティックマッサージ。2日目のメニューには「デトックスボデイ リチュアル」と「メディシナルアロママッサージ」の2タイプがあります。わたしのチョイスは後者。予防医学を元に開発、認定された100%オーガニックのアロマテラピーオイル「ビィオセンシィエール」を使って行うマッサージです。オイルは南フランスプロヴァンスを拠点に活躍する自然療法士、ネリーグロジャン博士によってブレンドされたもので、希釈していない、100%シナジーオイル。カウンセリングの後、症状に合ったエッセンシャルオイルを選んでもらい、香りの適不適を確かめて、施術に入ります。

個室からは緑豊かなプリンスホテルの森が眺められ、トリートメント空間としては理想的な環境です。リンパの流れをよくし、余分な水分や老廃物の排出を促すためのマッサージは心臓に遠い、右側の足から始まり、右腕、左足、左腕へと続きます。左側の施術になると、不調だった腸が「グルルン」と決まって鳴くのにはびっくり。「きっとアロマが身体に浸透し、働きかけているのかもしれない」という思いがよぎります。こうして、トリートメントはほぼ全身におよび、なんとゴージャスにも100分という至福の時間が過ぎました。人によっては施術後、30分ぐらいでトイレに行きたくなる人もいるという即効性のあるマッサージとのことでした。

さて、2泊を終えたわたしの体調はいうと、、。実は1泊したあたりから徐々に胃腸の調子がよくなっておりました。それには、毎朝、ホテルの中に広がる森を散策するウォーキングもプラスになっていたでしょうし、ホテル内の温泉「フォーレスト ホット スプリング」の効果もあったでしょう。もしかしたら、たまたま参加したワークショップ「家庭でできるセルフ アロママッサージ」でリラックスしたからかもしれません。

とにかく、森に囲まれたホテルでのデトックスで英気を養った2泊3日でした。

胃腸の改善のために「ベリー」、ストレス性の疲労の改善のために「デイープカミング」というオイルをすすめられました。

予約・問合せ:軽井沢プリンスホテル イースト
Tel.0267-42-1111
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢  
http://www.princehotels.co.jp/karuizawa-east/spa_stay/index.html
施術前と後は、飲むアロマ「アロマティックデイスティレッドウオーター」で内側からもリフレッシュ。

 
 

筆者プロフィール

鈴木 聖世美(すずき・きよみ)

東京・麻布狸穴で育つ。エディター、ライター、プランナー。
毎日新聞社学生新聞部、編集プロダクションを経て独立。仕事はまったく趣味と実益で、おもに料理や健康分野の本を作ったり、メーカーのHPや会員誌などを手がけている。「朝昼晩キチッとご飯を食べるべし」という家訓のもとに育てられたせいか、腹時計は正確。どんなに多忙でも昼12時になると、ほぼ手づくりのサンドイッチでランチする日々。嫌いな食材は皆無で、愛情がある食べものに敏感。なぜか美味しいものに鼻が効く。
http://hbon.jp/Twitterアカウント「hbonbon」