ドイツのジュエリー作家が生み出すスペシャルなリング。カール・フリッチ 個展 『Cowboy Rings from Kiwiland』開催。

(2010.06.15)

東京・恵比寿にあるコンテポラリージュエリー専門のギャラリー、『ドゥ ポワソン』では、6月25日(金)からドイツのジュエリー作家 カール・フリッチの展覧会を開催します。

カール・フリッチ(Karl Fritsch 1963年生)は、コンテンポラリージュエリーの世界でも際立ってユニークで革新的な作品で注目を集める存在です。1994年よりミュンヘンを拠点に制作活動を行い、現在はニュージーランド在住。世界各地の美術館で作品を発表しています。2010年にはミュンへンの現代美術館『ピナコテーク・デア・モデルネ』のジュエリー展示室をキュレーションするなど、活躍はさらに多方面に広がっています。

カール・フリッチは、長年リングにこだわって作り続けています。彼の作るリングには、小さな彫刻のような凝縮された密度があります。フリッチは、ワックスを手でこねて原型を作り、金や銀で鋳造する手法でリングを作りますが、その独特な、複雑でふぞろいなかたちと指紋が残る表面の質感が印象的です。

 

酸化させた金、大胆に穴を開けたクオーツや大理石、高く積み上げ接着した貴石・・・。通常、宝飾の世界ではタブーとされるあらゆる要素がフリッチのリングには見られます。これらの表現は、既存のジュエリーに対する批評として生まれます。しかし、単にエキセントリックであるのではなく、豊かな経験に裏打ちされ、力強い存在感とチャーミングな魅力をあわせ持つ造形となっています。その根底には、ジュエリーは誰かが身に着けて初めて完成するという考えがあり、時間の中で身につける人とともに変化し輝きを増していくことをゆっくりと楽しむ醍醐味がつまっています。

 

昨年出版された『ソニアのショッピングマニュアルⅢ』の中で、ソニア・パークさんによってカール・フリッチのリングが紹介されましたが、日本で二度目の個展となる本展では初発表の新作リングが揃います。フリッチ本人が手がけるインスタレーションとともにどうぞお楽しみください。

 

カール・フリッチ 個展 『Cowboy Rings from Kiwiland』

期日:2010年6月25日(金)〜7月11日(日) 月曜休み
時間:12:00 – 20:00
開催場所:gallery deux poissons(ギャラリー 『ドゥ ポワソン』)東京都渋谷区恵比寿2-3-6 B1F
アクセス:http://www.deuxpoissons.com/access.html
問い合わせ:Tel. 03 – 5795- 0451