GARMENT REPRODUCTION OF WORKERSフランスのワークウェアの魅力を、
ニュアンスごと再生。

(2011.04.11)

ヴィンテージのワークウェアへの思いから始まった。

「ガーメント・リプロダクション・オブ・ワーカ―ズ」、直訳すると労働者の服再生。この春5シーズン目を迎えるこのブランドが、静かな人気を博しています。さまざまな思いとこだわりを持って、ヨーロッパで見つけた素材で現地フランスの工場で作られるアイテムは、100年たっても色あせないフォルムと独特の風合いを持っています。

もともと山口・福岡でインポートセレクトショップをしていた小田隆博さんは、フランスで19世紀ごろから作られているヴィンテージ・アンティークのワーク・ミリターリーウェアの機能的で独特の風合いがあるデザインが好きで、フランス中の蚤の市やデッドストックなどを探しまわってヴィンテージウェアを仕入れていました。ところが次第に、人気が上がる一方なのにいい状態のものがないという状況に陥り、ワークウェア・ファンのための新ブランド「ガーメント・リプロダクション・オブ・ワーカ―ズ」(GRW)を立ち上げたのです。

100年前のパターンを再生。

ワークウェアにインスパイアされたものは、日本のセレクトショップ・オリジナル、デザイナーやスタイリストによるブランドでもよく見かけます。GRWがそれらと違う点は、ヴィンテージウェアからマスターパターンを起こして使用しているところです。背中にたっぷりとギャザーの入ったスモック風の上着は、オーガニック・ファション好きの女性に好まれそうなデザインですが、元は農作業のための男性用上着! 

「100年以上も前のものですが、着物みたいな直線裁断で作られているんです。直線だと首周りと袖ぐりは開いてしまうのでギャザーを寄せてすぼめ、直線同士でうまく縫い合わせられない脇の下の部分は四角い布をマチとしてあて、スムーズに動けるようにしています」の説明通り、拡げてみると長方形を組み合わせたようなパターン。ふと見るとポケットの位置にポケットに見える切り込みが。「そこから手を入れて、パンツのポケットに手が入れられるんです。もちろんオリジナルのパターンに入っているものです」。ワークウェアの魅力は、徹底的に機能を追求した上で生まれたフォルムのかわいさだったんですね。

素材探しと細かなこだわり。

素材の多くは、デッドストックの古いリネンやコットン。ヴィンテージの買い付け時にフランス中を探し回って、見つけては買い集めストックしてきたものだそう。年月のせいか元々なのか、織り地がでこぼこしていたり、シュリンクしているものもあり、それが独特の味わいを出しています。

「縫製もすべてフランスでしています。縫製の技術は日本の方が高いし、いろいろなリクエストに答えてくれるのですが、ニュアンスを求めてフランスの工場を探しました」。そのニュアンスとは、子どもの絵や不器用な人の刺繍がすごい魅力を持っているような、出そうと思っても出せない味わいのことのようです。

ワークウェアをアレンジせずに、ニュアンスごとそのまま再生する――こうして、ありそうでなかったプロダクトが誕生。毎シーズン、たくさんのヴィンテージマスターガーメントの中から、少しずつ再生していくということです。

また女性用にサイズアレンジをしたものではなく、そのままのパターンを小さなサイズから展開しているので、女性もヴィンテージ感をストレートに楽しめます。19世紀の労働者のように、個性たっぷりの着こなしを楽しみながら穴があくまで着込めば、さらに味わいが出るものばかりです。


GARMENT REPRODUCTION OF WORKERS

ガーメント・リプロダクション・オブ・ワーカ―ズ
CONFECTION Co.,Ltd    
東京都目黒区上目黒3-27-17 サクラノキテラス中目黒02
Tel. 03-5794-0617

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