土屋孝元のお洒落奇譚。 てんとう虫、かなへび…… 庭の訪問者も増えて剪定の時期です。

(2014.06.26)
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てんとう虫と幼虫。てんとう虫の幼虫はアブラムシを食べるので助かります。© Takayoshi Tsuchiya
開花後、花殻を摘み五つ葉の上で剪定。
これで二番花、そして冬まで咲いてくれます。

連日、梅雨の中休みか晴れの日が続いてるのですが、この時期には、植木の剪定をしないといけません。そうしないと枝が伸びすぎてしまい、全体の形が悪くなってしまいます、形が悪くなってから整えるのはけっこう苦労するのです。

皐月(サツキ)、灯台躑躅または満天星(ドウダンツツジ)、百日紅(サルスベリ)の下枝、木香薔薇(モッコウバラ)、クレマチス、などの剪定。デビット・オースチン・イングリッシュローズのグラハム・トーマス、同じくアブラハム ・ダービー、などは花の開花後に花殻を摘み、五つ葉の上で剪定して形を整え、次の花芽を待ちます。こうしておくと、イングリッシュローズなどの四季咲きのバラは夏には二番花が咲き始めます、冬まで次々と咲いて楽しませてくれます。

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先日の朝、今年はアブラムシが少ないなぁ、と思っていたら新しい花芽にアブラムシが付き始めたので、オルトランと言う消毒薬をバラの株元に撒きましたが、これからは毎朝アブラムシとの闘いの日々が続きます。僕は基本的にはあまり強い殺虫剤は好みではないので、手袋をつけた手で潰すと言う原始的な方法です。花芽に殺虫剤を噴霧すると花が汚なくなってしまうのでそうしています。木酢液を希釈して噴霧することもしてみたのですが、あまり効果はなく原始的ですが手で潰すのが確実ですね。そのほか、てんとう虫はアブラムシの天敵になると何かに書いてありましたので、庭でてんとう虫の幼虫を見つけたらバラの枝に移してアブラムシを捕食してくれるのを待ってみたり。

クレマチス・モンタナ、カキツバタは切らずに。
木香薔薇は徒長枝を剪定。

春にこぼれるように咲いてくれたクレマチス・モンタナはこの時期は来年まで長いお休みになり、冬から春先までは枯れ枝が少し気になるのですが、切ってはいけません。この花の後に伸びたツルの枝先に花が咲くので花の数が少なくなってしまいます。春に咲いたカキツバタ達も花殻は摘み、花枝は伸ばしておき栄養を地下茎に蓄えさせて夏に枯れてきたらその枝を短く剪定します。

庭の珊瑚樹も今が開花時期で花が咲いて秋には赤い実が付き珊瑚のように見えるのでこの名前なのでしょうね、若葉との入れ替えの時期で古い葉が毎日落ちるので塀の周りを朝掃除するのも日課です。先日 その掃除の後、ゆっくりと何気なく庭木を見ていたら、コゲラが珊瑚樹にいるのを見つけて嬉しくなりました。コゲラとは、啄木鳥(キツツキ)の小型の鳥で野鳥図鑑によると最近は住宅地の林や庭木にもやって来るとありました。四十雀(シジュウカラ)や目白(メジロ)はよく見るのですが、コゲラは珍しいかな。

ちょうど今頃には梔子(クチナシ)の花が咲き始め、朝や夜には良い香りが漂います、今年は去年より花が遅いように思うのですが春先に雪が多く寒かったためか?

木香薔薇は花が終わるとベイサルシュートと言う徒長枝が伸びるのでこれも剪定します。伸びた枝先に来年の花が咲くので剪定はそれを考えてうまくやらないと花が少なくなってしまいます。隣家との境の塀にはアイビーへデラと木香薔薇、クレマチス、初雪カズラ、南天で緑の壁を作っているので隣へ伸びた枝は剪定しないといけません。

この南天もこの時期には新芽が伸びるので剪定は重要になります、あまり切りすぎると花芽が無くなり、秋に実が付かなくなるのですが、隣家に近いので剪定しないわけにはいきません。

osyarekitan140625-02コゲラ(小啄木鳥)。おとなしくてよく探さないといるのかわかりませんでした。© Takayoshi Tsuchiya

剪定に使っているグッズは基本的に植木鋏です。手で刈るタイプの昔ながらの鋏で鍛治の名前が書いてありましたが記憶が定かではありません、使い終わったら水洗いして乾かし、CRC556を刃先に噴霧しておくと切れ味は変わりません。小型の剪定鋏は刃先を自分で取り替えて使っています。電動トリマーも良さそうなのですが、刈り込みすぎるといけないのでまだ手に入れていません。

草むしりは、この時期修行のようですね、朝 早朝に根切りスコップで手作業で摘んでゆくのですが、座りながらのほうが楽なので、園芸用の車輪付き小物入れに腰掛けて気長にやっています。長靴、長ズボン、首にはタオル、パナマ帽をかぶり、手袋をして完全装備です、こうしないとヤブ蚊に刺されてしまいますから。

庭はプチ生態系
食物連鎖を垣間観る。

庭を観察しているといろいろな発見もあります。毎年見かけるカマキリの卵を見かけたり、まだ小さいカマキリを薔薇の枝でよく見ますがアブラムシは食べるのかどうかわかりません。たしか、「カナヘビ」と言う名前のトカゲを見たのも最近でした、このトカゲは僕が見ていても逃げません、近くにいてじっとしているので意外に可愛いものです。

檸檬の木にはアオスジアゲハの幼虫が毎年やって来て? 今年の新葉を美味しそうに食べています、僕は檸檬の実が心配なので 去年から庭の山椒の枝に幼虫たちを移して檸檬の成長を助けるようにしました、そのためかどうか、去年は檸檬の実が7つも取れたのですが、今年はどうなるでしょう。この幼虫たちも四十雀(シジュウカラ)などの餌になるのかもしれません、食物連鎖を垣間見た感じです。

コゲラも昆虫やクモを食べると図鑑にありましたので捕食しているのかも、椋鳥やオナガも見かけるので「カナヘビ」さえも狙われているのかもしれません。

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カナヘビ。昆虫やダンゴムシなども食べるようです。© Takayoshi Tsuchiya