土屋孝元のお洒落奇譚。こんな時期は『サンタ・マリア・ノヴェッラ』の「ルッサ」

(2010.07.27)

毎日、毎日、梅雨空が続いています。九州や西日本では、もうかなりの雨が降ったようです。
降らないのも困りますが、降りすぎてもまた、やっかいなものです。

こんな時期はとくに、僕は 朝シャワーを浴びるときに『サンタ・マリア・ノヴェッラ』の「ルッサ」という石鹸を使います。
この、『サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局』はフィレンツェにあり 世界最古の薬局といわれています。

©Takayoshi Tsuchiya

トマス・ハリスの小説『羊たちの沈黙』に登場する、ドクター・レクターが
主人公のFBI捜査官の石鹸の香りを言い当てる場面が出てきました。
たしか、彼女は『サンタマリアノベッラ』のアーモンド石鹸を使っているのです。

記憶ではクローゼットに石鹸を入れていたのでは……朧げな記憶ですが。
話は戻りますが、僕の使う「ルッサ」の石鹸、オーデコロン、アフターシェイブなどは昔、ロシアの貴族のために作られたそうです。それで イタリア語でロシア→ルッサという名前なのだそうです。

この香りは、アフターノートにスパイシーな香りが残り 気にいっています。
こんな時期には爽やかさが表現できます。

香りの記憶は脳に直接響くのだとか、と何かの本で読んだことがありますが、
人間の古い感覚に作用するのでしょうか、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、五感のなかでも
嗅覚は脳内の深い部分に記憶されるとか。

話は レクター博士に戻りますが、小説のなかで 彼が記憶の宮殿という膨大な記憶知識の世界(この宮殿は美術館のようなイメージで正面を入り階段を上ると そこに個人的な例でいえば、ドナテッロの少年像があるとか具体的に収容物の場所が特定できる)を持ち、
その中から的確に知識や記憶を引きだすのには香りや嗅覚が重要な要素になっていました。

いい香りと嫌な香りは紙一重でその香りの濃度によるとかと文献で読んだことがあります。

例えば、麝香など濃度が濃いとたんに嫌な香りですが、希釈して使うと とても良い香り、
昔は媚薬として使われていたそうです。

サンタ・マリアに戻ります、ここは修道院の経営で中世からの製法を守り添加物など一切無しで作られていて身体には大変良いとされています。

もしも、ご興味がありましたら 銀座にも路面店がありますから、銀座散歩の帰りにでものぞいて見てはいかがでしょう。

©Takayoshi Tsuchiya

 

サンタ・マリア・ノヴェッラ

http://www.santamarianovella.jp/