籾山由美の東京-島根 小さな暮らし季節がうつる春の足音。
花もたおやかに優しく。

(2012.03.02)

冷え込みの厳しい2月でしたが春がどんどん近くにやって来ます。私には屋上から見える富士山が、氷の帽子からまろやかで甘いソフトクリームに変わりました。春から食い気ですね。(笑)

じゃ、ちょっとまじめに近況報告。ベランダのプランターの水やりで気がついた事があります。

冬を越した植物の葉が茶色から薄黄緑に変わりました。1〜2日でスルリと変身。びっくりです。これからしっかりとした濃い緑と柔らかな色を重ねてベランダに並んでくれるのでしょう。

お稽古の花も春らしくなりました。新芽をつけた枝もの、愛らしいチューリップ、マーガレット。これらの花を見つけるとウ~ンと縮こまった手足を伸ばしたくなります。冬には冬の楽しみがあって嫌いなわけではありません。でも春は特別。

今日もいいお天気です。さあさあお散歩に出かけましょう。春の花を楽しむために! きっと嬉しい事にぶつかります。

気分は上々。お先に春花、お稽古で。

目が覚めるようなショッキングピンクのバラの花。ぽってりとした八重咲きに一目惚れです。初級用として花組みをしました。思いのほか香りがありません。それでは部屋に飾ってもちょっと寂しい。そこで香りの強い花のローズマリーを加えています。花も今の時期はついていてうれしいですね。香りには好き嫌いがあります。プレゼントには香りも考えて花組みを心がけましょう。

使っているお花 / ピンクの薔薇、オーニソガラムの仲間、エリンジューム、花付きのローズマリー


ピンクの薔薇をこのままドライにして楽しむのも手。

アクセントの色で季節を演出。
色を同色にまとめるとスッキリ。

投げ入れの中級です。正木さんの作品。全体にグリーン系でまとまっていますがトラノオの仲間の花に薄い桃色が入っていてアクセントになっています。実物の方がもう少し色に幅があり春らしい作品です。夜のお稽古なので室内は蛍光灯の光。どうしても柔らかい色はカメラが拾えず残念です。

使っているお花 / 黄緑の薔薇、ライスフラワー、ユーカリ、トラノオの仲間


花組に迷うときは同系色に。うまくまとまります。

今回の薔薇もかなり珍しいタイプ。外側がクリームみたいな色に柔らかいピンク。少女漫画に出て来そうなくらい甘い印象です。ところが中央のトルコギキョウがここ数年改良が猛烈に進み、薔薇の花にもシャクヤクにも負けず劣らずのルックスに。トルコギキョウは一重で咲く地味な花でした。昔のトルコギキョウからは想像がつかないほどです。中級用花組み。

使っているお花 / 薔薇、八重咲きのトルコギキョウ、シャクヤク、小葉のユーカリ、実付きの杉
トルコギキョウ


薔薇よりも薔薇らしく咲くトルコギキョウ。トルコギキョウは大輪で一枝に3〜5輪の花実がついています。

力強く根を張る球根は来る春を印象づけます。この回では、見せる器で球根をどう活けるかが課題です。中級生徒さんたちはかなり苦戦。作り過ぎても駄目、といって何も考えずにいつものように入れると花の切り口が全て見えてしまいます。つまり裏方が全部見えると言う事。かなりセンスを問われます。その中で、花畑のように活け込んだ鷲津さんはお直し無し。しかしながら写真で撮るには難しい活け込みでした。私の力量不足のため撮影不可。ごめんなさい、鷲津さん~。

使っているお花 / オリーブの枝、菜の花、ブルースター、チューリップ、球根のムスカリとスノーフレーク


春花の代表選手でまとめた花組み。スキップ気分です。

花畑をテーブルに。見える器でひと工夫。

透明な器は陽の光で水が腐りやすいので取り替えを細かくします。透明で波打つような形のプラスチックの器です。ガラスよりも花の切り口が滑る事、切り口が全て見えるので、稽古のときには器の底に庭石の玉石を何個か入れて花留めにしています。

使っているお花 / 球根のスノーフレーク、ムスカリ


根付きは花が終わったら土にもどしましょう。枯れずに残ってくれます。