Cabinet de Curiosités ―
ハンスの魅惑の小部屋 展 開催中。

(2012.03.23)

『Délier IDÉE(デリエ イデー)』で
「ハンスの魅惑の小部屋」展。

パリ在住のアーティスト、Hans Itoさんの個展「ハンスの魅惑の小部屋」が新丸ビル4Fの『Délier IDÉE(デリエ イデー)』で開催中です。

Hans Itoさんはパリ10区の自宅、もともとはホテルであったアパルトマンの一室をブリコラージュ(フランス語で寄せ集めて自分で作ること、ものを修繕すること)で独自の世界にしつらえて暮らしています。「ハンスの魅惑の小部屋」はそのアトリエを再現したものです。

アンティークのアップサイクリングに興味があったというHans Itoさん。蚤の市で見つけた額縁を組み合わせてポエジーを湧き立たせるキャビネットに変身させたり、古書のページを積み重ね猫足テーブルに生まれ変わらせたり……。製作してはアトリエで発表会をしていたところ、パリを訪れる日本の文化人の間で話題となり、熱狂的な支持者の輪を広げています。

アンティークの品々を従来の使用法をするモノとしてではなく、独自の意味を与えた作品に作りなおすHans さんのアップサイクリングはベルエポックのパリ、博物学、耽美主義の香りをまといながらも、知的好奇心を刺激する、まさにそのブランド名『Ecole de Curiosités』好奇心学派そのもの。

その世界は、作家の原田マハさんをして「……他者の追随を許さなかったランボーを、ステファン・マラルメは「おそるべき通行人」と評した。一定の評価に留まることをよしとしなかった漂泊の詩人になんと似つかわしい形容だろうか。マラルメに使われた比喩としての「通行人」を、私は伊藤ハンスに贈りたいと思う」(Hans Ito, ce passant charmant )と言わしめるほど。著書『楽団のカンヴァス』のためのパリ取材中にHans Itoさんに出会った原田さん、さっそくイデーの川渕さんにHansさんを紹介しました。

 
左・Hans Itoさんのパリのアトリエを『Délier IDÉE』の一角に再現。
右・アンティークの品々を独特のセンスでアップサイクリング。
 
左・往年のアシェット社のブルーガイドもHans Itoさんの手にかかるとクラッチバッグに。
右・パリを拠点に活動中のHans Itoさん。
 
左・独自のブランド 『Ecole de Curiosités』のシャツ、バッグも。シャツには植物採集のためのポケットが。
右・古書のページでテーブルを。パラパラとめくることができる化粧机。
 
左・アール・デコ時代のイラストレーター ジョルジュ・バルビエの挿画が入ったピアノロールをノートに。
右・”Ecole de Curiosités”とはいうなれば「好奇心学派」

  

今回の「ハンスの魅惑の小部屋」は、イデーが家具製作の中で追求している「リメイク」をテーマに、Hans Itoさんが、これまで温めていたアイディアをオリジナル作品として発表、販売するものです。

ピアノの自動演奏のための楽譜をノートに仕立てた「虫食いノート」Note Vermoulue 3,150円、名作古書をクラッチバックに様変わりさせた「ラ・ブキニスト」La Bouquiniste 10,500円~、かつての百貨店で使われていた木製の持ち手を再利用したエコバッグ4,410円、古書でつくった猫足テーブル 367,500円などなど、どれもハンドメイドの一点もの。その奇しくも美しい世界にぜひ触れてみてください。

『Cabinet de Curiosités ―
ハンスの魅惑の小部屋』展

場所:Délier IDÉE
   東京都千代田区丸の内1-5-1新丸ビル4F

期間:開催中〜2012年4月2日(月)

営業時間:11:00~21:00、日祝日~20:00
Tel.: 03-5224-5571

Un après-midi, autour d’un thé en compagnie d’Hans ― ハンスのお茶会

2012年3月28日(水)18:00~21:00
パリから来日中のHans Itoさんがお茶とマドレーヌを振舞います。どなたでも参加可。
※お茶とお菓子がなくなり次第終了です。