籾山由美の東京-島根 小さな暮らしお出かけも賄いも、お洒落もできるジャージの着物です。

(2016.12.10)

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ソースのシミもなんのその。
自宅洗濯機で丸洗い。ストレスなし。

吐く息も白くなり年末年始が目の前です。美しく迎えるために掃除、買い物、料理と予定はびっしり。続くお年始、目が回りそうな数日間です。慌ただしさを考えるとお洒落も考えたくないのが本音。とにかく掃除と買い物はジーパンにジャージがお気楽とあらかた調うまではそれで乗り越えるのが例年。それでも大晦日はぎりぎりまで動き回っています。

ぐだぐだの格好の時に限ってひょっこり妹家族がやって来たりする、お洒落して。姪と甥による私のファッションチェックも入る。ショック。なんで連絡しないの、少しは身綺麗にしたのにと大抵姉妹の口喧嘩。甥と姪はニヤニヤ笑い、妹の夫はまたかの顔つき。そんな緊急の時、強い味方が自分で縫い上げたジャージの着物。お酒をこぼそうがソースが付こうがへいちゃら。自宅の洗濯機で即丸洗いです。ジーパン等と変わらない意識で洗濯機に投げ込めます。気楽に着るために作っているから洗濯も気楽でなければね。

いざと言う時、ジャージの着物、長襦袢、足袋、帯と揃えて用意しておけば、あっという間に着替えられます。妹の口喧嘩の後、台所の続きは妹に押しつけ、私は着物にさっさと着替えます。着替えたら前掛けをしてまだ膨れっ面の妹と並んで台所に立つ。姪も甥も着替えたの、お洒落じゃん、とつぶやく。やった、ポイントゲット。深夜の神社へのお参りも冬コートを羽織ってみんなで行く事になります。大人になった姪や甥と久しぶりの賑やかなお喋りを楽しみながら華やかな気分で神社に向かいます。

 
帯を変え、
組み合わせの楽しさを覚えましょう。

今回の着物は楽に動く事も大事ですから、半幅で締めてカジュアルにしています。帯揚げ、帯締めをしません。この2本がないだけでも軽くて動きがスムースになります。腰紐も2本と決めて極力紐の数を減らします。人数の多い食事は賑やかに大食漢になりたいものです。これで安心してなれますね。

帯は母が若い頃に締めていたウールです。赤い柄を上にするのと下にするのとでは感じが変わってきます。襟元をスッキリさせるなら赤を上にすると良いですね。

私の母が若かったときに締めていたウールの帯です。
私の母が若かったときに締めていたウールの帯です。
 
ボーダー・ボーダーの組み合わせ。

横縞の組み合わせをしてみました。スッキリとまとまるのが嬉しいですね。寒い時期ですからできるだけ素材が暖かく感じる物を選びましょう。気に入った生地で半幅の帯を作るのもお勧めです。半幅の目安は最小で幅約12㎝、長さ400㎝です。真っすぐに縫えば良いだけですから自分で縫うのは楽しいですよ。長いから手縫いにしろ、ミシンにしろ途中で挫折しそうにはなりますが。

この帯は着物好きの方が締めない帯があるけれど良かったら受け取ってと送ってもらった物です。着物を着る人の間では流行のやり取りです。

呉服は横縞は案外少ないものです。着物好きは注目しますよ。
呉服は横縞は案外少ないものです。着物好きは注目しますよ。
 
大活躍、
曾婆様の半幅帯。

痛んだ所を落として仕立て直した半幅の帯です。曾婆様所有でした。おそらく曾婆様が仕立てています。曾婆様、御婆様、母からの帯揚げや帯締めを使っています。当時は高価ではないものもでも今は作れない生地があり、とても重宝します。きっと箪笥を探せば出てくるのではないかと思います。年末の大掃除はぜひ探して欲しいですね。

銀糸が織り込んである帯です。着物の組み合わせの目安として長着(着物の意味)より帯の格を高くすれば良いと考えられているようです。迷ったときはそれが目安にすれば良いでしょう。

しかしながらジャージの着物は、洋服の布地で作った洋服に近い着るものであり、呉服の世界では枠外の着物です。おそらく着物に似た形をした服という感覚でしょう。その理由から私は多少の掟破りも気にせず私なりの判断で着ています。

銀糸が織り込んである帯。
銀糸が織り込んである帯。
 
寒さ避け、
襟に差し込むオーガンージー。

ラグラン袖の洋服のコートを会わせています。袖幅が広いので着物の袖が気になりません。着物だからと決めつけないで柔軟に使う事が大切ですね。洋服のコートと説明するとと一目置かれますよ。

着物はとにかく襟元が寒い。マフラーやジョールで襟を巻いて寒さを避けますが、荷物になるので面倒です。そう言う時に勧めたいのが、襟に布を挟み、寒さを避ける方法です。正式な場所では外さなければなりませんが、カフェやカジュアルなバーなら外さなくて良いと思います。コーディネートの幅が広がり同じ着物でも違う印象になります。写真の襟に挟んだ布はオーガンジーのチェック柄です。暖かいですよ。出来るだけフワフワと襟からはみ出して挟んでください。見た目も暖かくなります。

気に入った布地ならなんでも襟に差し込んで襟巻きに。
気に入った布地ならなんでも襟に差し込んで襟巻きに。
シルクのスカーフもお勧め。
お洒落を襟で。

母が若かった頃、良く着ていたウールのコートです。大きなボタンでとめるのが気に入っています。寒い日、母はこれにフェルトのショールを巻いて出かけたものです。ショールも悪くないのですが案外荷物になります。それで便利なのが長着(着物の事)の襟の中にスカーフなどの布を挟んで首回りだけの襟巻きにする事です。

その昔、曾婆様や御婆様たちは寒い日、向こうが透けて見えるナイロン素材のスカーフを一日中しているのがトレンドでした。

昔の女の人は家事で確かに忙しかった。ショールなど巻いてる暇はありませんし、まかないには不向きです。私にはお洒落に見えて自分でもするようになりました。フワフワにして長襦袢と長着の間に差し込みます。色や柄を考えるととてもお洒落なコーディネートが出来ると思います。

冬の季節は襟が寒いのが着物。お洒落を兼ねて防寒です。
冬の季節は襟が寒いのが着物。お洒落を兼ねて防寒です。

ジャージの着物は私のオリジナルです。昨年立ち上げた和裁教室『花組庭園 花組和装園』のブランドから発表、販売しています。

『花組庭園 花組和装園』は着物の型紙を作って自分で仕立てるという教室で、身長170㎝越えの人にも対応する着物作りです。1回の教室で毎回完結する教室です。継続して教室に通いたい人は毎回予約をしてもらい、進み具合で教えます。挫折もありますから、挫折してもまたやる気になったら受け入れるという教室です。のんびりです。(笑)レッスン料は1時間 2000円です。メールにて予約が必要です。『花組庭園』のホームページを参照してください。

ジャージの着物を購入したい人はクラフト製品の通販サイト『iichi(いいち)』の中の「花組庭園」で検索して頂ければ値段などを表示して販売しています。同じ物はありません。

ハンドメイド・クラフト・手仕事品の販売・購入 iichi(いいち)