表参道eco日記 - 8 - 花束は、バッグに入れて……。

(2010.04.22)

表参道の路地を歩いていると、コダワリのお店に出合うことが多いです。だから、日本有数の方向音痴(たぶん)の私も、迷子覚悟で(!?)細めの道に入っていくことがあります。何度か通ったことのある道に新しいお店ができていることもしばしば。

この前の週末は、素敵な雰囲気のフラワーショップを発見しました。でも、なにかがちょっと違う。なんだろう、この小さな違和感。理由がわからず、しばらく立ち止まってしまいました。

違和感の正体は……「花束がバッグに入っている」コトでした。他のお花もハンガーラックにさげられていたりトルソーがあったり、素材がお花じゃなければファッションブランドみたいな雰囲気です。

花束を「ななめがけ」したトルソー。後ろには本棚と美容室が見える不思議な空間。

なぜバッグ?  なぜたすきがけ? ……と、疑問だらけで、じっと見つめていたら、中からニコニコした人がでてきました。そして、ヒトコト。「花は作品なんです」。作品だからこそ、持って歩くときも、渡すときも、受け取った人が家に帰って飾るときも、最高の状態であってほしい。そのコダワリを一番良い方法で形にしたら、花束をキャンバス地のバッグに入れる「バッグアレンジ」になったそうです。

バッグアレンジは、持つとこんな感じ。次にバッグを持ってお花を買いに行くと、ちょっとオマケしてくれます!
フラワーコーディネーターの宇田さん
。ディレクターの岸さん。とてもオシャレなご夫婦です。

お店の名前は『logi(ロジ)』。私に声をかけてくれたのはディレクターの岸さん(元広告カメラマンという異色の経歴!)でした。色とりどりの花で埋め尽くされた温かみのある空間は、フラワーコーディネーターの奥様とのコラボで作り上げたもの。昨年11月にオープンしたばかりの花と植物のお店です。

 
花束って、贈る瞬間ばかりをイメージしがちだけど、花が咲いて、そこから誰かの手に渡るまでの一連の物語、その途中に待ち受けるいくつもの困難や喜び、そういうもの全部ひっくるめて「花を贈る」ってことですよね。その物語を想像して立体的に組み立てるからこそ、バッグアレンジという発想が生まれたんだと思います。

私自身、プレゼントを選ぶ時は想像力をフルに働かせます。相手が興味を持っているコトやモノ、好きな色、形、味……その中で自分が贈ることができるものを全力で考えます。何にしよう、いつどんな風に渡そう、メッセージは? ラッピングは? 持ち歩く距離や時間は? 渡した後、それはどう使われるだろう。そんな風に、相手を想いながら時間をかけて選びます。贈り物って想像力のカタマリなのかも。

『logi(ロジ)』では、アレンジをつくる前に、贈る相手のイメージを丹念にきいていくそうです。質問は、その人が好きなファッションや音楽まで及ぶことも。アーティストの楽屋花をオーダーされた際には、そのアーティストの音楽を聴きながら作ったというコダワリぶり!「贈る」コトを、そこまでサポートしてくれるヒトがいるって、すごいことですよね。お花のクリエイターが全面的にバックアップしてくれている感じ。

「花の仕事が、楽しくて楽しくて仕方ないんです!」

今まで作ったアレンジの思い出を熱く語りながら、そう、笑顔で言い切る岸さんと宇田さんご夫妻。ああ、このお店に、これから贈るお花のこと、全部まかせたいな……心からそう思えました。春に向けて、バッグアレンジを持って表参道を歩く機会が増えそうです。

ちなみに、このフラワーショップにひかれた理由がもうひとつ。それは……「美容室」や「ネイルサロン」、「音楽ディレクター」や「本のコンシェルジュ」とコラボしているから。一見不思議な組み合わせですが、そこにはひとつの大切なコンセプトがあるそうです。なんだろう、すごーく気になる! そちらはぜひ別の機会にご紹介したいと思います。

来月の母の日にあわせて、人気のガーベラのほか、マーブル模様のバラを使ったアレンジも登場予定です。*バッグアレンジは3,500円~、母の日アレンジは5,000円~。詳しくはお問合せください。

来月の母の日にあわせて、人気のガーベラのほか、マーブル模様のバラを使ったアレンジも登場予定です。

 

色とりどりの花で埋め尽くされた温かみのある空間。

loggia PLANTS & FLOWERS

東京都渋谷区神宮前5-1-6
Tel. 03-3498-0115
http://logi-plantsflowers.blogspot.com/
12:00~19:00、土11:00~20:00、日祝11:00~19:00
不定休
東京メトロ「表参道」駅A1出口から徒歩約1分
※時間外のご注文はご相談ください。