籾山由美の東京-島根 小さな暮らし今年の夏は浴衣でお出かけ。 暑い日を楽しむお洒落です。

(2015.07.14)
今回は浴衣のお洒落を楽しむために。
今回は浴衣のお洒落を楽しむために。

花火大会の夏がやってきました。浴衣で花火を見たいですよね。昨年から浴衣を仕立てるようになり、夏は浴衣で出かけることが多くなりました。今年も新しい浴衣が欲しくなり、コウモリ柄で仕立てようかと考えています。

しかしながら浴衣は嫌になるほど汗をかきます。帰ったら即、洗濯機に浴衣をつっこんで丸洗い。自分で作っているのでためらいなんてありません。ガラガラガラ、と洗濯機を廻します。

乾かすためには、竿のように長い農業用の棒をホームセンターで調達。それを衣紋掛け代わりに浴衣の袖を通して干します。一晩で乾くのですが、いつも同じ浴衣は味気ない。そこでもうひとつ仕立てて着回しです。それでも、その浴衣を知っている人に出会います。そんなときは帯を変えることにしています。これだけで組み合わせを考える楽しみが増えます。今回は浴衣のお洒落を楽しむためにコーディネートを考えてみましょう。

 
まずは浴衣の基本中の基本、紺に白抜き。

年齢を問わない紺に白抜きの浴衣でコーディネートしてみました。最初は朱色の帯の組み合わせ。20代の方にお勧めです。とはいえ、着る方の雰囲気で50代でもこなせる色合いです。浴衣は夏の暑い日を楽しく過ごすお洒落着。洋服の選び方とはまるきり違います。ぜひとも冒険をして欲しいですね。無地の帯ですから回した一番上側の帯を折って締めても素敵です。折り目をアクセントに試してみてください。

月に着回した団扇柄の小紋。小紋は仕立てるのに柄合わせをあまり気にせず縫えるのでお気楽です。
7月に着回した団扇柄の小紋。小紋は仕立てるのに柄合わせをあまり気にせず縫えるのでお気楽です。
 
博多帯は色違があると便利。

博多帯はきりりと締めて粋に着こなしましょう。不変のデザインなので一枚あると重宝します。博多帯は着る側の意気込みが大切です。足元の下駄の花緒は博多帯に合わせてスッキリとしたデザインを選んでください。花緒は小さなパーツですが全体を引き締める大事な部分です。足元だけ甘くならないように注意してくださいね。

博多と名の付く帯のひとつです。幾何学模様が特徴。ベースの色は白、グレー、赤などたくさんあります。
博多と名の付く帯のひとつです。幾何学模様が特徴。ベースの色は白、グレー、赤などたくさんあります。
 
箪笥を探すと出てくるかも。お下がり、
母の帯でコーデ。

実家で探して見れば、誰の家でもきっと見つかるはず、の母親のお下がり。我家ではこれが見つかり、ありがたく使わせてもらっています、30代以降の方にお薦めの組み合わせ。帯の中央に黒線の折柄です。この一本の筋が華やかにしてくれます。柔らかな印象の方でもきっぱり系の女性にも似合います。人を選ばない重宝な帯です。同じ浴衣でも帯が変わると全体の印象が大きく違います。帯で遊ぶことをぜひ覚えて欲しいですね。

花緒が赤くなれば若く、渋みのある色の花緒にするとそれなりの年齢に見えて来るのが不思議です。
花緒が赤くなれば若く、渋みのある色の花緒にするとそれなりの年齢に見えて来るのが不思議です。
 
浴衣には髑髏、蝙蝠柄もありです。

変わった柄が好みという方にお勧めの浴衣。これは7月に仕立てて8月に着回しました。この浴衣も団扇柄で使った帯を組み合わせました。柄が大きいので仕立ての柄合わせ が大変でした。大柄は体つきに左右されます。納得がい くまでしっかり顔の脇に反物を当ててください。迷う時はひと晩、間をおくなどして購入を決めましょう。大きな柄の浴衣は夏ならではのお楽しみです。トライして欲しいですね。

浴衣の柄が、絵文字の「かまわぬ」。遊びが楽しい柄。どちらかというと男柄の浴衣です。
浴衣の柄が、絵文字の「かまわぬ」。遊びが楽しい柄。どちらかというと男柄の浴衣です。
 
 
大きな色柄で大胆に着る。

若い友人に仕立てた菊柄の浴衣です。麻が入っているの で涼しさが伝わります。浴衣は白地に紺が基本ですが、2着目、3着目なら色柄物が欲しくなります。そんなと きにお勧めしたい色柄の浴衣。着物初心者なら基本の白に紺の柄物の浴衣を着こなして仕草がついてきてからが無難です。動作で立ち姿が違って見えますから何度も着て着慣れてくださいね。慣れれば、仕草が付いてきます。

半襟を出せば単衣として9月も着られる麻と綿の反物。袖を長くして9月にも着られるように仕立てました
半襟を出せば単衣として9月も着られる麻と綿の反物。袖を長くして9月にも着られるように仕立てました

小さな手提げで、町歩き。

浴衣で出かける時はできるだけ荷物を少なくして涼し げに見えるように心がけましょう。荷物が多いと暑苦し く見えます。手提げで持てることも大事ですね。肩がけ は厳禁。荷物を少なくするには、財布を普段使いより小さな物に取り替えると良いですね。小さな手提げで背を伸ばして若々しく歩きましょう。写真下側の3つの手提げはジーパンのポケットを使って作ったもの、浴衣の残り生地で作っています。浴衣を仕立てると布が残ります。それを使って作ってみてはいかがでしょう。

最小限の荷物がピッタリ入る手作り手提げもお勧め。
最小限の荷物がピッタリ入る手作り手提げもお勧め。
 
 
カランコロンと下駄の音。

下駄は多種多様なデザインがあります。地域性もあり見ていると楽しくなります。今、下駄をお持ちなら自宅で練習に履いてみてください。花火大会だといって急に長時間履くと花緒が当たって足に傷ができることがあります。靴擦れ同様とても痛いので必ず履き慣れておいてください。下駄によってはアスファルトは難なく歩けても駅の構内では滑ります。ピンヒールでも滑らないのに下駄は滑る物があります。慎重に駅の中では歩いてくださいね。

下駄で歩くには前にやや重心をかけるようにして膝から下の足を動かします。両膝を擦り合わせるような気持ちで歩いてください。特に下りの階段は手すりを持って降りるのが良いですね。慣れない内は浴衣で走ることは考えないで時間をたっぷりかけて待ち合わせにいってください。そして楽しい浴衣のお出かけを!

黒塗りの下駄は雨の日用。花緒の太い下駄は長時間履くのに良いと思います。足の甲に負担が少なくてすみます。
黒塗りの下駄は雨の日用。花緒の太い下駄は長時間履くのに良いと思います。足の甲に負担が少なくてすみます。