籾山由美の東京-島根 小さな暮らしクリスマスの季節です。リースを作りましょう!

(2010.12.06)

矢のように過ぎ去って行く時間。気がつけばクリスマスの季節です。花道家として活動を始めてから何度クリスマスがやって来て、何個リースを作ったのでしょう。活け花ばかりでは飽きるので、11月は東京と島根の花教室ではリースを作ります。生徒さんには毎年同じ物を教えるわけにも行かず、工夫に工夫を重ねて教えてきました。お歳暮にもリースを作っているのですが、これも昨年と同じデザインでは花道家として許せません。素材の花探しが大変です。嗚呼……。

なーんて言いながらも作る事が大好き。作り始めると毎年夢中になってしまいます。今年はリースのモチーフとして使うため、島根のアトリエにオリーブを植えちゃいました。来春にはミモザを植える予定です。リースとして使える日をとても楽しみにしています。

 

今年はピラカンサの赤い実がありません。始めてお歳暮としてリースをさし上げる方にはスタンダードに赤い実の入ったリースをつくります。でもピラカンサには棘があり、木が大きくなればなるほど棘も長くなって危険です。で、馴染みの庭師さんに思い切って抜いてもらいました。このピラカンサの種は、風か鳥に運ばれてぐんぐん育って大きな木になった物です。無くなってしまうと残念な気持でいっぱい。

心は欲張りですね。それを知った町田市のお友達が、庭にあるピラカンサの実を剪定して送ってくれました。ありがとう、E子さん !   とても感謝しています。でも足りません。そこでラズベリーをモデルに赤い実を作る事にしました。彫刻用の木を粉砕して作った粘土を使って制作、80本はあるかな? 後は赤い絵の具で染めるだけです。

地味な作業の上に時間が予定よりかかってしまいヘトヘト。でもこれで今年も赤が入ったリースが5個は作れます。赤い実を使わず、葉物だけで作るリースもシックで素敵ですが、やっぱりクリスマスには赤もないとね!

 

芯(リング)

リースの芯を作るために、山に出かけてつるを穫りに行きました。どこにあるかも散歩で確認済みですから、雨上がりに軍手、腰に花切り鋏、長靴、お約束の首タオルで出かけます。やる気満々。その場でクルクルとつるを巻いて芯を作ります。ところが作業残り2割で雨。残念。たりない材料は、島根の実家にあるアイビーをざざっと剪定して作りたしました。

しっかりした芯作りがリースでは重要です。私は芯にもモチーフにも接着剤やワイヤーを使いません。ですから芯の締め具合が大事なのです。きつく締め過ぎるとモチーフの葉が刺さりませんし、ゆる過ぎても抜け落ちます。ほどほどが肝心。ワイヤーをつかわずに作ってみようと言う方は何度か練習して、モチーフが揺れても抜け落ちない芯を作ってださい。

まず、つるで4~5週の輪を作ります。それを中心に外から中へ向かって巻いて行きます。つるが切れていても心配ありません。切れた所を3センチ程重ねて継ぎたしながら巻くか、つるの端をつるの重なりに挿して引っかけます。そうすれば形がほぐれずちゃんと留ってくれます。最後にフックになる麻ひもで縛って芯の完成です。

ここではモチーフを芯に直接差し込むだけですから、切り口が硬くないと挿せません。うまく硬い枝部分を残してモチーフのパーツを作って下さい。一枝を芯に挿してみればモチーフの分量がおおよそわかります。素材を同じくらいのサイズに大量に切っておくと、芯に挿す作業がスムースに進みます。配分良くモチーフを挿し終わったら念のため、リース全体を2~3回揺さぶって下さい。ドアにかけた時、風の勢いでモチーフが抜け落ちるのは困りますから。割合きつく揺さぶります。それで落ちた物はもう一度挿し直しです。

 

生花の場合、一日、二日と日が経つに連れ、枯れて乾燥が始まります。もちろんモチーフも同じです。そうなると茎が細くなって痩せていき、モチーフが小さな揺れで抜け落ちてしまうことがあります。最初に挿し込むときに、ぐっと腕に力が必要なほど、つるとつるの間が狭いところに挿して下さい。それが12月25日までリースを外に飾って楽しめるコツです。

リースは量感のある方が暖かで豊かな感じがします。リースが小さくても素材が思いのほか必要です。慣れないと、もう少しで完成なのにモチーフがたりないということがよくあります。モチーフは多めに用意してください。芯のつるは1メートル単位で切れていても大丈夫ですが、最低8メートルは必要です。モチーフの葉物はミカン箱にいっぱいくらいが目安です。これで出来上がりの外径がおよそ30センチの円、楕円なら長い所で38センチになります。みなさんもリースを作って季節を楽しんで下さいね。