籾山由美の東京-島根 小さな暮らし古着デニムベースのリメイク・コサージュ。

(2011.02.24)

古着のデニムをベースにリメイクしたコサージュです。このコサージュは5月に出展販売を予定している一部です。出展が5月とは言え、作り始めたばかりで数が少なくて焦り気味。しかしながらひとつの作品群としてお披露目できる数になりましたのでアップしました。

コサージュを付けて普段使いのバックをドレスアップ。

このコサージュは、胸に着けるだけではなく、バックなどのアクセントに使ってもらいたいアクセサリーです(各2800円~)。これから5月までにはコサージュだけでなくエプロンやバックなどリメイクをテーマに幅広く作る予定です。絞り込んだアイテムの数が揃ったらこのコラムで先駆けとしてアップして行きます。ぜひとも楽しみにしていて下さい。笑)ところで作り方も書いてありますので手仕事の好きな方、素材があれば作ってみてくださいね。

 

バックに着ける時、注意して欲しいことがあります。コサージュのピンが、安全ピンのように刺して留めるタイプの時です。革、ビニール素材はピンを外したとき穴が残りますからNGです。その場合はコサージュをリボンなどのひも状の物に留めてから結びつけるなど工夫をしてください。またクリップタイプのピンも柔らかいバックスキンなどの革はそのまま挟むと跡が残ります。デニムなどの布を間に挟んで留めるようにしてください。

ポピーの花をイメージしたコサージュ。
コサージュの直径13㎝。

ポピーの花のコサージュの作り方

1 中央の黒い生地はベルベットで元はワンピース、デニムはお友達の家族が履いていたジーパンです。葉の代わりのなめし革はバックの切れ端。

2 最初にジーパンを幅約5㎝X長さ30㎝に切りわけます。長く取れなくても短い物を合わせて30㎝あれば作れます。切ったデニムはピンを付けるための芯になる側をなみ縫いしてギャザーを寄せておきます。

3 次に花の中央に使うベルベットを幅約8㎝X長さ20㎝に切り、細長く二つ折りにします。そして輪になっている部分を幅0.3~0.5㎝を目安に端まで切って行きます。

4 そして芯になる側をなみ縫いし、ギャザーを寄せておきます。ベルベットのギャザーを寄せた所を中心にくるくる巻きます。花びらの中央が抜け出さないように中心に向かって針を通し、しっかり縫い留めます。

5 続いてデニムをベルベットに巻き付けながらベルベットも含めて縫い付けます。これに葉の代わりの革をあてて軽く縫い付けた後、形を安定させるために革とデニムを木工用ボンドで接着します。

6 ピンを付けるための土台布を付け、ピンを付けます。花びらを仕上げにピンキング鋏で切ると華やかになります。

 

コサージュ・ピンの付け方と仕上げ

ピンの付け方:台付きダブルピンのように接着剤で付けるだけで見た目にきれいな仕上がりとなるものもあります。ただし、金属と布、革が一緒に接着できる専用ボンドを使って下さい。木工用では接着できません。

手縫いでピンを付ける方式は、花びらになる生地の縫い合わせが隠れるように布や革を切って接着剤で付ける、または糸でまつりつけて隠します。接着剤を使う場合、先に土台の生地にピンを縫い付けて置くか、ピンを縫い付ける場所には接着剤を付けないように注意してください。

接着剤が固まると針が通らなくなります。土台ができたところでピンを付けます。今回のコサージュのピンの付け方は全て同じやり方です。小さく布を切るとほぐれてしまうことがあります。ほぐれないようにヤマト糊を水で数倍に薄めて霧吹きでかけます。今回のコサージュは全てこの方法で仕上げています。
 

オオデマリの花をイメージしたコサージュ。デニムと麻。
色違いのオオデマリ・コサージュ。薄緑の木綿のスカート。
コサージュの直径約11㎝。

 

オオデマリの花のコサージュの作り方

1 ジーンズのデニムに、スカートだった薄いグリーンの木綿生地、パンツだった麻を使って作りました。デニムは幅約5㎝X長さ25~30㎝に切って、花びらになる布幅3分の1までの所に切り込みを入れます。

2 切り込みが終わったら芯になる布の内側を端までなみ縫いをし、ギャザーを寄せておきます。スカートの生地もパンツの生地も同じような大きさに切り、切り込みを同じように入れてからギャザーを寄せておきます。麻の生地をデニムと重ねてずれないようにしながら固めにギャーザー部分を巻いていきます。

3 巻き終わったら巻いた芯の中心に針を通して縫い合わせます。ここでも花の中央が抜け出ないように数回針を通して下さい。そしてピンを付ける周りをすくい縫いで一周します。こうしておくと花の形が崩れません。後は、上記に書いてある方法でコサージュ・ピンを付けて仕上がりです。このコサージュは花びらに裾を使っています。生地が2枚重ねになっているので花びらがピンと立ちます。裾がない場合には二つ折りにして切り込みを入れるとよいと思います。

ヒナ菊の花をイメージしたコサージュ。モヘアの布地。
コサージュの直径約8㎝。

 

ヒナ菊の花のコサージュの作り方

モヘアのスカートもジーンズのデニムも裾あげしてある部分を使っています。ヒナ菊の花びらの白と赤が交互に見えるイメージで作ったのですが、出来上がりはかまぼこのナルト柄に見えますね。笑)

作り方は
1 幅約4㎝X長さ20㎝にデニムもモヘヤも切ります。

2 そして花びらになる裾側約O.5㎝に切り込みを入れて行きます。切り終ったらデニムとモヘアの布を重ねて巻いて、花の中心が抜けないように縫い付けます。

3 そして土台布を付け、コサージュ・ピンを付けて終了です。

ダリアの花をイメージしたコサージュ。ベルベット生地。
コサージュの直径約16㎝。

 

ダリアの花のコサージュの作り方。

1 中央の黒いベルベットと2種類のジーパンを合わせています。中心の花びらになるベルベットを幅約8㎝X長さ25~30㎝に切ります。

2 デニムは外側になるほど花びらの丈が長くなるように約0.5㎝~1㎝幅を増やして切ります。布が切り揃ったところで、ベルベットは二つ折りにしてから輪になっている側に鋏を入れます。デニムは、内側の花びらは細く、外側の花びらはコスモスのように幅を太く切ります。

3 切り終わったらギャザーを寄せるためになみ縫いをします。ここまでできたら組み立てです。ベルベットを巻いて縫いつけます。幅を細く切ったデニムを重ねて巻き付け縫い留める、この作業を花びらの布の枚数ほど繰り返します。

4 一番外側を縫い上げたらピンキング鋏で花びらの長さを調整しながら、飾り切りをします。コサージュ・ピンを付け、ヤマト糊の溶液を吹きかけて出来上がりです。

コサージュ・ピンのアラカルト&コサージュの針山。コサージュ・ピンの名前は写真手前から奥へ カブリピン、回転式ピン。台付きダブルピン、クリップタイプのピン。各45~180円。

コサージュなどに使うピンにもいろいろなデザインがあります。作る作品の用途によって選ぶのもいいでしょう、ピンのデザインで選んでも楽しいですね。東京近辺で手仕事好きの人たちには蒲田はじめ全国にある手芸店『ユザワヤ』が有名だと思います。渋谷や新宿にも新たにできて便利になりました。私は新宿の『オカダヤ』派です。『文化服装学園』の学生時代から使い慣れていますし。でもお店を見比べて購入できるようになり、道具を揃えるのがさらに楽しくなりました。

ところで脇にあるピンクッションはナルト柄(すでにヒナ菊のイメージがなくなっています。笑)のコサージュを針山にしたものです。布の幅を1㎝多く切っていたため、コサージュとして使うには出っ張り過ぎた失敗作です。でも形がコニファーの木のように見えて可愛らしいので針山に変更。結構気に入っています。私はイメージだけで作図もせずに鋏を入れるので予定と違うものをよく作ります。

作りながら失敗したかなかと思っても途中でやめることはありません。必ず形が崩れないところまで仕上げます。なぜかと言うと固定観念に捕われないおもしろいフォルムになるからです。手仕事好きな方には想定外もお勧めです!

 

オカダヤ http://www.okadaya.co.jp/
ユザワヤ http://www.yuzawaya.co.jp