かぎ針編みとタティングレース
peikkoさんの本当はクールな作品。
(2012.11.12)
2010年、2011年にタティングレースの本、
今月かぎ針の本を出版したpeikkoさんは全国に多くのファンを持っています。
peikkoさん作品は一見するととてもシュガリー、
けれどよく見ると色使いやフォルムはノーブルでクール。
ていねいに手づくりされた作品はとっても繊細。
その世界はどうやってつくられてきたのでしょう。
peikkoさんの手作りのヒストリー。
もっとほかの方法で色を楽しめないかなと思って今度はフェルトづくりを始めたんです。羊毛に染色をしてつくるフェルトの小物たちは、色は楽しめるんですけど、カタチづくりに自分ならではの限界を感じてしまって辞めてしまったんです。
その次に始めたのがかぎ針編み。もともとレースが好きだったこともありましたし、かっちりとしたカタチをつくれるところが私にぴったりだったみたいでどんどんはまっていきました」。
ちょうどそのころ大学も卒業したので手づくりにますますのめり込んでいきます。もともと雑貨やカフェが好きで大学もフランス語科を選んだというpeikkoさん、このころ作っていたのはかぎ針編みとアンティークレースを組み合わせたアクセサリーや小物。レースを染めたり、ビーズを使ったりして独自の世界感をつくり始めていました。これがpeikkoさんの初期の作品です。
「そのころはハンドメイドブームもあって、雑貨屋さんなどに作品を置いてもらっていましたね。そのころ出合ったのがタティングレースです。16世紀にイタリアで誕生して、ヨーロッパで受け継がれてきたもので、“シャトル”という舟形の小さな糸巻きを使って編むレースです。
地元にある細長いビルの1階に『ちとせレース』というお店があり、偶然お店の前を通りかかって見ていたら、その上でタティングレースの教室をしているっていうことがわかったんです。ちょっとのぞいてみると道具がかわいかったり、カチカチと編んでいる音がしていい感じだったんです。
きっとこれは私がしていることにつなげられるなと思って、すぐにその教室でタティングレースを習い始めたました。
タティングレースは基本のカタチと繋ぎ方をマスターしたら、それを応用していろんなことができるんです。自分のイマジネーションでどんどん新しいカタチを考えました。わたしは図鑑などで花の形を見てつくるというよりは、空想で花のようなかたちをつくるので架空の花モチーフのような作品が多いと思います」
かぎ針と同様にタティングレースづくりと相性がぴったりだったpeikkoさん、それ以来作品づくりはタティングレースとかぎ針編みになりました。
3冊目の著書『かぎ針編みの小さなアクセサリー』展
タティングレースの本を2冊つくったあと、peikkoとしての本格的な手づくりの原点であるかぎ針編みに立ち戻って、『かぎ針編みの小さなアクセサリー』を出版。いま『ギャラリー ドゥー・ディマンシュ』で個展を開催中です。(2012.11.6〜18)
「作っているものから、わたしはとても甘いテイストのものが好きだと思われているんですが、実はそうでもなくて…。とくに最近はゴシック体のかっちりしたデザインや軍モノなど、マニッシュなものに興味があります」というpeikkoさん、そして「ずっと同じものが好きという方もいらっしゃいますが、わたしはどちらかというとどんどん変わっていくタイプです。もともとの雰囲気は変わってないと思うんですけど」という。
アーティストと同じく、一本の芯を持ちながらどんどん進化して変わっていく作家さん。新しいものに出合ったり触れたりするとどんどん作品に取り込んでいくと言います。
昨年、初めてパリを訪れたこともあり、元々持っていたオリジナルの色彩感覚が少し変化をして、今回のコレクションはビビッドな色合いのものがたくさん登場しています。蛍光ピンク、鮮やかなブルー、いろいろな緑のバリエーションなど。モチーフも花だけでなく、勲章や幾何学的な円や三角を使ったスタイリッシュなアイテムもいっぱい。ぐっと新しい印象のpeikkoさんの作品を、ぜひ間近で見てください。
耳元や首すじをそっと女の子らしく飾ってくれる、手編みの小さなアクセサリー。
大人気のpeikkoによる3冊目の著書発売を記念して、個展を開催中。
期間:2012年11月6日(火)~2012年11月18日(日)
会場:ギャラリー・ドゥー・ディマンシュ 青山店
営業時間:12:00~20:00
定休日:毎週月曜