土屋孝元のお洒落奇譚。ラニーニャよりもエルニーニョよりも大変なことがある?

(2010.11.23)

新聞に、数年後から太陽活動が弱くなり
極少氷河期に入るとの記事がありました。
昔観た、ヴァージニア・ウルフ原作の映画『オルランド』の中でも、
ヨーロッパを大寒波が襲い、
ロンドンのテムズ川が完全に氷結して船による輸送が途絶え、
イングランド、スコットランドが大変な状態になり、
その気候の中でもジェームズ1世や貴族達はロシア大使などを招き
花火を打ち上げて花火見物を……と、
映画冒頭のシーンはこのような表現をしていたかと記憶しています。
映画の美術はグリーナウェイで、
花火と貴族達の衣装が素晴らしく、印象に残るものでした。
たしか、17世紀のことではなかったかと思います。

これとは少し繋がりがありますが、別の記事に日本でも江戸初期(1600年が関ヶ原ですから、17世紀?)
太陽活動が弱くなり、湿潤な気候であったと、
樹木の年輪を調べて最近、解ったようです。
これらを総合すると、寒くなり、
雨? 雪が増える。ということでしょうか。

ふと、村上春樹さんの『氷男』の事が思い出されました。
氷男が元気に生活できる、世界? 
今まで暖冬と猛暑の気候から地球温暖化かと覚悟していたのに、
まったく逆になりそうで。
これも地球温暖化の影響でしょうか?

©Takayoshi Tsuchiya

ラニーニャよりも、エルニーニョよりも太陽は問題です。
先ずは日々をきちんと生活して行くことかな、と。
ふと、庭に目をやると、庭の紅垂れ(べにしだれ)は未だ紅葉には遠く、
今年の猛暑のおかげか? 珊瑚樹の実がたくさん成り、椋鳥、ジュウシマツ、
メジロなどが毎朝、元気良く飛んできます。
バラ達も、グラハムトーマス(イングリッシュローズ)、ニコル(イングリッシュローズ)、
チャールストン(ハブリットテイー)、アブラハムダービー(イングリッシュローズ)、
に花が咲いています。
そろそろ休眠期に入る頃なのですが、
液肥をやろうか、迷います。
バラは休眠期に剪定を軽くしてあげないと、
春になってから、新しい芽が伸びてくるので、
この作業は重要です。
古い枝からは良い花が咲きませんから。

冬には寒肥といわれる肥料も必要です、
この肥料で花の大きさや良し悪しが違ってきます。
寒い年には、この時期は木枯らしが吹いて寒く、
風花が舞うこともありましたが、
今はバラが咲いています。これは暖冬か? 

気候全体が厳しさを増していて、
最近、身体にこたえるようになりました。
テレビでも20度の温度差は
交感神経や副交感神経を刺激して良くないとか何とか……。

人間にも応えるのですから。
ましてや、植物達は大変でしょう、
せめて、僕ができる事はしてあげないと。

©Takayoshi Tsuchiya

家に来てから 40年生きているゴムの木の冬支度、
家に取り込んで光が一定の場所で休眠させる。
その前に剪定ですね。
蘭は暖かい室内の窓辺に置く、
乾燥させるというか水やりは控えめに、
暑すぎず寒すぎず。

シャコバサボテンは霜のあたらない軒下に。
寒さが来ないと、花芽がつきませんから、
花芽がついたら一定の温度の場所に。
休眠期に入るクレマチスは枝の誘引、剪定、
この作業で来年の花芽を持つ枝が決まります。
横方向に伸ばしていかないと花芽がたくさんつきません。

©Takayoshi Tsuchiya

ユキノシタは伸びた枝を剪定。
ビオラの植え付け、ビオラは秋に植え付けて冬の寒さがくる前に
新しい根を育ててあげないと、寒さにやられてしまいます、
ビオラは比較的寒さに強いのですが。

ムスカリの球根の確認作業。
水仙の球根の植え付け。

クリスマスローズ、オリエンタシス、エリックスミスの傷んだ葉の剪定、
夏の間に弱った葉をきれいに間引き、
寒くなり、元気な新しい葉が出てくるのを助けてあげる。
このクリスマスローズは寒くなるほど元気です。

同じように、ギボウシの葉も傷んだ葉の剪定。
この前見た園芸番組では、レモンの冬越しの事を話していて、
薄い寒冷紗(カンレイシャ)で葉を囲い寒さを避けるというものでした。
薄いモノは光や風を通して葉を守るので良いそうです。

我が家のレモンは家に来てからというもの、
冬越しを施した事はなく、それでも元気に春には花が咲きます。
ほとんどレモンの実は虫達に食べられ大きくはなりませんが、
あまり消毒を頻繁にかけるのもどうかなと思い、
アオスジアゲハやアゲハの幼虫がいても山椒の木に移して殺生はやめています。

氷男が元気に生活できる世界は? 来るのでしょうか。

©Takayoshi Tsuchiya