アートを家族の象徴に敷地と立地を活かした
独創的な生活空間
(2015.08.19)
家庭内コンペで建築家を決定
多摩丘陵が遠くに見通せる東京郊外ののどかな街。この地に育った矢部三千子さんが土地の一部を相続することになったのが、“トンガリの家”誕生のきっかけだった。
「息子の友達ママから、“あの家気になってたの、あそこに住んでるの?”などと言われます」と三千子さん。三角形の敷地に建つブルーの外壁の建物は、まわりの景観の中でひと際目を引く。
「家を建てることになった時、夫婦でそれぞれ3人の建築家をピックアップしてコンペをしたんです。たまたまふたりの本命が一致したのですが、それが関本さんでした」と語るのは、夫の信弘さん。「抜けているところと閉じているところのメリハリがあって、空間の使い方が面白いと思いました」。
妻の三千子さんは、「かっこよすぎる家は敷居が高くて住みにくいかなと。関本さんの建築は奇をてらっていないのだけど、行き届いていておしゃれ。人を緊張させない住みやすさがあると思います」。
外観のモダンで先鋭的なイメージと裏腹に、玄関の奥は明るくすっきりしていながら生活の匂いも感じさせる。ご夫婦と小学2年生の晴大(はると)君、幼稚園年中の右大(うた)君が、和やかに出迎えてくれた。