カメラボ – カメラ研究室 –本音で話そう! Nikon D700の使用感。の巻

(2008.11.26)

Q3 Nikonのフルサイズカメラの利点を教えてください。

さすがNikon! と唸ったのは先に販売になった他社のフルサイズカメラはどうしても画面の周辺部が流れてしまいがちでした。技術的に、フルではこれ以上は難しいのでは? とさえ言われていました。

それを独自の技術で特殊な内部のパソコン的変換で流れなくできるようになるまで「フルサイズは出さない、今は無理です」と納得がいくまで言い続けたこれまた根気。どっしり構えていますな~。

「パソコン技術でなんとかうまくいかないか考えてきた」という話を1年以上前に関係者から聞いたときはちょっと半信半疑でしたが本当にNikonのフルサイズは 画面周辺部が流れません。すごい……。

 

Q4 視野の問題の解決法は?

D700の欠点と指摘される視野率もこのライブビューでカバーできる。

お店の内装を手がけたデザイナーさんがびっくりしたこの画面はフルサイズならでは。画面周辺部も流れません。

上の写真がもし今まで通り18mmならここまでしか入りません。

あとよくカメラ誌でNikon D700の欠点にあげられるのはNikon D3では100%のファインダー視野率がD700では約95%だということ。

これはライブビューを活用すれば全く問題ありません。
ライブビューで確認すればいいんです。

これは便利で僕のように建築を撮る人は 上のほうを撮影するときの確認にわざわざ自分が脚立に上がらなくても 三脚にカメラをくっつけてライブビューで下から確認すれば大丈夫(三脚を台などに乗せて撮るとか、手にカメラを持って腕を上に伸ばして撮るなど、シャッターに指がとどけば撮れてしまうということ)。

「いいことずくめだな、、アマチュアだって欲しくなっちゃうよ、30万弱円のボディにレンズが14-24mmで20万くらい……それでも」とおっしゃるかもしれませんがはっきりいってこれはプロ、かなりのハイアマチュア向きです。

だって D80,D90もいいんですよ。僕はD80も愛用。
なぜなら D700,フルで1200万画素なんですがデジタル対応のレンズ(D700の売りの一つは‘フルもデジタルサイズもOK!。つまり一台で二度美味しい’)を付けるともちろんつきますが……と単に600万画素になっちゃうの(涙)……。
D80なら1000万画素でいける。

それにぶっちゃけていえば これは僕らにとって商売道具。
今、撮影したデータをクライアントさんに渡す場合データが残ってしまうんですね。
そのときやっぱり安いカメラ、安いレンズだとセコイ印象になりマズイわけで。
クライアントさんに顔が立たないのですね~~。

Q5 どんな人にオススメのカメラですか?

実を言えばカメラがなんであろうと 素晴らしい写真を撮る人は撮るんです。
弘法、筆を選ばず、ということ。でもイメージも職業には大切。
ただし大きなポスターとか伸ばすサイズによってはやはりハイスペック、高画質が必要です。またカメラもこのレベルになると

「何故このカメラがこの撮影に必要か。」
  ↓
「こういうものを こういう風に撮りたいからそれならこのカメラのこのレンズが撮り易い」

という明確な考え、あるいはプロの場合時間勝負のことがよくあり、そういうときには 失敗する可能性が低く、どんな要求にもその場で瞬時にある程度応じられる必要もあります(こういった場面でどのレンズが必要かその判断が瞬時につくか? D700はその判断がつく人に向いています)。
最初に「アマチュアならレンズが使い分けられる人用のカメラ」といったのはそういうことです。