カメラボ – カメラ研究室 –ハッセルブラードって本当にいいんですか? の巻。

(2009.04.08)

スウェーデン人のハッセルブラードさんが開発しました。

 

R:会社として考えるとやはりマス、消費していくこと、というのは大切なんだろうけど。ただしその場合「突出した素晴らしさ」は生まれにくいんだろうね。

ハッセルブラードさんはスウェーデンの人で戦争中、敵国ドイツの回収されたカメラを見て「もっといいものが作れる」と言ったのが始まりらしい。自分達の愛する国や周りの人々の生死を賭けた時に必死の思いで生まれたカメラなんだね。周りのバックアップもすごかっただろうし。

もちろん戦争を美化してはいけない。でも作り出す時の情熱とか周りのバックアップや資金はやはり物作りには重要かもしれないね。

資金やバックアップがあれば情熱が生まれにくく、今のように不況になると反対に……。その3者がそろった時、名機は生まれるのかもね。デジカメは現在いいのがたくさん生まれていて便利だけど、やっぱり次々に使い捨て感があることは否めないよね……。いい機種が発売されると次に行っちゃうっていう……。

必ずしも「便利」とは言えないのにハッセルがいいのはどこかに「人間味」……無駄なことの大切さ、ケチでない無駄、みたいな人間のアナログの素敵さがカメラにも写真にも現れているから……? うまく言えないけど(笑)。

もし機会があればカメラや写真好きな人にはやっぱり試してもらいたいカメラだしこういうのを使ってもらえば、「フィルムを残してほしい」という愛好家の気持ちもわかってもらえるんじゃないかな。

:デジカメのようにハッセルを使えるようにするものもあるって聞いた事がありますが?

R:ハッセルにデジタルパックを付けて撮影すればデジになりますが凄く高価なのと、それに適したパソコンが無いと使えないのでアマチュアにはどうでしょうねえ。そこまでのクオリティーが必要ですか……? まあ撮ってみたいなら借りて撮れます(ただしこのパックはレンタルでも万札が数枚2日ほどで飛びます……)。

どうしてもツアイスのレンズでデジタル画像が欲しいなら大金を払えば持つことはできるわけですが……このクラスになるとそれなりの稼ぎを得るためのステイタスキット、という感が否めません。

有名なカメラマンが有名なロックスターを撮る場合に、という感じ(笑)。実際友人もこの手の撮影でチャレンジしましたが必ずしも仕上がりはよくなかったみたい。

仕事の種類ではこういうのもいいのかもしれないけどそんなことしなくてもハッセルブラードはそのままで魅力は沢山あるし、見た目もいいし、ステイタスもある! 世界の有名カメラマンはたいがいハッセルは持っています。サム・ハスキンス、フィリップハルスマン、立木義浩、篠山紀信……。
    
そうそう僕は昔、ミケランジェロ・アント ニオーニの映画『欲望』で主人公がモデルにまたがって撮影してるのに憧れて! やってみたけど顔しか写らなかった、という若気の至り的思い出もあります(笑)。

今のこの値段くらいなら、カメラが好きさんはぜひ味わってみてほしい永遠の名機です!

専用ルーペ、ペンタプリズムのファインダー新旧2台。
アクセサリーシュー、と120のFILM
今日のフォト

撮影データ:

撮影日時、場所 2009年3月。九十九里海岸『花のある風景』
使用機材 HASSEL BLAD 500C Distagon50mm F4 1/500 フィルム:KODAK E100GX
撮影のポイント フィルムをデジカメで複写しました!