スタイリスト大橋利枝子さんによる
リネンの服『FLW』が誕生しました。

(2012.04.09)

アメリカでの展示会ように誕生した「FLW」

下北沢のフォグリネンワークから、今年の春「FLW」が誕生しました。リトアニアのファインリネンを使った新しいコレクションで、デザインを担当したのはスタイリストの大橋利枝子さん。どのように誕生したのか、大橋さんにお話を伺いました。

「もともとリネンが大好きで、公私ともにフォグリネンワークさんとは仲良くしていました。昨年の秋、ニューヨークで行われる雑貨の展示会用の新しいお洋服をデザインしてほしいというお話をいただきました。ソーイングの仕事は雑誌や本で発表していたのですが、商品として販売する洋服をデザインするのはこれがはじめてだったんです。フォグリネンワークの通常のラインをデザインする関根さんとアメリカ向けLサイズだけの展開を考えました」。

「はじめにどんな人が着る服かをつくるかを関根さんと一緒に考えました。そして、サンフランシスコをはじめアメリカの西海岸に住んでいる人、日々の暮らしを楽しんでいる人、クリエイティブな仕事をしている人などをイメージしてデザインしました」。

大橋さんの服づくり

そのデザインの方法はとてもていねい。イメージしたデザインから自らいくつものパターンを起こして、何枚も何枚ものサンプルを縫い上げ、布の動きやシルエットを確認するという作業を続けました。「とくにこだわったのはAラインの角度で、斜めの角度はどう取れば一番きれいなのか、ドレープはどんな風になるかを何度も試しました。あと肩をどのように出せば腕が一番きれいに見えるのかなど、細部に気をつけました。なにより着ていて気持ちのいい服を作りたかったので」。

こうして誕生したFLWですが、「小さいサイズを作ったら、日本人も着られるんじゃない?」ということで、Mサイズを作って2サイズで国内展開することになりました。そこで小さいサイズは、自分の体型を基準にコートの長さの調整やAラインの調整などをしていきました。

ファッションには世代ごとの流行があって、自分の年代のことはわかるけれど、ほかの世代のことはなかなかわからないもの。なので、無理をせずに自分のわかるファッション感、「こういうの欲しかったな」と思うものを素直に表現したという大橋さん。

「それが展示会のときに、いろんな年齢や体型の人に着てもらったら新しい発見が。20代から50代くらいまで、実は幅広い年代の方に似合うということがわかってうれしかったですね」。

いろいろな重ね着を楽しんで

FLWのもう一つの魅力はそのプライスです。 リトアニアの工場でオリジナルのリネン生地をつくり、そこで縫製もしています。そのためリーズナブルな価格に押さえられることに。同じアイテムを色違いでそろえてコーディネートするのも楽しそう。

じつは「FLW」の服を重ねてきるときに、どの色、どのアイテムを組み合わせてもうまくコーディネートできるように考えてつくられています。例えば、シンプルなノースリーブのドレスは、ラップコートに合わせるために作ったのだそうです。1枚で着てもキレイですが、コートと合わせるととてもしっくりときます。こういうところにスタイリストさんならではのコーディネートの発想が生かされているのでしょうか。

深見のある紺色ニュイ、ココアパウダーのような茶色オーカー、薄紫のヒヤシンス、大人っぽいワイン色ヴァンなど、深みのある色のバリエーションと、手持ちの服と合わせやすいデザイン。『FLW』は、着る人に合わせいろいろな表情を見せてくれる、着こなしやすくキレイなシルエットのリネン服です。

 

fog linen work(フォグリネンワーク)

東京都世田谷区代田5-35-1-1F
Tel:03-5432-5610
12:00〜18:00 土・日・祝日定休
Google Mapを見る