「流行に左右されるデザインではなく、価格も控えめにしました。毎年１本ずつそろえて、組み合わせを楽しんでもらえるといいなと思って。重ねづけしたときに、ルビーやエメラルド、真鍮など、アクセントになるパーツの位置が少しずつずれるように、細かく計算してデザインしているんです」ということで、敬子さんにおすすめのネックレス４本を重ねづけスタイリングしてもらいました。すると緑やシルバー、金色やクリスタルのアクセントが全体にバランスよく配置されて、ちょっぴり豪華な４連のネックレスのように。

「KOのテーマは、“旅”かな。わたしは無類の旅好きで、以前から時間を見つけては旅をしていたんです。samuloのパーツは、ヨーロッパのヴィンテージだったり、東南アジアの石やパーツだったり、世界のあちこちからやって来ているので、身につけているだけで旅を纏っていることに……。旅行に出かけるとき昼間は１本だけシンプルにつけていて、ディナーやお出かけのとき少しドレスアップしたいときは組み合わせて使えます。ひとつのアクセサリーで日常からパーティまで使えるので、旅行に持っていくにぴったりです」。世界を旅してきた素材で作られたアクセサリーを身につけて旅に出る……。KOはすべての旅好きさんに贈る、便利でロマンティックなアクセサリーだったのです。

小さなころからファッションが大好きだったという敬子さんは、スタイリングを学びスタイリストとしてキャリアの第一歩を進み始めます。ところが当時、広告スタイリストの事務所というのは想像を絶する過酷な職場で、休みも取れず信じられないような荷物を背負って歩く日々。小柄で華奢な敬子さんは、数年でからだを壊してしまったのです。

その後、大手のアパレルのプレスとしての新しいキャリアをスタート、大好きなファッションに携わる仕事を始めた敬子さんは十数年に渡りキャリアを積んできました。「20代後半でいったん職場を離れ、パリに短期滞在しながら蚤の市でサンプルを買い付けたりするようなこともしていたんです。当時はフランスにかぶれていたんですよ」と笑う。

けれど本当はずっと“ものづくりをしたい”と心の片隅で思い続けていたのだという。頭の中でいろいろとイメージするもののなかなか具体的な行動に移せないまま、PRの仕事を続けることに疑問を感じていたとき「samulo」の宮本さんと知り合い、温めていた長年の夢が叶うことになったのです。

フランスの後、ベトナムにはまり、そのうちタイへ通うようになり、ここ４、５年はビーチではなくチェンマイへ行く機会が増えたという敬子さん。何度も通ううちに現地に友だちもでき、チェンマイの魅力の虜になってきたとか。KOのスタートをきかっけに、この春チェンマイで作る布小物のラインもゆるくスタート、『TAS YARD』での展示会は大好評。「お客さんも気に入ってくれて、続けていけばいいな」という敬子さん。次の展示会はいつ？と尋ねると「来年かな〜」。

そうKOは、アクセサリーも布小物も流行は関係なく、ゆったりとした時間の流れごと一緒に楽しむファッションアイテムなんです。注文してから到着までちょっとくらい時間がかかっても気にせずに、お気に入りの本でも読みながら到着する日を楽しみに待つ……。そんな時間ごと一緒に楽しめる作品です。