岡部朋子のくつろぎマタニティヨガ誘惑の嵐! 年末年始を乗り切る方法。

(2010.12.27)

年末年始は誘惑の嵐!

妊婦さん、体重コントロールを求められながらも年配の方々からは「二人分食べなさい」とプレッシャーをかけられ、お正月に出かけていくとごちそうが待っています。本音はお腹に赤ちゃんが居ようと居まいと、食べたいものは食べたい。そこに誘惑と葛藤がやってくるのです。
食べられるようなら食べましょう。そういうお祝いの季節なのです。体調が悪く食べられない日だってあります。お腹の赤ちゃんだって、ごちそうが食べたいし、何より我慢しているお母さんをみるのは辛いことでしょう。食べたら少し体を動かせばいいのです。(お正月が安定期の妊婦さんを想定して書いています)

 

*サイドストレッチで胃のつかえすっきり*

赤ちゃんと子宮が胃を圧迫し、胸焼けがします。

足を軽く開いて壁の横に立ちます。足をそろえて立つと、不安定で転びやすいので、必ず軽く開きましょう。赤ちゃん一人分の思いやり、と自分に言い聞かせるといいと思います。それから、立つ時は膝を軽く曲げて(マイクロベンドと言います)立ちましょう。その方が腰にも背中にも負担が少ないです。足をピンと伸ばして立つと、ただでさえ重いお腹を抱え、全身が緊張してしまいます。空手や古武道の構えのように、膝を緩めて柔らかく構えるのがコツです。
猫背の人は、いったん姿勢を正してから、息を吸って手を上に上げ背伸びをし、吐きながら壁に両手をつき、脇腹を気持ち良く伸ばします。骨盤と肋骨の間にスペースをつくる気持ちで。この間が狭くなると、人はイライラし始めるといわれています。脇腹を気持ち良く伸ばしながら、数回呼吸します。

 

*緩やかなひねりのポーズで消化促進*

ブロックにボルスターを立てかけ斜めにします。その上に枕かクッションを重ね、お腹が入るスペースをつくります。ボルスターの横に右の腰骨があたるように女の子座りをします。
息を吸って右手を伸ばし、吐きながら、右の体側をボルスターの上にゆっくりゆだねていきます。胸の前の床に両手をついて、ゆっくりと体をひねります。ひねったら、お腹が最初につくったスペースにはまるように、ゆっくりと胸と頭を枕に預けていきます。首を楽な方に倒し、4~5分眼を閉じてお休みします。逆も同様に。
マタニティヨガでは赤ちゃんが苦しくなるほどきついひねりはしません。でも、お母さんが楽になるための軽いひねりはOKです。お母さんが元気でいることが、赤ちゃんにとっては何より快適な状態だということを思い出しましょう。

 第一回に紹介した、つわりに効く「仰向けのヒロインのポーズ」も消化を助けます。

妊娠期間、すっきりと過ごすポイントは、お腹の下の方からの圧迫と不自然な姿勢で縮こまってしまった脇腹を気持ち良く伸ばすこと。イスや壁につかまって伸ばすもよし、ひねりながら伸ばすもよし、仰向けに寄りかかって伸ばすもよしです。全く伸ばすことのない日常生活を送っていませんか?

 

*便秘や胸焼け、一番の薬は「くつろいで眼を閉じる時間を作ること」*

「ひねりのポーズ」も「ヒロインのポーズ」もあまりに緩すぎて、こんなにくつろいで本当に効くの?と思われるかもしれません。でも、便秘の予防には本当は何が一番いいか知っていますか?
それはリラックスです。
副交感神経がきちんと働いていないことで不眠や便秘が引き起こされます。
どんなに繊維質をとろうと、水を飲もうと、心の緊張が身体に伝わり、副交感神経がきちんと働けていなければ、身体が老廃物をきちんと排出しようという働きがきちんと機能しません。私たちの内臓は、脳内にある司令塔(視床下部)が指示を出すことで役割に沿った働きをしますが、疲れていたり、緊張したりするとこの司令塔がきちんと指示を出さなくなってしまうのです。仕事で寝不足になったり、不規則な生活をしていると肌が荒れたり便秘になったりするのは、副交感神経が正常に働かなくなってしまうからなんです。
脇腹が縮んでいると、まさにこのリラックスがしにくいのです。呼吸も浅くなります。脇腹に気持ちよくスペースができると、呼吸も楽になり(呼吸筋がストレッチされるからです)日常の動作も軽くなり、身体を動かすのがおっくうでなくなります。

ですから、正月といえど、便秘対策にはリラックスが大切です。
妊婦さんの最重要任務は「くつろぎ」です。
一番良くないのは、あれもだめ、これもだめと心と身体を縮こまらせてしまうこと。お腹も心も渋滞を起こしてしまいます。心おきなく美味しいものを食べ、消化を促進するために少々脇腹を伸ばし、そして軽くなった身体をボルスターにゆだね、堂々とくつろぎましょう!

次回は「いよいよ安定期、腰の痛みに効くポーズ」をお送りします。