from プーケット - 1 - 庶民の食堂「注文料理店」で、本物タイ料理を食そう!

(2009.07.23)

「ラデュレのマカロン」「日本では閉店しちゃったルノートルのチョコレートケーキ」あ~、食べたいものは沢山あったのに~と毎回フランスからは後ろ髪を引かれる思いで帰途するアタシ。といいながら、バンコク「スワンナプーム国際空港」に到着するなりスライスした赤い焼き豚をご飯に乗っけてほんのりと甘いトローリとした特製ダレをかけて食べるタイ料理「カオムーデン」をモリモリ食べるのも私。国境を越えてひたすら「食を愛する」あたしです。タイで美味しいといえば、観光客があまり訪れることがないタイ人御用達の注文料理店がおススメ。ということで今回はチョイと、そんなローカルスタイルのお店内部をご紹介しちゃいましょ~♪

注文料理店で作られる数々のメニュー。

「注文料理店」あまり聞きなれない名前ですが「白菜だけ炒めて!」「あんまり辛くしないで、具は鶏肉で!」など自分好みのオーダーでメニュー作ってくれるオーダー料理屋。お店のおばちゃんと親しくなればメニューに載ってない1品も作ってくれる!お持ち帰りももちろんOK!! 極めつけは リーズナブルなお値段。ご飯にお好みのおかず1品乗っけてもらったワンプレートメニューが平均30バーツ~35バーツ。

私のタイ料理バイブルでもあり、日々お世話になっている「タイの屋台図巻/岡本麻里著」には注文屋台と記されていましたが、プーケットは屋台式よりも1軒屋の1階を解放して機能性を重視したテーブル&椅子が置いてある良く言えば「アジアンスタイルオープンカフェ」見た目は鄙びたお食事処。

屋台って聞くとどうしてもバイクや車に荷車をくっつけた毎年寒くなると実家近くの駅周辺に出没する赤ちょうちんをぶらりと下げた「ラーメン屋」や「おでん屋」を想像してしまうのですが、タイ人も一人でフラリとやってきて「ごはんに○○炒め、あ、ウェルダンの目玉焼きもつけてね。」とオーダーして出てきたご飯お店に置いてある古雑誌を読みながらもりもり食べてお勘定して帰る姿なんかみると、「屋台」というよりもそう、食堂を彷彿させる庶民のレストラン。きちんとお客さんが帰った後はテーブルも拭いて清潔にしていますが、簡素にまとまれたお店はお洒落から程遠いので、超美味なこの手のお店は、ほとんど巷のガイドブックには紹介されていないようです。

たぶん、インテリア的にお勧めレストラン的ではない上に、紹介したお店でご飯を食べてお腹を壊されちゃ困るとか言う事情があるからかもしれませんが、みごとセレクトされた料理店も卓上に乗っている無料飲料水は「飲まない方が無難です。」のような注意書きがその他の欄に書いてあることが多いです。ですが、ぶっちゃけ在タイ、正しくは在プーケット7年のあたしは卓上無料飲料水を7年間飲み続けてきましたが、お腹を壊したことはないです。(辛い物の食べすぎではあります。)

シンプルなテーブル&椅子
スプーン、フォーク、お箸とともに置いてあるテーブル上の調味料。特に麺類を食べる時に大活躍します
お会計は直接キッチンのおばちゃんへ。

と話はさておき、この「注文料理店」意図的にそうしているのかわかりませんが、なぜかキッチンは丸見えの場合が多いです。大抵キッチンは、コンロ2台、中華鍋1~2、「トムヤムクン」「グリーンカレー」などのスープ&カレー類を作る「そろそろ、買え変えたほうがいいですよ~。」と突っ込みをいれたくなるような風貌のアルミ鍋小サイズが1つ。コンロ前には、タイ料理の定番調味料「ナンプラー」「オイスターソース」「砂糖」「味の素」の4つ++(他2、3種類)が並んでおります。

ラーメン屋さんも兼ねているのでスープが入った大きな寸胴とラーメンの具&各種麺類を並べた透明のガラスケースがお客さんに見えるように置いてあります。あ、そうそう、近代的な冷蔵庫は置いてない店が多く、大きめのクーラーボックスに氷を敷き詰めて肉、魚介類を保存しております。別にネギや野菜ボックスもあります。たぶん日本の飲食店関係者が見たら「これでお店をオープンできちゃうの~?」と目から鱗状態のことでしょう。

さらに驚くべきことはオーダーしてからテーブルに料理が出てくるまでの速さ。お客さん10人ほど、オーダーは注文ありありの十人十色。それをキッチンに立つ叔母ちゃん、おじちゃんは、炒めものだったら平均1分弱、カレーでも3分でアッと言う間に作り上げてしまいます。お~、たったこれだけの道具でこの驚異的スピード。実は、普段のタイ料理は超イージークッキングなんですね~。速くて、上手い、ベリーグットなタイ料理! はっきりいって、観光客向けに味付けされた観光地タイ料理を出す、レストランなんて目じゃな~い! とあたしは思うわけです。

最近では人種のるつぼプーケットでは観光客以外に、ロングステイの外国人も多いので英語メニューを置いてあるお店も多くなりました。といっても言葉やメニューが分からなくても隣のテーブルで食べている人と同じメニューを頼んだり、ジェスチャーでコミュニケーションをとったりする行為そのものが旅の醍醐味というものですよね~。

これがキッチン内部です。
野菜を小気味よく切って……。
ジューッと炒めれば野菜炒めの完成。

是非、みなさんプーケットに、いやタイにバカンスに訪れた時には本物タイ料理を食べに「勇気を出して」注文屋台へ行ってみましょう! うまさと辛さで目から涙が落ちること間違いなしです(?)と、そういえば、空港で食べたレンジでチンして出してくれたお肉がパサパサな「カオムーデン」は180バーツ、注文料理屋で、同じメニューがのウマウマ&炊きたてご飯がてんこ盛りにて35バーツ。チッ、145バーツ分損をした、なんだか切ない気分です。