from パリ(たなか) – 59 - モベール広場の朝市。

(2010.06.21)
地下鉄モベールミュチュアリテ駅を出てすぐの広場に、週3回朝市が立つ。午後2時を過ぎるともう片付けの作業が始まるので、早く行かないと望みの品が無くなることもあるので注意。

パリへ来てすぐの頃、フランス語の砂糖(sucre)も、塩(sel)もちゃんと解らないまま、なんとかなるだろうとスーパーへ行って、店内をずいぶん探しまわったことがある(日本とはパッケージングも違い見つけにくかった)。スーパーでの買い物は時間をかけて商品を比較できるし、いざとなれば辞書を引いて調べることもできる。そのうえ合計金額をレジの計算機のデジタル表示で確認できるので、フランスの複雑怪奇な数え方とその読み方に慣れない日本人観光客にとって、スーパーマーケットは絶大な魅力があります。パリ都心部には、モノプリ(MONOPRIX)、シャンピオン(CHAMPION)などのスーパーマーケットがあちこちにあって、食品などの生活必需品はここで殆ど手に入ります。牛乳やチーズ、バター、ハム、調味料や肉、量り売りの野菜、そしてレトルトや冷凍食品など、私は一時期足しげく通っていたので、意外と広い店内の食品配置だけでなく、レジの女性の顔も覚えてしまうくらいでした。

生活にも慣れてきて簡単なフランス語がカタコトで話せるようになると、いつ行っても画一的なスーパーが逆に退屈になってくる(生意気だなあ)。そんな時、散歩の途中に寄ったモベール広場の朝市で、買い物をしてみました。まずはブロッコリとパプリカ(ポワヴロン)と人参(カロット)、リンゴ(ポム)を買うことにして八百屋のスタンドの列に並び、順番がくるまでにアタマの中でフランス語を予習する。パプリカは赤いの、ニンジンは3本、リンゴ2個とちゃんと言えるように。市場での買い物は、欲しいものを言うとオジサンが取ってくれるシステムなので、単語を知らないことには話にならない。いざとなれば、これ、あれ、指差し確認でも事足りるが、やっぱり下手でもちゃんとフランス語で言わないと失礼だし、ここで生活しているんだから。注文した野菜をオジサンは秤に載せ、計算して(いちおうレシートが出る)合計金額を伝えてくれる。間違いなく聞き取らなくてはいけない、緊張する一瞬。4ユーロ8? キャトルゥーロまではわかったが、ユイがうまく聞き取れないので聞き返すと、はっきりユイットと言ってくれたので小銭を出す。メルシームシュゥ、オーボワと挨拶して袋に入った野菜を受け取る。

キリスト教の祝日と重なった土曜日に、鼓笛隊が市場にやってきました。近くにある古い教会の関係らしい。買い物が済んで、カフェで一休みする時間は最高。
市場には八百屋が一番多く、4、5軒ほどある。流行のビオ(BIO)野菜専門店には早く行かないと売り切れてしまう。
カンヅメ専門店。フォアグラや鴨のコンフィ(油漬け)がウリらしい。砂肝を買ったら、レタスといっしょにサラダにすると美味しいよ、とおばさんが説明してくれた。
エビや魚介だけでなく、薫製や干物、塩漬けもあります。
中東っぽい布地や絨毯もあります。北アフリカっぽいオジサンは、店の人?客?

モベールの広場には、毎週、火・木・土曜日に朝市が立ちます(木曜日には行ったことがないが)。パリの市場としては小規模な方ですが、八百屋だけで5軒ほど、それ以外に肉、魚、乳製品、缶詰、ハチミツと石鹸、花屋、レバノン系惣菜、乾燥果物とオリーブ、パンと菓子、衣服、エスニック生地と絨毯、アクセサリなど、小さい割には商品のバラエティがあります。土曜日は観光客も混じってかなり賑わい、商品も多いので、朝11時頃に行って1週間分の野菜や卵を買うようになりました。スーパーと比べて値段はあまり変らないが、商品の鮮度が違うのを実感します。毎週同じ場所に同じ店が出るので信用できるし、やっぱり売り手の顔を見ながら買い物をするのは、なんとも言えない充実感があります。まだ私の顔を覚えられる程にはなってないけど、私の方ではチーズ屋のおばさんとか、八百屋のオジサンとか、見分けがつくようになりました。

毎週通うようになったので、私の土曜のランチは市場で買ったファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)を温め直してケチャップとマスタードを付け、茹でたてのブロッコリにはマヨネーズ、羊羹のように甘いダーツ(ナツメヤシの実)をデザートに、仕上げにシェーブル(山羊のチーズ)にハチミツをちょっと添えて食べています。食材はすべて朝市で調達。パンだけはやっぱり、近くのモンジュ通りのパン屋(エリック・カイザー本店)で買いますが。

ここで買ったカマンベールは、スーパーのものより味が濃い。ケースの中の白い饅頭みたいなのが山羊のチーズ(シェーブル)。初夏が旬だとか。
牛乳や卵も最近は市場で買うようになりました。卵はoeuf(ウフ )。フランス語の母音の発音はむつかしい。卵6個はsix oeufs(シーズー?みたいな)なかなか上手く言えない。
高級なダーツ(ナツメヤシ・奥の箱の中の黒い実)は、虎屋の羊羹のように、こってり官能的に甘くて美味しい。
ファラフェル1個0.95ユーロ。大きめのピンポン球くらい。ピタパンに挟んで、ここで食べることも出来るが、私はいつもお持ち帰り。手前のケッベは挽肉の団子。
パプリカはすごく新鮮。野菜はすべてキロの量り売り。リンゴはシーズンオフだけど、まずまずの味。みんなで4.08ユーロ(約500円)