from 四国 – 1 - 「グビ」のカツオを求めて
(2008.07.08)10年ほど住んだ東京を離れ、実家の高知へ戻ってきました。
大人になってから高知に住むのは初めてなので自然の恵みを堪能しています。 そんな高知から、高知やその周辺の紹介をさせて頂きますのでよろしくお願いします。 さて、やっぱり高知といえば、カツオ! ちょうどこの時期、初鰹と呼ばれていたカツオの群れは黒潮を北上し、岩手県三陸沖にたくさんいます。いま一般的に流通しているカツオは主に気仙沼港などに水揚げされた脂の乗ったカツオで、それは高知の人たちも食べています。 じゃあ、地物はないのか? 有ります。 土佐湾を回遊しているカツオたちです。 地物の中でも、その日釣れた本当に新鮮な状態のものを「グビ」といいます。 この「グビ」のカツオを求めて高知の魚市場を巡ってみました。 まずは須崎魚市場。高知市から車で1時間弱。ここは6時、10時、14時の3回セリがあり、一番にぎわう10時のセリに行きました。 ここはいつも地物のアジ、サバやキスからサメまで水揚げされ、セリ前には市場一面にずらっと並べられます。が、この日は残念ながら地物のカツオは水揚げされませんでした。 続いて久礼魚市場。ここには本格的なカツオ漁船が停泊中。 このカツオ漁船はトリカジ(左舷)で一本釣りが行われ、釣る場所にはカツオを誘き寄せる散水ホースが付いてるのが分かると思います。 残念ながら、この日は水揚げがなく、セリ自体がありませんでした。 ここで魚屋さんから携帯電話に連絡が! この先の上ノ加江漁港で100キロほどカツオが水揚げされるとのこと! とにかく、上ノ加江漁港へ急行。 居ましたよ。満面の笑みを浮かべたじいさんが一人、漁船に座っています。 どうやらこのじいさんがカツオを釣った様子。セリまで時間があったので話を聞くと、これがすごい。 鳥の群れが見えて近寄るとクジラが2頭泳いでいて、そのクジラにカツオの群れが付いていたそうです。 で、このじいさんはたった一人で、しかも竹竿で、カツオやキハダマグロを約30尾も釣り上げたのです。 ちなみにこの日に高知でカツオを水揚げしたのはこのじいさんただ一人だったのです。 実際釣り上げたのが9時過ぎで、水揚げが13時なのでこれぞ本当の「グビ”」! 私もここまで新鮮なカツオを見るのは初めて。カツオ「鰹」は堅い魚と書くように、通常持ち上げても背骨がピーンとしていますが、このカツオはまだ硬直していないのです。 その場で2尾買って高知市へ戻り、夕方から宴会です。 1尾は刺身。 残りはタタキにしました。 味ですが、脂は少ないものの、臭みは全くなく、とにかくうまい! カツオの心臓・チチコも普段は焼いたり、煮付けたりするのですが、もちろん刺身で! こちらも臭みゼロ。牛のハツより身が締まっていて歯ごたえが いいです。 こういうときが高知に戻ってよかったと思える最高のひと時です。 ちなみに、通常は魚市場で直接購入することはできません。 今回は高知市内や須崎の魚屋さんに協力してもらって「グビ」を入手できました。久礼の大正町市場にある田中鮮魚店さんなど、信頼できる魚屋さんでどうぞ。 この日水揚げされたカツオもセリが終わった30分後にはここで 売られていました。 |
じいさんはひとりで竹竿で。 一尾は刺身に。 残りはタタキに。とにかくうまい! 牛のハツより身が締まっているチチコ。 |