from 北京 - 32 - 寧波(ニンポー)にニューオープン
パークハイアット寧波へ、癒しの旅

(2012.06.11)

「パークがなぜ、寧波に?」という疑問から

你好(ニイハオ)! 北京は春を通り越して、もうすっかり夏の天気。30度を越す気温が続きますが、北京は年間通して湿度が低くカラッとしているため、過ごしやすくはあります。私も中国で過ごす夏は、もう6回目となります。今回、日本のGWに相当する「労働節」という三連休を利用して、今年2月にオープンしたばかりのパークハイアット寧波(ニンポー)に行って来ました。

パークハイアットは中国では、2008年にほぼ同じタイミングで北京と上海に初めてオープンしました。今回宿泊したパークハイアット寧波は、中国で3番目に開業する「パーク」ブランドであり「リゾート アンド スパ」初めて冠されるホテルです。そこで疑問に思ったこと……それは「なぜ、寧波に?」という疑問でした。


左・寧波空港はこじんまりした空港。タクシーで40分程度、1000円くらいでホテルに辿り着きます。
右・魚をモチーフにしたエントランス、穏やかな水の都を想わせます。
逃げ込むように、旅する

その疑問に答える前に、視点を変えて「なぜ私は旅行先に寧波を選んだのか?」を。

中国でマーケティング関連の仕事をしていると、春は1年の中でも最も忙しい時期です。特に、4月末に中国で開催される(北京と上海で一年ごとに交代で実施、今年は北京)モーターショーは、今や世界最大の規模となっており、私が勤務する会社でも完成車メーカーから部品メーカーまで合わせて5社のお手伝いをしており、その忙しさはもはや風物詩のようなものになっています。「あー、どこかに逃げ出したい!!」と旅行に行くことを決めました。

とは言ったものの、どこに行くかノープラン。日本帰国じゃ芸が無い。海外に行くならもう少し長く行きたい(でも、そんなに休めない)。じゃあ中国国内に、と云うところまではすんなり。しかし、そのあとが悩みました。観光地に行くと、休暇後に休暇前より疲れていた……なんてコトは、ダカーポ読者の皆様におかれましては、ナイのでしょうか? 私は、まさにこのタイプ。だから、決めたのです。「何も無いところに行こう。」

広大な施設内は、水郷の街を思わせる造り。一部のヴィラは別荘として売り出しているよう。
静かで穏やかな環境「何も無い」という贅沢

結論、ハイアットが狙ったものはコレなのかなと、思います。寧波という都市は、港湾都市で産業が発展しており、比較的豊かな街ですが、観光資源はコレと言って特筆するものはなく。しかし海産物が美味しく、水路が張り巡らされ古い橋が架けられた街は美しく、穏やかな湖もあり。成長著しく、時間の過ぎるのが早い大都市圏とは違い、穏やかで落ち着ける環境があります。

パークハイアット寧波は、東銭湖という湖に隣接し、ローカルの建築様式を外観に取り入れたホテルです。ホテルは滞在型リゾートを銘打っただけあり、結構広い敷地に、贅沢な作りがなされています。今回、個人的にとてもこのホテルを気に入ったのですが、その最大の理由は、ホテル内のシームレスなアクセス性がもたらす「自宅に居るような感覚」にあります。例えばレストランひとつとっても、ロビーからも、プールのウッドデッキからもアクセスが出来、入り口が一つではなく色々なところが繋がっているのです。そんなこと?と思われるかもしれませんが、自分の家のように、ホテル内を自由に動き回れる感じが、とても快適でした。のびのびとリラックスし、落ち着けるホテル、だと思います。

プールのウッドデッキは、レストランに直結、庭からリビングに入る感じ。
イタリアンベースのオールデイダイニング、夕方はお茶やお酒を楽しむ人でテラス席はいっぱいに。
日の光が入る、お気に入りのバスルーム。アメニティは、ちょっと珍しくLE LABOでした。
いくつかの部屋と共有で、こんな素敵な中庭があったりと、何だか自宅みたいなのです。
驚いたのは、そのコストパフォーマンス

さらに素晴らしいのは、場所が郊外と言うこともあってか、全体的なお値段は、パークブランドの中では驚くほどお安めだと思います。宿泊料金のみならず、それは食事も、スパのマッサージも同じ。例えば、スパで90分間の全身と足裏のオイルマッサージで6,000円程度でしたから、北京や上海の街中の有名マッサージ店と遜色ありません。ましてやホテル内、そしてパーク価格であることを勘案したら、ビックリする値段設定です。さらに食事も同じく、全体的にリーズナブルなのです。レストランは、全部で3つ。海鮮料理の中華レストランとイタリアンベースのレストラン、それから古い寺院を改築したバーがあります。


左・スパの施設も、それぞれが独立したヴィラ仕立てになっていて、快適でした。
右・夜になると、施設内はこんな雰囲気に。特筆すべきは、本当に静かで穏やかな環境。

左・蒸し魚の葱ソース、繊細な身で美味しかった。そのあたり、さすがに港町ですね。
右・こちら、魚のスープ麺なのですが、この白濁したスープ、絶品でした。
落ち着いた環境、ずっと居たくなる、充実の設備

二泊三日の滞在中、全くホテルの外に出ないでホテルの中だけに居たのですが、それは、ホテルの中にずっと居ても全然飽きなかったコトが重要なポイントでした。お部屋の中も、デイベッドがあって、超快適。さらにお庭もついていて、デッキチェアもあるし、部屋にはNespressoが完備されていてGood! プールは屋内と屋外のふたつ。屋外はまだオープンしていませんでしたが、湖を臨むいわゆるインフィニティプールです。屋内は……これが、ワタシ史上最高のプール(笑)でした。プールサイドのデイベッドはゆりかご式になっていて、適度にプライバシーが確保されながらも開放的な造り。天井が高い!! 3階分くらいある天井高で、本当に開放的です。しばらくココを超えるプールには出会えないのでは?というほど気に入りました。本を持って行けば、一日中プールサイドでゴロゴロ出来る自信があります。

そんな感じで大満足の滞在でした。中国で働くビジネスマンの休暇にもピッタリですが、日本から旅行の皆さんにも、もちろんおススメです。上海旅行に繋げて、二泊ほど寧波に滞在してはいかがでしょうか? 上海からは飛行機で30分、バスで3時間程度。上海の勢いのある感じとはまた違った中国が楽しめると思います。もちろん私はリピート確実。太鼓判です!

窓を薄く開けて寝ると、朝には小鳥のさえずりが。北京の朝のクラクションとは大違い!(泣)
これが屋内プール。分かり難いですが、プールを囲むようにベッドがいくつも配されています!
古い寺院を改築したバー施設、お昼は中国茶と軽食も楽しめます。
朝食も抜かりナシ。打ち立ての麺を茹でてもらいます。滞在中の体重増加は必至!!