from 山梨 – 17 - 山梨花便り~北杜市~
山高神代桜(やまたかじんだいざくら)。

(2011.04.23)

この季節、満開の桜を見上げて「今年も春が来た」と思い、これから出回る山梨の果物や野菜に思いを馳せ、豊作を願い、今年もアレを食べよう、コレを食べようなどと考えたりするのが例年のお花見でした。
だけど今年は少し違って、「ああ、今年も桜が咲いたんだな」と思いながら、昨日は『わに塚の桜』を見上げていました。

とはいえ、春だなと思ったら直売所で野菜を物色したくなり、ついでに赤石山脈(南アルプス)北部、まだ雪の残る鳳凰三山や甲斐駒ケ岳の姿も眺めてこようと、昨年末以来久しぶりに北杜市の『道の駅はくしゅう』まで足を伸ばすことに。
そして『道の駅はくしゅう』で買い物をしながら、そういえば近くのお寺に有名な桜があるんだったなと思い出し、帰りに立ち寄ってみることにしました。
 

 

 

樹齢2000年のエドヒガンザクラ。

北杜市武川町実相寺境内にある国指定の天然記念物、山高神代桜。

樹齢およそ2000年。
今現在、日本一のご長寿桜です。

昨年、奈良の平城京跡で『平城遷都1300年祭』が開催されましたが、平城への遷都が1300年前。
2000年前といえば、弥生時代にまで遡ります。

2000年の間、この桜は何を見てきたのか。
2000年の間、どれだけの人がどんな思いでこの桜を眺めてきたのか。

樹齢300年の『わに塚の桜』も、この老木から見ればまだまだひよっこです。

古くから日本人に親しまれ、日本の文化や日本人の心と深く関わってきた桜はラグビー日本代表チームのユニフォームにも使われていて、胸元に桜のエンブレムをあしらったそのユニフォームは『桜のジャージ』と呼ばれています。
そして、ラグビーニュージーランド代表をオールブラックス、オーストラリア代表をワラビーズ、南アフリカ代表をスプリングボクスと呼ぶように、日本代表は外国ではチェリーブロッサムズ(Cherry Blossoms)やブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms)などと呼ばれているのです(Japan national rugby union team


 

日本各地には多くの桜の名所、名木がありますが、この『山高神代桜』と、岐阜県の『根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら-樹齢約1500年)』、福島県の『三春滝桜(みはるたきざくら-樹齢約1000年)』の3本の桜は『日本三大桜』に数えられています。
どれも、気の遠くなるような樹齢です。

2008年11月、宇宙飛行士若田光一さんを乗せたスペースシャトル『エンデバー』が、国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられました。
そのエンデバーには、無重力が種に与える影響などの観察を目的として、その日本三大桜をはじめとした各地の名桜の種が積み込まれていました。
その種は国際宇宙ステーションにある日本の実験棟『きぼう』で半年を過ごした後、2009年7月に地球に戻ってきています。
宇宙での滞在を経験した桜は、未来に何を伝えてくれるでしょうか。