アートが似合う街でパティシエが魅了される和のスイーツに出会う。
(2008.12.01)今回、アラフォーライター嬢がどうしても訪れたかった場所がある。
金沢21世紀美術館だ。
平成16年のオープン時には女性誌、ファッション誌に何度も取材され、その丸いガラスの外観の前でモデルさんや女優さんが雑誌の表紙を飾ったという、新しい金沢のシンボルのようなスポットだ。
蕎麦と一緒にいただいたビールのほろ酔い状態のまま、タクシーで乗りつけた。
広々とした庭の向こうに、陽光にきらきら輝くその姿はまぶしいほど。
土曜日とあって、大勢の人で賑わっている。
家族連れが遊園地に行くように美術館に行く。さすが文化の街・金沢だ。
「どこから見ようかなー。まずはただのスペースからかしら」
私が館内の案内板を見ていると、ふと気付くと、カメラのマッハくんとこまつさんがいない。
「ゴーーーーールっ!」
柱の影からワールドカップのアナウンサーのようなこまつさんの声が聞こえる。
柱の向こうに回ると、すでに二人は巨大サッカーゲームに興じているのであった。
人形を棒で操作して玉を蹴る、昔、家庭用でよく遊んだサッカーゲームだ。
対戦相手はやっとゲームバンに届くかどうかという子供。僕もさっそく参戦して、しばし勝負!
昔、家族や親戚で温泉旅館に行くと、小遣いをもらってゲームコーナーで遊ぶのが楽しみだったことを懐かしく思い出した。
全部を見て回っていたら1日潰れてしまいそうなので、今回はコレクション展のみを観賞。
面白かったのは、プールの中を人があるいているように見える作品。浅い水の下に透明の板で区切られたスペースがあり、底を人があるくと、まるで水中を歩いているようにユラユラと見えるのだ。
マッハくんいわく、
「これ、ノリのいい外人とかは泳ぐ真似とかしてくれるんですよ」。
もしおちゃめな方はやってみてください。
僕らもやろうとしたけど、結構照れて、なかなか吹っ切れないものです。
まだいたかったけど時間の関係で名残惜しいまま21世紀美術館を後にして、向かったのは石川県立美術館。
何とこちら、9月20日にリニューアルオープンしたばかりのピッカピカなんです。
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サッカーゲームで汗びっしょり |
そして、何といってもここの売りは、パティシエ・辻口博啓さんがプロデュースするカフェ『ル ミュゼ ド アッシュKANAZAWA』がオープンしたこと。
辻口博啓さんは『モンサンクレール』『自由が丘ロール屋』など、全国に11のスイーツブランドを展開する超有名パティシエ。
辻口さんの出身地である石川県七尾に続いて、石川県内では2店目とか。
当然のごとく大人気で、この日もカフェは満杯。でも、そこは美術館のいいところ。
予約の名前を書いて、時間まで館内を愉しめばいいのだからストレスもたまらない。
ちょっとのどが渇いたところで順番が回ってきて……おー、何とよくできたスタイル!
このカフェには秘密の部屋もあります。
壁か、と思う黒い戸を引くと、そこにはスイーツと玉露を愉しめる「コンセプトG」というカウンターだけのスペースが。
「和をもって世界を制す」がコンセプトにする辻口さんのひとつの答えです。
彼女と、奥さまと、お母様と、秘密のお相手と、一度予約して楽しんでみたい空間です。
「金沢で玉露を飲まないか?」
口説き文句としてはわかりにくいです。
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辻口博啓さんがプロデュースするカフェ『ル ミュゼ ド アッシュKANAZAWA』 |
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スイーツと玉露が堪能できる茶室 |