from 北海道(道央) – 60 - 海上から眺める
「小樽海岸国定公園」。

(2012.04.23)

小樽にも、ようやく春の足音。

既に桜前線は、関東を越えて東北地方にまで進んでいる。小樽で桜を見ることができるのは、恐らく、ゴールデン・ウィークが終わる頃になるのではないかと思われるほど、今年の道央地域は雪が多く寒い日が続いていた。
 
とは言え、注意深くあちらこちらを観察してみると、確かな「春の足音」が、小樽にも近付いてきていることに気がつく。

ちなみに、北海道では、桜が咲いて、ほぼ同時に梅が咲き出すなど、突然のように辺り一面が「春」の装いへと一変するので、短い春を慌しく楽しむための心構えも大切なのだ。

4月中旬の「小樽運河」。雪の塊が、融けることなく浮いている。
散歩をしていると、ようやく春の訪れを目にすることができる。
去年の今頃の「桜の蕾」。今年は、例年よりも桜の開花は遅くなりそう。
観光船は、GWから営業を開始!

去年、「おたる水族館」の営業が通年になったことを紹介する記事を書いたが、その中で、「観光船で行く水族館」の魅力をご紹介させていただいた。JR小樽駅を出て、真っ直ぐと海へと向かって歩いていくと、約10分で観光船の発着場所である「第3号埠頭」へと辿り着く。

「北海道民に身近な「おたる水族館」。今年から通年営業開始!」
 
第3号埠頭からは、小樽港内遊覧航路のほかに、水族館のある祝津(しゅくつ)までの「祝津航路」、さらにその先、ニセコ・積丹・小樽海岸国定公園の赤岩海岸やオタモイ海岸へと向かう「オタモイ航路」行きの観光船が発着している。

観光船の今年の営業は、ゴールデン・ウィーク前の4月27日(金)から10月14日(日)までの約半年間となっているので、小樽に足を運ばれたなら、是非「海からの小樽観光」も楽しんでいただきたい。

灯台やおたる水族館の観覧車、海上にはヨットなどを眺めることができる。
国内では珍しい海とつながっている「おたる水族館」を、船上から眺める。
1934(昭和9)年に完成した「龍宮閣」は、オタモイ海岸の断崖絶壁に作られたのだが、その後火災により消失し、現在は微かに跡地が確認できる。
オタモイ岬。海蝕崖は、日本海の荒波が残した地形。
北海道で唯一の「海域公園地区」。

船上から眺める小樽の街並みに加え、1963(昭和38)年に「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」の一部として指定されている「小樽海岸地区」は、積丹海岸とともに北海道で唯一の「海域公園地区」に指定されており、海蝕崖とともに特に夏場の海中景観は見応えが十分。
 
この厳しい地形を、先人たちはどのように踏査し、現在の小樽の街の礎を築いていったのか、迫り来る海岸線を眺めつつ、物思いに耽ることもまたよし。

何より晴れた日には、日本海を吹き抜ける海風が心地よく感じられ、観光船に併走するヨットを眺め、石原裕次郎はその昔、どの辺りまでヨットを走らせたのだろうと想像することもまた楽しい。

観光船が行き来する祝津漁港。
祝津漁港は、漁港としても重要な役割を果たしている。
祝津で海産物を食す。

第3埠頭から祝津漁港、さらにオタモイ航路と周遊する観光船は、途中の祝津漁港で乗下船することもできる。

祝津には、おたる水族館があるし、景観が有名なホテル、さらには美味しい海産物を提供してくれる店が数店並んでいる。観光客が順番待ちしている有名な食堂もあれば、リーズナブルな値段で海鮮丼を提供してくれる店もあったり、小樽市内とは違った「小樽の食」を楽しむには十分。
 
これから「春本番」を迎えようとしている小樽。小樽運河の散策のみならず、時間をつくって海上から小樽を眺めてみることも、かなりのお薦めです!!


左・祝津には、常時満席の有名店もあれば、海を眺めて食事をすることのできる店もある。
右・雲丹とイクラの「二色丼」。

左・海があれば、そこには「海鮮丼」が待っている。
右・魚の粗(あら)を使った「粗汁」。出汁の濃さに、身体がほどよく温まる。