土屋孝元のお洒落奇譚。ジヴェルニー村のモネさんの庭へ 行ってきました。

(2014.09.21)
モネさんの睡蓮の庭。太鼓橋です。
モネさんの睡蓮の庭。太鼓橋です。
あの睡蓮の庭が、そのままの姿で目の前に広がる。

先週 ジヴェルニー(Giverny)へ行ってきました。

ジヴェルニー(Giverny)と言っても知らないという方もいらっしゃるでしょう。あの印象派のクロード・モネさんが晩年を暮らした家と庭が残されている村です。パリから北西にフランス国鉄(Société Nationale des Chemins de fer Français, SNCF)の急行で1時間くらいのヴェルノン(Vernon)と言う駅からバスで10分くらいの場所にあります。

あの睡蓮の庭がそのままの姿で目の前に広がる景観には感激しました。数日後、パリの『オランジェリー美術館』で睡蓮の連作を見ましたが、ジヴェルニーの庭の睡蓮を連想させるものでした。モネさんはバルテュスとも親交があったらしいのですが作風に変化もなく自分の表現は変わってはいないようですね。僕の個人的な印象ですが、このオランジェリーの晩年の睡蓮は印象派と言うよりは 近くで見ると抽象化された睡蓮の表現でより現代的に見えました。もしもお時間があればジヴェルニーの庭、オランジェリー、オルセー、と見比べるのも面白いと思うのですが。

サン・ラザールーヴェルノン。
バスで10分。

パリのサン・ラザール駅(Gare Saint-Lazare 車内アナウスではサラザールと聞こえます。)からフランス国鉄のチケットを買いヴェルノン駅までです、フランス国鉄には1等、2等の違いがあります、ほとんど変わりはないのですが詳しく説明すると1等車には各座席のテーブルの上にはペンダントライト 洒落たLEDのデザインです。2等車にはないのですが、1等、2等関係なく座席のデザインも洒落ていました。最近のJRもデザインは良くなったのですが、さすがフランスだなと感じる色彩で座席はヘリオトロープよりやや濃いめの紫でイエローグリーンとオレンジが部分的に使われたものです。

僕が乗った2等車には指定はなく全席自由席です、サン・ラザール駅から乗る時に早い者勝ちで席にすわります。しかし、サン・ラザール駅で列車のホームの案内表示が出るのは出発時間の20分前から遅い時は10分くらい前です。このサン・ラザール駅はかなり広い駅で20くらいのホームがあり、お客さん達は中央の電光掲示板の前でホームが表示されるのを待っています、この駅には駅なかのショッピングセンターがあり、スーパーカルフールや専門店、オランダの低価格のデザインショップ(日本で最近流行りのフライングタイガーのようなお店)、無印良品MUJI、衣料品店、ジーンズ店、ポールのサンドイッチ、スターバックス、コンビニのようなお店、など日本と変わりないですね。僕はスターバックスで時間待ちをして時間をつぶしました。

フランス国鉄の黄色い自販機。
フランス国鉄の黄色い自販機。

ちなみにこのサン・ラザール駅は国鉄の駅ですが、メトロとも連絡していて東京では上野駅ににている印象です、モネさんの描いたサンラザール駅といまも変わらないホームです。確かパリで1番古い駅ですね。ドービル・トウルービルや長距離の特急TGVの発着もあり、活気のある駅でした。4月から10月までの直通急行で1時間弱、ヴェルノン駅で降ります。上り下りだけのフランスの田舎の駅です、駅前に小さなロータリーがありカフェが一軒あるだけで駅前のバス停からジヴェルニー村へ向かうバスに乗り約10分で到着です。このバス内にはオーストラリア、フランス、北欧、イギリス、アメリカ、スペイン、ブラジルなど本当に世界中からの観光客で満席です。

バラがメインのフランス庭園から
家全体には浮世絵コレクションが。

ジヴェルニー村は入り口からモネさんのフラッグなどで飾られ、村全体が観光地でモネ邸以外の村の家々もお庭や生垣、塀の植栽なども美しく手入れされていました。それぞれカフェやレストランなどを開いていたり 観光地で見かけるお土産屋さんはなく自然な感じでフランスの田舎の村らしい感じです。モネ財団の管理する家と庭の入り口から入り、まず庭を見学しました、フランス庭園で基本はバラがメイン。スタンダード仕立てで季節は秋なのですがまだまだ夏の花もいっぱいで、ダリヤやバラ、クレマチス、コスモス、ベゴニヤ、ワレモコウ、グラジオラス、ナスタチウム、など水の庭では睡蓮の花も咲いています。柳の枝も爽やかにそよぎ、まさにモネさんの睡蓮の連作のままの風景でした。絵の中に登場する太鼓橋もそのままで絶好の記念写真スポットになっています。

ジヴェルニー村の略図です、歩いて30分くらいで回れます。モネさんの家と庭、ジヴェルニー印象派美術館があります。
ジヴェルニー村の略図です、歩いて30分くらいで回れます。モネさんの家と庭、ジヴェルニー印象派美術館があります。

モネさんの家は入り口付近で添乗員さんの説明を受ける団体さんや入場待ちの団体客で一杯です。オーストラリア、イギリス、スペインなどからの観光客でした。僕のような個人客は待たずに入れました。家全体は浮世絵のコレクションで飾られアトリエにはセザンヌ、ルノワール、シスレー、などの絵も飾られています。キッチン食堂も壁全体が浮世絵で飾られていて 黄色い壁に薄いブルーの中桟(なかさん 壁に出た横方向の木部)でこの色の組み合わせにモネさんのセンスを感じました、あのリモージュ焼きの黄色とブルーのシリーズのティー・コーヒーセットはここからのインスピレーションでしょうね。僕は4時間ほどを庭と家を見学して過ごしてから近くにある『ジヴェルニー印象派美術館』の中庭にあるレストランでお昼を食べて中を見学しました。

ちょうどベルギーの印象派展を開催していてあまり知識がなかったベルギーの印象派をみることができました。さすがにここのミュージアムショップとモネ財団の入り口近くにあるミュージアムショップはモネさんのお土産グッズで一杯です、庭の写真集、画集、あのリモージュの食器のフルセット、などなど本当にいろんな種類がありました。僕はこのミュージアムショップをいろいろ見て、ジヴェルニーのモネさんの庭の写真集とモネさんの英語版画集を買いました。

クロード・モネの家
FOUNDATION CLAUD MONET

84, rue Claude Monet
27620 – Giverny
開館日:4月1日〜11月1日まで。
時間:9:30〜18:00(入館は17:30)
一般料金:9 €

ジヴェルニー印象派美術館
Musée des impressionnismes Giverny

開館日:3月28日〜11月2日(夏期閉館:6月30日~7月10日)
時間:10:00~18:00(入館は17:30)
一般料金:7 €