from モスクワ – 13 - モスクワに「王道」あり。

(2010.10.12)

鳩山由紀夫元首相のご子息がモスクワ大学に在籍している。
何を研究しているかというと、モスクワの交通渋滞について。
というのも、モスクワの渋滞は世界でもトップクラスの劣悪さ。研究のやりがいがある。

車で移動するときは予備の移動時間を多めに見積もっていなくてはならない。
それだけ経済の発展著しいと考えるべきなのか……?

モスクワの交通事情でも不思議なものがいくつかある。

なんかこの中央分離帯、不自然な感じするな……。

大きな道路で、時々不自然な中央分離帯があることが。
渋滞の中、「何だろうなぁ」と思っていたら、突然警報音とともに
青いパトライトみたいなものを付けた黒塗りの車が、この中央分離帯を走り抜けていく!
え、あ、あの車は何……??

これはどうも政府高官の車らしい。たとえ渋滞になっても、
お偉い様はちゃんと渋滞を回避して中央の専用道路で渋滞知らずで、ということらしい。
恐るべしロシアの政府高官である。
(ちなみに、救急車やパトカー等もここを走っていくが、どっちかというと政府高官向けの気がする)

待てど暮らせど信号が青にならないことも!

通常の交通渋滞じゃない時もある。
信号機は赤。
しばらく経ってもまだ赤。
物思いに耽った後も赤。
どうも信号が赤から青に変わらない……。

こういったときロシア人はどうするか。
最初はおとなしく待っている。
しばらくは我慢している。
すると、
クラクションを鳴らしだした! (鳴らしてもしょうがないと思うのだが……)

クラクションの大合唱になってくると……青に変わった!!??
な、なぜ??

あちこちに置いてある謎の装置。

この手の渋滞はおおよそ「政府高官」様よりも、
もっと位が上の超VIP(国賓とか)がお通りになるときに発生する。
意図的に信号を赤にしているのである。
もちろん例え朝の通勤ラッシュであろうがお構いなし。
ここはロシア、一般市民より超VIPの方が偉いのは当然である。
(日本でもこういったことを稀にやることがあるが、モスクワでは結構な頻度で発生する)

とはいえ、あまりに長い時間信号を赤にしすぎてクラクションが鳴り始めると、
警察も仕方なく少し青にするようである。
こういった時のクラクションの音はちゃんと届くのだ。
ロシア人はアナログというかなんというか……。
日本だとこういうことは融通利かないイメージありますが。

謎の装置を開けるとこんな感じ。警察官がアナログコントロール

この信号器をコントロールするのが道端に置いてある箱(操作盤)。
VIPが通らなくても、交通量が多い地点/時間には警察官が立っている。
結構大切な装置だと思うのだが、実は鍵はかかっていない。
交通事故にもつながる重要なものだと思うのだが……。

まぁ下手に触ると、二度と出て来られないところに連れて行かれそうなので、
誰も触らないのかもしれない。