狗飼恭子のロマンティック・オアフ・ストーリー - 12 - サーフィンから浜辺の散歩まで、
個性あふれる魅力のビーチ。

(2011.07.14)

オヒアレフアに約束を(12/31)
 ハウツリー・ラナイの大きな木の下にあるテーブルで、朝食のエッグベネディクトとロコモコを二人で半分ずつ食べる。
 わたしたちはどうやら味覚が合うらしい。彼がメニューの中から選んでくれる食べ物はどれもこれも飛び上がるほど美味しいものばかりだ。あるいは、ハワイの食べ物がわたしの舌に合うだけかもしれないけれど。
 半熟の目玉焼きにナイフを入れる。じゅわりと黄身がこぼれる。
 彼は足元に目をやると、突然かがみ込んで葉っぱを一枚拾い上げた。
 「見ろよ、ハート型だ」
 確かにその葉っぱは、ハートの形をしていた。わたしたちは揃って、頭上を覆っている大きな木を仰ぎ見る。そこには、数え切れないほどのたくさんのハートの葉っぱたちが、青々と茂っていた。
 こんなにたくさんのハートに囲まれての朝食だなんて。木がわたしたちを祝福してくれているようだ。ピンク色のグアバジュースより、甘ったるい気分。
(恋愛小説家・狗飼恭子)
つづく »
ハート形のハウ・ツリーの葉。求め合うようにも助け合うようにも見えるからまった枝に、びっしりとついている。
黄色く色づいたハウ・ツリーの葉。この後赤く色づき、やがて落ちる。どの葉もハート形で、大変にロマンティック。


びっしりとついた葉の間には黄色のかわいい花が咲く。
ハウ・ツリー・ラナイで一番人気の名物、「エッグ・ベネディクト」。ナイフを入れるととろけだす卵の黄身がたまらない。


ハウ・ツリーの木陰で朝食を食べる人々。枝が広がった木のむこうはロコに人気の静かなサンスー・シー・ビーチ。

オアフで迎える朝は、ビーチからの涼やかな風に吹かれながら木陰でのんびりとした時間を過ごすのも素敵。中でもおすすめはワイキキビーチから少し離れた静かな海辺にある、ハウの木の織りなすロマンティックな空間「ハウ・ツリー・ラナイ」。百年もの歳月をかけてしっかりとからみあった枝が生み出すその大きな木陰は、ハワイの強い日差しも突然の雨だってさえぎってくれる心地のよい空間。今も昔も変わらず人々が集まってくるその場所には、まるで止まっているかのような静かな時が流れ、少しノスタルジックな気分にもなれるから不思議。名物の「エッグ・ベネディクト」を食べながらゆったりと流れる、オアフの気持ちのいい朝を楽しんで。

 

■ DATA

ハウ・ツリー・ラナイ

ザ・ニュー・オータニ・カイマナ・ビーチホテル内
2863 Kalakaua Ave., Honolulu
Tel.(808)921-7066
朝食7:00~10:45
昼食11:45(日曜日は12:00)~14:00
夕食17:30~21:00
祝日は変動ありだが基本的に無休

『宝島』を書いた小説家スティーブンソンも愛したという伝説を持つ場所。おすすめはなんといっても一番人気の「エッグ・ベネディクト」($14)。また、他では食べることができないオリジナルの豪華な「ロコ・モコ」($15)は、もはやローカルフードの域を超えている。夕日の時間帯も人気があるので訪れる際は予約を。

 

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■ 関連項目

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過去記事『今こそ、オアフ島!!』
オアフ観光局
iPadアプリ「今こそ! オアフ島」

 

Produce&Photographs: Yuji Komatsu
Special Thanks: Ritsue Honma / O’ahu Visitors Bureau