from ニュージーランド 北島 - 8 - 異国の地でがんばる日本人アーティスト、ケイコ・ポゴーニさん。

(2009.09.25)

私が最初にケイコさんとお会いしたのは、家族で食事に来ないかと誘われた時でした。当時はケイコさんがアーティストだということは全く知らず、お電話でお話して楽しかったのでみんなでお邪魔しました。その時に見たブルーの魚の絵がとても印象に残っていて、いつかきちんとアートやケイコさんご自身についてお話を伺いたいと思っていました。

澄んだ水の中を泳ぐゴートアイランドの魚たち。ガラス底のボートから下を見るとこんな感じなのでしょうか。
ポフツカワの絵を持ったケイコさん。

ケイコさんは和歌山県のご出身。お父様が経営されていたニット機械の会社でご主人のピーターさんと出会い、1988年に日本を出てトンガに5年ほどお住まいになり、93年にニュージーランドに移られました。現在のリーにいらしたのは95年だそうです。

ケイコさんは4人のお子さんのお母様でもいらっしゃいます。上の3人をトンガで、末っ子をニュージーランドで出産されました。

お子さんを通わせていた幼児教育施設の看板や壁画を描くようになり、子育てに追われながらも96年に、高校卒業後ご無沙汰になっていた絵を描き始めました。「名前を売るために」(ケイコさん)いろいろな展示会に出品するようになり、ケイコさんの地元を写実的に描写したケイコさんの絵画はニュージーランド人にも広く受け入れられ、注文が来るようになったそうです。

これが4枚描いた絵。”NZ Summer Omaha Beach”。
“Little Barrier from Leigh”。
プルメリア。
こちらもプルメリア。

「地元の風景がウケたのでずーっと風景ばかり描いていました。でも、飽きるからたまには花も描いたり、鳥を描いたり。金魚も描いてみました」とケイコさん。これまでの作品集を見せてくださいました。

絵の中の金魚たちは今にも動き出しそうです。

でも、作品集を見て「これと同じものを描いて」というお客さんがつぎつぎと現れて、同じ絵を4枚描いた時には、さすがに少し嫌になったそうです。

アトリエに立て掛けてあった絵。
“Nikau”。
“Koru #4”。
マオリの伝統的なフラックス編みのバスケット。
フルーツバスケットの絵とフラックス編みのバスケット。カラフルで気持ちまで明るくなりそうです。

「最初はね、自分みたいな人が絵を描いていいんだろうかって思ったの。大学で絵を勉強したわけでもなく、高校しか出ていない私が?って。理論も何も知らないから」。

大変なのは勝手に安くしたりできないことだそうです。「相場を守らないと、同じ絵を買った人が『私のはあなたのより高かったヮ』とケンカになりますからね」。

ロドニー地区のアーティストのパンフレット。
“Save the Children”のカード。4児の母親らしい活動。

最近は絵よりもテニスにお忙しいケイコさん。私の夫が毎回ケイコさんに負けてくるので相当お強いのだろうと思っていたとおり、先シーズンは混合ダブルスのトップで、こちらの広報誌にお写真も載っていました。これからもスポーツに芸術にと活躍されることと思います。