マッキー&マッハのトラベルトリッパー クイーンズランド州ケアンズ編 - 6 - 世界最古の森でタイムトリップ! 世界遺産、デインツリー国立公園&モスマン渓谷へ。

(2010.08.10)

ポートダグラスから北へ向かうと、10kmほどでモスマンへ着きました。町から内陸に入ったモスマン渓谷は、熱帯雨林を観察するのに最高の場所。「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」として、世界遺産に登録されています。1億3,000万年前の原始時代の古代植物がほとんどそのままの姿で生きていると言われている森には、どんな見た事のない植物が生きているんでしょうか? そもそも熱帯雨林って何? 沖縄とか屋久島は? 実は日本国の南方は亜熱帯と呼ばれる地域。じゃあ熱帯雨林ってなに? 簡単に言うと、良く雨が降って高い木が沢山生えていてなかなか地表に光が届かない場所の事。

そんなデインツリー国立公園では、吊り橋のところまでは簡単な遊歩道が整備されていて2.4kmのウォーキングトレイルが続きます。この遊歩道に敷いてあるタイルはちゃんとエコの事も考えて牛乳のプラスチックパックなどをリサイクルして造られたもの。これを作るにはすごく沢山のプラスチック容器が必要なんですが、それだけのものを現代の人は消費しているんですね…… 。通りかかる人とさわやかな挨拶を交わしつつ森の中を散策。吊り橋から先、森をぐるっと1周すると約1時間の道のり。さらに険しくなり薄暗くなって行きます。私は吊り橋が怖く……行けませんでした。

遊歩道から入るとすぐに展望台があり、そこは既にモスマン渓谷。この深~い緑色、決して写真を加工している訳ではありまいせん! 本当にこんなにキレイな緑色なんです。

いざ出発! 階段降りて10歩。とにかく木が高い。直角に見上げてしまいます。
木々の間から空は見えるのに地表のはかすかな光しか届かない……
歩くとすぐに木々が開き川にでる。これがモスマンリバー。水が奇麗。
なにがどうなればこんなに緑になるんでしょうか?
こちらも何がどうなったのか? からまりからまり、倒れそうで倒れない。
対岸は植物の壁。一切森の中が見えない……

 

緑の清流を横目に森の中を歩くこと5分。名前を聞いていて気になっていた木「締め殺しのイチジク」
小鳥などが食べたイチジクの種が木の枝などに付着し、そこで芽を出してイチジクは親木に根を伸ばしからませ成長し、やがて親木を絞め殺していきます。この写真の木は樹齢300年ほど。昔、ググヤランジ族はペーパーバーグ(樹木の皮)に遺体を包んで「締め殺しのイチジク」の空洞に入れていました。そういった事からも、木には魂が宿り神聖なものとされています。キャプテン・クックが到着した時に、木の中に白骨化した遺体があり驚愕したという逸話もあります。

熱帯雨林特有の涼しさと透き通った水が心地よい、モスマン渓谷。手でつかめそうなくらい魚がたくさん泳いでいるのが見えました。こんな熱帯雨林ですが、地元の人々には憩いの場のようで観光客に混じって子供が水遊び。とっても可愛い姉妹がいたのでついついパシャリ! その他にも岩に寝そべって本を読む人発見。みんなここが世界遺産なんて歯牙にもかけす森林浴をしながらのんびりと、自分の時間を過ごせる最高の癒しスポットなんです。

木に場所を借りて大きくなる着生植物。寄生植物と良く似ていますが、くっついている木から栄養を吸収している訳ではないので、それとは全く違う物です。オーストラリアの熱帯雨林の着生植物はシダ類やラン類が多く、写真はバスケットファーンという代表的なシダ類の着生植物です。種子が小さいので、風に吹かれて樹木に着生します。日当りの良いところに着生すると、光合成が良くでき大きく育ちます。森の中でも、日照権争い勃発?!

この熱帯雨林が原始的な姿を留めているのは、幾度の氷河期を乗り越え、気候変化による雨林の縮小や拡大、選択伐採から免れなお生き続けたからです。そして、氷河に覆われた北半球から植物や動物(アボリジニもその一つ)が南半球に移動し、この森を避難場所としたそうです。そのアボリジニーのポリシーは、「自然は自然のまま手を加えない」だから、こんなに太古の植物が昔のまま残っていて、他では味わえない壮大な自然の力を感じる事が出来るのでしょう。ここに居ると、自然の声が聞こえてくるようです。自分たちが生きている何億倍もの年月を経ている植物たちに触れ、私たちの魂が喜んでいるようにも思えました。森に感謝する事で、森からパワーを頂いた気がしました。現在では湿潤熱帯世界遺産地域(WTWHA)の中で完全に保護されているので、多種多様に富んだ豊かな森が残っているんです。

最後に、森を降りて行く途中にぽつんとある小さなお土産やさん。ここには、アボリジニーに伝わる神話の絵本やアートグッズなどが売っていました。
お手頃に買えそうなラッキービーン(12$)はオススメです。持っていると幸せになれると言い伝えられているものだから、一つは持っていたいですね。帰り道はなかなかトイレがないので、ここで借りるのが得策かも! ! 

クイーンズランド州政府観光局
http://www.queensland.jp/

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