from 広島 – 7 - 牡蠣のシーズン! 宮島かき祭りへ! でも……。

(2010.03.05)

お好み焼きやもみじ饅頭と並んで広島名物といえば、そう牡蠣です!穏やかな瀬戸内海で育つ広島の牡蠣は全国でも人気が高く、この時期ではあちこちで「牡蠣まつり」が開催されています。広島県のホームページにも「広島かき祭りカレンダー」というものが掲載されるほどで、1月末から3月にかけて毎週スケジュールがびっしり!内容は焼き牡蠣の試食ができたり、牡蠣の即売会があったりと大体似ていますが、今回はその中でももっとも人気の高そうな、第26回宮島かき祭りに行ってきました。

広島市内の中心部から路面電車に乗っておよそ30分、宮島口に到着するとそこからフェリーにのって宮島へ。(この宮島航路はJR西日本宮島フェリーが運営していて、青春18きっぷで乗船可能な唯一の航路です)もうすでにフェリーは満員状態、これがほぼ10分おきぐらいに往復するのですから、どれだけ多くの人で賑わっているのか宮島に着く前から想像がつきます。意外と、広島に住んでると宮島にはあまり行かないもので、たま~に来ると「ああ、宮島ってすごく有名な観光地なんだな~」と、観光客に混じって今更ながらに実感してしまいます。
 

乗船時間はものの10分足らずで、海中に浮かぶ厳島神社の大鳥居に接近する見せ場を作りながら宮島に到着。桟橋を出てみると、やっぱり人、人、人……。「焼かき最後尾」「かき雑炊はコチラ」などといったプラカードを持ったスタッフらしき人があちこちにいて、そのどれもが長蛇の列となっていました。
 

せっかく来たんだしとりあえず並ぼうかな、とは思ったものの、牡蠣ひとつ食べるのに小一時間も並ぶのがなんとも不憫に思えて断念、匂いだけ堪能して会場を後にしました。牡蠣も旨いけど、宮島といえば穴子飯も有名です! 全国駅弁大会なんかでも「うえの・あなごめし弁当」はいつも人気の銘柄。急遽、目的は「牡蠣まつり」から「あなごめし」へ変更に!

そんなわけで久しぶりの宮島をブラブラ歩きながら、途中焼きたてのもみじ饅頭もつまみながら、目にとまったのが「ふじたや」。通りから少し外れたところにひっそりと佇む一軒家で、「あなごめし」と書かれた渋い看板がかかる、いかにも老舗な風合いのお店(創業はなんと明治35年!)。外から中の様子があまりうかがえないところがまた、好奇心をくすぐります。

食いしん坊の第六感が働き、これは間違いないと思い入店。「あなごめし2,300円」の表記に一瞬たじろぎましたが、周りのお客さんの嬉しそうに食べている様子を見ていると、妙に納得。調理場から漂ってくる香ばしい匂いに目を細めているうちに、出来立てのあなごめしがドンと運ばれてきました。

蓋を取った瞬間にモワッと広がる香ばしいタレの匂い。細かく刻まれた穴子は血色もよく艶やか。さっそく箸でつまんで一口食べてみると、上品でふっくらとした絶妙の食感を残しつつ、穴子の旨みがじわじわと、地を這うように広がります。

うまい!!

間髪入れずご飯もかきこみます。あなごめし弁当のようなモチモチ感ではなく、しっかりと粒のたった白米は、かきこむ喜びを感じられる軽快なおいしさ。タレも決してくどくなく、穏やかで、後を引くような優しい旨みがほんのりと……。無我夢中でドンブリを空っぽにしてしまいました。

ちなみにお吸い物には牡蠣が入っており、一応宮島で牡蠣も食べられました(笑)。
広島観光の定番スポット宮島にお越しの際は、ぜひあなごめしも堪能してください!

 

ふじたや

住所:広島県廿日市市宮島町125-2
Tel:0829-44-0151
営業:11:00~17:00 不定休