from ミラノ(近正・ササキ) – 4 - イースターのお菓子。

(2010.03.23)

日本ほどではありませんが、イタリアにも祝祭日があります。
多くはカトリックのお祭りです。その中で、日本でもよく知られるイースター。
イタリアでは“パスクア”と呼ばれております。

「3月21日の春分の日以降の最初の満月の次の日曜日」
ということで今年のパスクアは4月4日。

季節や宗教に基づく祭日なので特別なお料理もあるのですが、
お料理より何よりこの時期目がはなせないのが“ドルチェ”。
一カ月も前から、どこのお店もパスクア用のお菓子が山と積まれだします。
そんな光景を見て、そろそろ春なんだね〜となるわけです。

まずは何を置いてもまずこれ!
コロンバです。

鳩が羽ばたく姿が十字架に似ていて平和の象徴だとか、
宗教画の世界では精霊を意味するものなどの理由から鳩をかたどったケーキです。
クリスマスに食べるパネットーネとほぼ同じですが、
この形を見ると季節を感じてしまうわけです。
最近はいろいろな味が出ていますが、
基本はドライフルーツが入ったバージョン。
見た目じみですが、切り分けたケーキは軽くフライパンであたためて、
マスカルポーネと生クリームを半々に混ぜたものをつけて食べると
かなりリッチなドルチェに変身!

ただし、これでお腹がいっぱいになってはだめ。
パスクアのお菓子はまだまだ続きます。

日本だとイースターエッグをよく見かけますが、
コチラではゆで卵ではなくチョコレートの卵が一般的。

中が空洞になっていて“ソルプレーザ”と言って何かしらプレゼントが入っています。
小さいものから大きなものまで、お値段も中のプレゼントによって様々です。
中に入っているおまけはほんの気持ち程度のものですが、
開ける時のドキドキ感と、みんなでぱりぱり割りながら食べるのが
何とも楽しいドルチェ。

で、そんな卵を生んだと言われているウサギ。
いやいや、ウサギは卵は生まないだろ!と突っ込みたくなりますが、
この話は、あるかわいい逸話から生まれたそうです。
隠されたイースターエッグを、
必死に探していた子供たちの目の前にウサギが飛び出し、
その後に卵があったのだとか。
子供はウサギが卵を産んだと大喜び!
もともと多産のシンボルだったウサギが、
イースターの主役に大抜擢です。
そんなウサギをかたどったチョコレートは様々なメーカーから出てますが、
やっぱりここはリンツにおまかせ。

ここだけの話ですが、リンツはスイスのメーカーですが
イタリアにある工場のものが一番おいしんだとか。
わざわざイタリアの工場まで買いに行く人もいるそうです。

ケーキ食べて、チョコをぱりぱりつまんでたら
どうやってもお腹にすき間はもうない!と言いたいところですが、
大切なドルチェがもう一つ。

イースターのシンボルとして忘れては行けないのが子羊。
キリスト教では,たびたび出てくる大切な動物です。
そんな子羊は、ぜひぜひシチリア名産のお菓子マルトラーナで。

アーモンドの粉を練って作ってあります。
フルッタ・ディ・マルトラーナと言えば、
フルーツを本物そっくりにかたどったお菓子として有名です。
その子羊バージョン。
一見ほんとうに食べられるの、、、と思われる方も多いでしょうが、
これが以外にいけるんです。
あんまりかわいいので切るのがちょっと抵抗ありますが、
かなり重いのでみんなで一口ずつどうぞ。

以上、どれもパスクアには外せないお菓子たち。
体重計が恐くて見られない季節です。