from モスクワ – 14 - 「地下活動」と「ストッキング」。

(2010.11.05)

ロシアで地下活動といえばKGBが思い浮かぶが、もうちょっと平和な地下活動もある。
(泣く子も黙るKGBは国家保安委員会のこと。アメリカで言うCIAで、今は解体されている)

モスクワ市内の大きな通りには横断歩道がない。
広い道路に更に横断歩道つけると交通渋滞が更に悪化するのも理由のひとつだろう。
参照「モスクワに『王道』あり。」
では、横断歩道の代わりに何があるかというと、「王道」ではなく、「地下道」である。

大きな道を横断するときには欠かせない。

日本の歩道橋のようなものもあるが、やっぱり地下道が多い気がする。
冬場でも寒くないのも理由のひとつかもしれない。
歩道橋があったとしてもちゃんと丸ごと囲いがしてあり、
吹雪から身を守れるようになっているケースがほとんどである。

さてこの地下道には2種類の地下道がある。

・薄暗い寂しい地下道
・少し賑やかな地下道

冒頭の写真は薄暗い寂しいタイプの地下道だが、少し賑やかな地下道も結構ある。

ショーウィンドーが並ぶ少し賑やかな地下道。なぜかお店は片面のみ。

特に地下鉄の駅の出入り口辺りの地下道はこのパターンが多い。

ショーウィンドーが並ぶこのタイプの地下道はたくさんあるが、
どこの地下道も表向き同じような印象を受ける。
お店の造りがどこも同じような構造になっているからだろう。
ちなみに、こういった所のお店はひたすらガラスの中に所狭しと商品を並べるのが好きである。

パン屋さん。ロシア人曰く「こういうところのパンは衛生的に心配だから買わない方がいいよ」と言いながら自分はそのパンを買って行くのであった。
お菓子屋さん。とにかくロシア人はガラス窓にいっぱい並べるのが好き。

地下道のお店は色々と種類があり、パン屋さんや、お菓子屋さん、鍵屋さん、タバコ屋さん、
カバン屋さん、帽子屋さん、靴屋さん、本屋さん、神具屋さん(イコンなど)他多数。
こうやって書くと何でも揃っているショッピングセンターのようだが、
店員さんは一人しかおらず、客を呼ぼうという気もない、
時には中であくびしたり、何とものどかというかやる気が無いというか……。
とにかくロシア人はこういう所で儲けたい!という気合は持ち合わせていないようである。
(地下のお店に限らない話だと思われる)

これは?? よく見ると女性用下着屋さん! 窓にびっしりと商品が!

いつもドキッとするのが女性用下着屋さん。
これは結構な確率でこの種の地下道で見かけることができる。
こんなところで買う勇気があるのがロシア女性の強さなのだろうか?
「勇気」という問題以前に「恥ずかしい」と思っていないんだろうなぁ。
とにかくロシア人女性はこういう地下道で下着やストッキングを普通に買っていく。

私が日本からロシアに来るときに、過去ロシア在住経験のある人に質問したことがある。
「ロシアにお土産何が喜ばれますか?」
「相手が女性だったら、日本製のストッキングがいいよ!」
「え! ス、ストッキングですか……???」
「そうそう、ロシア製のストッキングはすぐに破れるから日本製のものは喜ばれるよ」
アドバイスいただきながら、さすがにお土産には買う勇気がありませんでした……。

そういえば、アレルギーでロシアのお医者さんに診てもらった人が、お医者さんに開口一番
「ロシア製のストッキングをはいたでしょ?」
と言われたらしい。
ロシア人は自国製ストッキングの品質が悪いことは認識しているらしい……。

日本へのお土産に地下道でロシア製ストッキングだけは買わない方がよさそうである。

地下道への入口。変なレールがあり、ベビーカーなどが通るが、その割には急な坂である。一応バリアフリー……?