from 鳥取 – 64 - 晩秋の大山からやってきた、秋の梨の王さま。

(2010.11.26)

秋も深まってきた今日この頃。鳥取の特産品のひとつ、梨の収穫ももうすぐ終わり。この時期、鳥取の梨園では、晩秋梨の収穫が行われています。大山のふもとにある「大山梨選果場」にやってきた私は、ひときわ異彩を放つ梨と出会いました。

縦長で下膨れのぷっくりしたかたち。その大きさは片手で持つにはちとつらい。

さてさて、その正体は…?

この梨、名前を「王秋」と言います。

王秋は、2000年に品種登録された新品種。形が他の梨とはだいぶ違っていて、かなり特徴的。しかも、でかい!重さは500g前後と重量級で、大きなものでは1kgになるものも…。(落ちないか心配になってしまいますが、そのあたりは大丈夫みたいです。)

実は、2004年に日本テレビ「どっちの料理ショー」で特選素材として紹介されたことがあるそうです。ちなみに冷麺の回だったとか。番組を見たお客様から多数の問い合わせがあったにも関わらず、収穫量が少なく、あまり提供できなかったという悲しい過去が。それから6年あまり。今ではたくさん収穫できるようになりました。

さながら飴色の梨のアーチ。
大きいので食べごたえも抜群。

そして、何よりも注目すべきはその味。大振りな見た目からは想像できないほど、肉質柔らかできめ細やか。一口かじると、シャリ感とともに果汁がブワっとやってきます。そこからなんとも言えない甘味が口いっぱいに広がって…。食べ終わった後の幸福感がたまりません。

収穫したてはサッパリした甘さ、飴色となり熟すとともに、甘さがどんどん増していきます。長期保存に適しているので、味わいの変化を楽しむのも○。なんと、一玉で2度も楽しめる味わい深さ。

保護キャップを付けた王秋は、さながらマンゴーのよう。
糖度測定中。甘さはどうかな…?

さて、今年の出来ですが、大きさは少し小振り(といっても、十分大きいです。)ですが、甘さは例年になく抜群。糖度12.5度以上でギフト用となるのですが、なんと楽々14度を超えるものまであるそうです。

国道9号線をひた走り、この看板が見えてきたら選果場はすぐ近く。

「大山梨選果場」は、王秋の収穫量が鳥取県内第1位! 全国でも有数の王秋の生産地。前述の番組に出演した営業部長の米澤さんは王秋の第一人者といっても過言ではありません。現在、生産農家約30軒、選果作業は50名ほどで生産者が直接、選果作業まで行います。大山の裾野の土は「黒ぼく」と呼ばれる真っ黒な土で、ここで育った農作物は肉質がとても柔らか。王秋ももちろんです。

一度食べるとリピートしちゃいたくなる美味しさ。今年の冬は、こたつで「王秋」なんていかがですか??

大山梨選果場
鳥取いいもの広場でも受付中です。

筆者プロフィール

岡本 浩美(おかもと・ひろみ)

社団法人鳥取県物産協会インターネット・カタログ販売担当。
2010年4月より、鳥取県産品をPRするためのネットショップ「鳥取いいもの広場」の運営に携わる。鳥取にはいいものはもちろん、いい人がいっぱいだな〜、と思う今日この頃。最近は特にお酒について勉強中。