Hanako TRAVEL 特別編 癒しの青森へ - 2 - 美食と大自然と温泉と歴史ロマン。
奥入瀬渓流ホテル、酸ヶ湯温泉etc.

(2012.08.01)

Hanakoの旅担当・編集Kが今回目をつけたのは青森。
山海の幸に加えて、秘湯の温泉、新緑の大自然を満喫する、
八戸から奥入瀬、青森と辿った1泊2日の旅は、
まさに青森でしか出合えない宝物でいっぱいでした!

リゾートホテルで温泉&美酒&美食に感動!

すっかり青森のパワーに圧倒されて着いたのは、本日の宿『奥入瀬渓流ホテル』。今や日本のリゾートの旗手ともいえる、星のや系列のおしゃれな宿です。ロビーには、あの岡本太郎の遺作という巨大なオブジェが。青森の美食三昧の前に、やはり日本人はお風呂でしょ。

ホテルの送迎バスで5分ほどの「八重九重の湯」へ。ホテル宿泊社専用なので、ゆっくりと渓流沿いの景色を堪能できます。混浴だけど、男女とも専用の浴衣を貸してくれるので、女子でも安心です。

晩ごはんは青森の山海の幸を堪能。絶品の刺身にブランド牛もさることながら、ここに来なければ味わえないのが「キンキンの煮付け」。いわゆるキンキと仲間みたいですが、青森ではあくまでも「キンキン」です。

この煮つけが絶品! 脂が乗っているのにしつこくない、一口ごとにため息が出るような美味しさに、頭の肉までホジホジしてしまいます。
青森の美味しい地酒を口に放り込むと、魚の旨味がフワーっと。あまりの幸せさに魚をパクパク、地酒をグイグイ。青森サイコーです!

天気も回復した翌朝は渓流沿いのレストランで朝食。こちらの名物は別料金で頼める「チーズフォンデュ」。おいしい野菜にぴったりのチーズ&白ワインに、朝からグラスワインをいただいてしまいました。

『奥入瀬渓流ホテル』 青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231 Tel.0176-74-2121


左・これが絶品!キンキンの煮付け。
右・朝食は渓流沿いのレストランで!


左・「八重九重の湯」はカップルでもゆっくり入れます。
右・朝からチーズフォンデュ!? これってアリです!

「百色の緑がある!」奥入瀬渓流の水源、十和田湖へGo!

この日は新緑の美しい十和田湖へ。

岡本太郎さんは奥入瀬を訪れて「ここには百色の緑がある」と言ったほど美しい渓流沿いを散策する観光客をシリ目に、一気にバスで十和田神社へ。十和田神社は平安時代初期の西暦807年に征夷大将軍の坂上田村麿が東夷征討に際して武運長久を祈願するため大和武尊を祭ったことが始まりとされる古刹。

裏手の湖畔に「占い場」という場所があり、人形の紙に願いを書いて湖面に流し入れ、その紙が沈み溶ければ願いが叶うと言われています。しかしそこはきゅうな鉄梯子を下って行かなければならないため、今は神社側からの道は閉鎖。遊覧船で湖側から祈願できます。

十和田湖に来たら船に乗らねば! ということで十和田遊覧船へ。

この十和田湖には一つの歴史ロマンがあります。それは昭和18年9月17日に事故で墜落した旧日本陸軍の双発練習機が今も固定に沈んでいるという話。実際に水中撮影もされ明らかになった。引き上げ計画も進みそうだという。

大型フェリーのような遊覧船から見る十和田の自然は雄大で、船からでしか眺められまいエリアもいっぱい。
「秋にはこれが全部紅葉するんですよ!」

案内していただいた十和田湖観光汽船株式会社の松橋泰彰社長の言葉に、思わず晩秋の再訪を決意したのでした。


左・十和田神社 青森県十和田市奥瀬字十和田14
右・十和田湖遊覧船運行事務所 十和田市奥入瀬十和田湖畔休屋486 tel0176-75-2929

左・コメンに浮かぶ島々も個性的で美しい。
右・秋にはこの大自然がすべて紅葉に!
名湯・酸ヶ湯温泉の広さ、気持ちよさに感動!

東北といえば温泉、温泉といえば東北。旅の最後に選んだのは秘湯・酸ヶ湯温泉。実は今回の旅で一番楽しみにしていたのはこちらの「ヒバ千人風呂」。その広さはなんと畳160畳。混浴ですが、この広さだったら女性も気にならないかも。もちろん女性専用スペース(小さい)や別に女湯もあるのでご安心を。

おすすめは2つある風呂の手前の「熱湯 四分六分」。熱湯といっても決して熱くなく、かえってぬるく感じるくらいなのに、あとで温まる。そのお湯のパワーは実際に入ってみないとわかりません! 肌にまといつくようなねっとりとした乳白色のお湯が、心地よいことこの上なし。こんなに温泉が気持ちいいと思ったのは初めての経験でした。

湯から上がって名物の「酸ヶ湯 厳選卵そば」(670円)と「しょうがみそおでん」(400円)で遅い昼食を。

そばは十割そばなのに、そばの殻を入れないから色が白いとか。八甲田の名水で打って、一晩寝かせて熟成させてからさっと茹で、源泉で茹で上げた温泉卵を落とす。まさにアルデンテのそばは香り高く、食べる蕎麦からポキポキ折れるような独特の食感が楽しい一品。

おでんの方は味噌にしょうがを入れて体を温める、北国ならではの智恵の産物。生姜の風味が食欲をそそります。


左・酸ヶ湯温泉 青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
右・天井近くから落ちてくる打たせ湯。

歴史を感じさせる入浴方法の説明看板。
最後の締めは、もちろん名吟・田酒。
しめて1530円! 会社帰りにこんな店があったら毎晩立ち寄る

東京への帰途は新青森駅から。ちょっとの待ち時間で訪ねたのは構内のお寿司屋さん。締めの一杯はもちろん銘酒・田酒。なみなみと注いだグラスで600円(安っ!)。岩牡蠣380円、殻付き雲丹450円の激安価格で青森を堪能する旅の締めくくりです。

歴史、文化、美食、温泉、自然、そして何よりも人の暖かさ……今回出合えた青森の豊かさは、まだまだほんの一部。

「また来るぞ!」

新幹線の席で余韻に浸る私のジーンズから、あの酸ヶ湯温泉の残り香が立ち上っていました。