LOOK JTB×マガジンハウス magazineworld『心ゆく旅・イタリアハイライト12日間』スペシャルサイトより その18 ~ ローマのガイド マルタ騎士団団長の館の鍵穴 〜

(2010.04.07)

ローマ7つの丘のひとつ「アヴェンティーノの丘」には粋な観光スポットがあります。それがマルタ騎士団団長の館の鍵穴です。

まずマルタ騎士団とは、12世紀、第一回十字軍遠征の際に聖地巡礼者の保護目的でエルサレムで設立された騎士修道会です。国連や我が国日本をはじめ多くの国には正式な国家として承認されていませんが、国連にはオブサーバーとして参加しています。高級ブランド店が軒を連ねるコンドッティ通りに騎士団本部があり、このアヴェンティーノの丘には団長の館があります。イタリア政府はこの騎士団の敷地に治外法権を認めていますので敷地内に入るには許可が必要となります。しかし、バチカン市国とは違い独立国家として認められてはいませんので、あくまでもイタリア領の一部となるそうです。ちょっと複雑ですね。

さて、マルタ騎士団広場に辿り着きますと機関銃を持つ軍服姿の兵士が立っています。彼らが24時間態勢で警備しているのが団長の館。館の入口の扉にこの鍵穴があります。あ、鍵穴を覗き込んでも撃たれる心配はありませんのでご安心を!

私がローマに住み始めた頃イタリア人の友人にヴェスパで連れられこの鍵穴を覗きに来ました。当時は観光客も誰もいなかったのを覚えています。それ以降日本からいらっしゃる方々に「秘密の観光スポット」として案内してきました。今でこそ知名度は多少上がりましたがそれでもまだ知らないローマっ子・観光客もも多く、それほど混合うことはないので長蛇の列が出来ることなくすんなりと覗けます。今後真実の口やコロッセオなどの有名観光地のような待ち時間が生まれないことを願うばかりです。

そしていよいよ鍵穴を覗き込んでみましょう……。

さてこの鍵穴から見えるものとは……扉の奥にあるものばがり気にしていましたが、この鍵穴も素敵なデザインですね。はげたペンキすら絵になります。
みな興味津々。覗きます……みなが目にしたものとは??
子供もだっこされて覗きます……見えたかな?

そこにはなんとサンピエトロ大聖堂のクーポラが! ルネッサンスの三大巨匠・ミケランジェロが設計し、その完成を見ることなくこの世を去った彼のクーポラが私たちの目の前に。ローマっ子には「クポローネ」の名で親しまれている白亜のドームが手入れの行き届いた植木のアーチにすっぽりと囲まれています。まるで絵に描いたような世界。果たして偶然の産物なのか? 計算し尽くされた設計なのか?皆さんはどう思われますか??

 

アヴェンティーノの丘、マルタ騎士団広場
地下鉄B線 チルコマッシモまたはピラミデから徒歩約15分

 

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