from 広島 – 8 - 第1回「呉とびしまハーフマラソン」を走ってきました!

(2010.04.15)

まるで湖のように静かな海面をたたえ、温かな日差しを受けてキラキラと輝く瀬戸内海を眼下に眺めながら、ただひたすらゴールを目指して走った21.1km。記念すべき第1回の「呉とびしまハーフマラソン」は、自分にとっても初マラソンとなる、一生忘れられない大会となりました。

平成20年11月18日(火)、新しく開通した豊島大橋

「20kmなんて走れるわけないじゃないか……」。

つい2ヵ月前まではそんなふうに思っていたのですが、もともと負けず嫌いな性格もあって少しずつ練習するうちに、なんとか10kmくらいはいつでも走れるようになりました。それでも15kmを越えると途端に膝や太ももが痛み出し、息も絶え絶え。レース直前はあらゆるスポーツ飲料や湿布剤を買い込み、とにかく体調を万全にしてレース前日を迎えます。

もちろんお酒を飲まずに早く寝ようとしたのですが、「いやまてよ、いつも通りの生活リズムの方がいいんじゃないか」と思い直し(口実をつけて・笑)、ワインをボトル一本近く飲んですっかりリラックスしたままベッドへ。まだ暗い午前5時半に家を出発し、友人たちと乗り合わせて呉方面へと向かいました。身体も軽いし、なんとか行けそうな雰囲気!

会場に到着し、着替えを済ませ、アップをしているうちにいよいよ胸の鼓動も高まってきました。周りの人を見渡すと、みんなバリバリのアスリートのような気がして、なんだか申し訳ないような気持ちにもなってしまいますが、友人たちから様々なアドバイスを受けるにつれ、少しずつ、不安から楽しみへと変わってきたのも確かです。「実際には一人で走るんだけど、気持ち的には一人じゃない、仲間と走ってるんだ。」そんな意識を持つと、とたんに気が楽になりました。

開会式を迎え、スタート地点に移動し、さああと3分!という段になると、もうニヤニヤ笑うしかありません。海からは強い風が当たってきており少し肌寒さもありましたが、キラキラと輝く穏やかな海面の、鮮やかなブルーはいまでも脳裏にハッキリと焼き付いています。「僕はできる!かならず。」ひたすらプラス思考で、ゴール後の喜びに満ちた笑顔を想像しながら、スタート!の号砲とともに右足から第一歩を踏み出しました。

橋のたもとにある、地元特産品の市場。

焦らず、自分のペースで、呼吸を整えながらしっかりとリズムを刻み、3km、5km地点を通過。ここから上り坂に入ってトンネルを抜けると、今回のコースの目玉でもある豊島大橋が見えてきます。
橋にかかった途端に、強い横風がビュービューと。ほんと、身体が飛ばされるんじゃないか、というくらいの強い風で、高所恐怖症な僕は走っている疲れよりも、恐怖感でいっぱい。

アップダウンを繰り返しながら、なんとか島の端にある折り返し地点まで到着。沿道では地元のおじちゃんやおばちゃんが温かい声をかけてくれて、これがほんとに励みになりました。ちょっとウルッとくるくらいに・・。

そこからまたスタート地点へと向かうのですが、豊島大橋を渡るころはちょうど17km地点、残りはわずか4km。心に余裕ができたのか、ゆったりとした瀬戸内海に浮かぶ島々が、ほんとに穏やかに、可愛らしく見えてしまうから不思議なものです。
 

空と海と雲のコントラストがとってもきれい。

 
最後は全力を出し切ろうと思い、風にも乗ってラストスパートを。ちょっと感傷的かもしれませんが、自分の力を出し切るという場を与えてくれた、たくさんの方々に感謝しながら、今この瞬間の躍動を楽しむように、溌剌と。颯爽と。ただひたすら前を向いて。

2時間7分34秒。ゴールした瞬間、とても立っていられないような状態でしたが、それは疲労から来るものだけでなく、自分では背負いきれないような、大きな達成感を得られたからかもしれません。

瀬戸内海の出汁が効いた、温かい潮汁をいただきながら。青空に向かって大きな大きな深呼吸をひとつしました。