from 北京 – 2 - デザイン百花繚乱の北京的飯店信息(北京ホテル事情)。

(2008.10.22)

北京は、今月頭にはすっかり秋、もう冬の足音が・・・という感じだったのですが、ここのところ持ち直して穏やかな秋の季節を楽しめています。しかしそれもあと少し。11月からは寒い寒い冬がやってきます。

さて、初回のオリンピックに関する記事でも、ホテルの話がちょっぴり出てきましたが、今回は近年乱立する北京のホテル事情について書いてみたいと思います。オリンピックの需要を当て込んで、私が知りうる範囲(五ツ星クラス)でも10軒くらいのホテルが、今年新規オープン、リニューアルを行なっていたように思います。ホテル建つこと雨後のタケノコの如し、ニョキニョキと建ってゆきました。

例えばRitz-Carltonだけでも、北京には天安門を挟んで東と西に2つ。Westinも東西二つ。Grand Hyattはもちろんのこと、Park Hyattも先日開業しました。その他にもHiltonは東に二つ、Sofitelも・・・なんて挙げだしたらキリがないですね。

しかし、こういったいわゆる「大御所」だけでなく、最近増えているのがデザインホテルです。

 

そんな中から、いくつかをご紹介。まずは、6月にオープンしたHotel G。Hollywoodで人気のハンバーガーレストラン『25 Degrees』がホテル内にオープンして話題になりました。場所もサッカーのオリンピック会場などにもなった工人体育場のすぐ脇で、バーストリートの三里屯にも近い、欧米人エリアです。肝心のホテルはというとエクステリアからインテリアまで、雰囲気はファッションで言い換えればモード系というか、かなりエッジの効いた感じです。

ロビーではアート作品がお出迎え。ワタシはロビー階にある『25 Degrees』に早速お邪魔して、名物のハンバーガーを頂いてきました。そのお味は……、これ個人的大ヒット。北京に来てからというもの、レストランやホテルなど、いろいろなところでハンバーガーを食べてますが、確実にNo.1です。ってか、今まで食べた中でベストかも。

野菜もレタスだけではなくルッコラが入っていて、肉厚なベーコン、さらにチーズはブリーを軽く炙ったものが乗っかってました。肝心のパティは、つなぎが抑えられているのか、かなり柔らかく、ジューシィ。うーん、また食べたいカモ。お値段もセットで170元(約2,500円)と良い値段を取りよるのですが。。。

 

そして、もうひとつのご紹介は、8月に三里屯のど真ん中にオープンした、隈研吾氏のデザインによるthe opposite house

隈研吾氏は、北京で他にも、吉永小百合が出演したAQUOSのCMで有名になった、Commune by The Great Wall の1棟「竹屋(Bamboo Wall)」も手掛けており、人気があります。今回のプロジェクトでは、ホテルが位置する三里屯一帯の商業地区再開発のMaster Designを手掛けていました。海外に住んでいると、こうやって日本人が現地で大きなプロジェクトを手掛けている事が、なんだか誇らしく思えます。

ゲストの空港送迎用だというマセラティ(!)を横目に、エントランスに近付くと、木製の大きなドアを開けてくれるのはカジュアルな制服のドアマン。中に足を踏み入れると、まず目にするのは中国趣味のアート作品、そして吹き抜け部分のスチールメッシュのカーテン。隈研吾氏がかなりこだわって作り上げたものだそうで、そのコンセプトはホテルの一階にあるCooktail Bar 『Mesh』にも表れています。

こちらは先ほどのHotel Gとは異なり、オーク材が多用された落ち着いた空間。自然光を重視しているようで、夜になるとホテル内は照明がほとんど落とされ、かなり暗いのですが、それがまたイイ感じなのです。

 

ワタシの好みでいえば、二つの中でいえば、断然the opposite houseが好み。木のぬくもりや自然光をあれだけ取り入れて、落ち着いた空間に仕上げているのはサスガです。個人的にもカフェにレストランにバーにと、かなり活用してます。ただ、観光で来る方にはHotel Gが良いかもしれません。昔ながらの街並に潜む、エッジの効いた北京というコントラストを楽しむには絶好じゃないですかね。今の北京を肌で感じられるかと。

そのほかにも、新規オープンというワケではないのですが、中国の伝統的な四号院をリノベーションしたホテルや、ローカルな胡同(小さな路地)のなかにひっそりと在るホテルなど、紹介したいものはいっぱいあるのですが、今回はここまで。ではでは、再見!!