from 北海道(道央) – 17 - 富良野観光の新しいタイプの拠点として。

(2009.12.14)

広域観光圏としての「富良野」。

富良野(ふらの)・美瑛(びえい)地域は、ラベンダー畑に代表される素晴らしい景観が拡がっていることから、国内外からの観光客の入り込みは、衰える気配を感じさせることはありません。

旭川市の旭山動物園への来場効果により、旭川と富良野とを中心に連携した広域的観光ルートが形成され、北海道の他地域にとってみても、その魅力を羨ましく感じずにはいられません。

 

国際的な評価を得ている「富良野スキー場」。

今年の富良野の山々は、例年と比べて降雪が遅れ気味と聞きました。とは言え、年末年始にはスキーやスノーボードのお客さまたちで賑わうはずです。

私、スポーツの中でも水泳とスキーが比較的得意種目なのです。スキーに関して言えば、ロープーウェーなどで一気に麓から山頂まで登り、途中休憩することなく一気に麓まで滑り降りるという、足腰の筋肉がガタガタと震えることになる滑り方が好きなのです。それを最低でも5セット繰り返せば、氷点下の気温の中でも汗だくになります。

当然のことながら、危険とも隣り合わせであり、万が一アイスバーンに足を取られるようなことがあれば、命の危険さえ伴います。なので、あくまで自己責任の下、他人を絶対に巻き添えにしないように周囲の状況を見ながらそのような滑り方を楽しめると最高なのです。

脱線しましたが、自分自身「富良野スキー場」は就職した直後からペンションに宿泊して利用することが多かったのです。今から20年以上前、既に雪質の良さについては世界的にも評判が高く、オーストラリアのスキー客の皆さんとペンションで同宿する機会も多かったのです。同宿したオーストラリアからのお客さまたちとは、「富良野の雪質が国際的に見ていかに優れているか」、「ヘリスキーの日本での可能性について」など、国際色豊かなスキー談義に花が咲いたことは懐かしい記憶の断面となっています。

ふらの観光協会

 

近藤康夫さんプロデュースの「ナチュラックス・ホテル」。

そうした潜在的な観光資源に加えて、富良野にとっては今までに存在しなかった、新しいコンセプトの「ホテル」が注目を集めています。

その名も「ナチュラックス・ホテル FURANO NATULUX HOTEL」。

専務取締役の石平清美(いしひら・きよみ)さん。1928(昭和3)年に富良野駅前に旅館として創業し、石平さんはその4代目に当たるとお聞きしました。

ナチュラックス・ホテルは、2007(平成19)年に「これまでの3代続いた伝統を守りつつ、現代のお客さまのニーズにお応えする」ホテルを目指し、プロデュースとデザインを近藤康夫さんにお願いしたそうです。

視覚、聴覚、嗅覚、触感、味覚の「五感で感じるホテル」ということが、そのコンセプトというわけです。

近藤康夫さんは、ご承知のとおり1989(平成元)年に「国際インテリアデザイン賞」を、また同年に「アメリカ建築家協会デザイン賞」を受賞するなど、世界的に著名なデザイナーで、国内のあちらこちらに近藤さんの作品を見かけることができます。

近藤康夫デザイン事務所

JR富良野駅から徒歩1分。富良野の街中にはこれまでなかったデザインでありながら、観光客に安心感を与える「ナチュラックス・ホテル」の玄関。
フロント横にはクリスマス・ツリーが飾られていました。
事前予約をしておけば、シングルルームを2つつなげて利用することができます。それぞれの部屋のトイレ・バスを含めて独立して利用できることから、親しい友人と利用するにはお洒落かも知れません。

「質の高いホスピタリティ」を提供。

石平さんは、富良野観光に関してしっかりとした御意見やお考えをお持ちであり、今後の富良野観光のあり方や、さらなる地域間交流への発展に向けた動きについて、意見交換をさせていただきました。

そうした中、ご自身のホテルに対する思いとして、「自然体でありながら、質の高いホスピタリティ」を提供することができればとお考えと伺いました。

ホテル自体の居心地のよさはもちろん、ホテルのレストランで提供する食事もレベルが高く、上川(かみかわ)地方のその時期の食材をふんだんに利用し、またワインは地元「ふらのワイン」のみ(可能な限り多くの種類)を提供するという、工夫もされています。

部屋にはさりげなくアクセントが。
ディナーコースのスタート。彩り道産野菜の蒸篭(せいろ)蒸し。2種類のタレが用意されていて、それぞれの野菜を好みで楽しむことができます。何せ野菜は新鮮です!!
富良野紫いもの温スープ。地元の食材を上手に利用していて、とても美味しいスープに仕上がっていました。
「ふらのワイン」の中でも、国内のワイン通の間で最も評判の高い「羆(ひぐま)の晩酌」。エチケットは、倉本聰(くらもと・そう)さんの娘さんである、イラストライターの倉本由美(くらもと・ゆみ)さんの作品。このエチケットもとても可愛らしく、エチケットを収集している方のみならず、評判です。
ディナーのメイン。北海道産牛ヒレ肉のグリルと温野菜。インターネット予約時に、肉の種類を選択することができます。食通の皆さんには、十分に満足していただける「牛ヒレ肉」です。
本日のデザート。ワインをがっつり飲む自分には、十分な量でした(笑)。
コーヒーを飲みながら、ロビーにて打ち合わせをすることもできます。
フロントの皆さん。写真左が専務取締役・石平清美(いしひら・きよみ)さん。
さらなる地域間交流の発展に向けて、石平専務取締役(写真左)とホテルロビーにて意見交換を行う筆者(写真右)。
朝食は、和食と洋食を選択することができます。牛乳は搾りたてで、とっても濃厚。
この日は「洋食」をいただく。野菜や果物がふんだんかつ新鮮。
パンも自家製パン2種類。「今日も頑張ろう!」というエネルギーを十分にいただけます。

今回も、自宅に戻るとご丁寧なお葉書が届いておりました。ありがとうございます。

「四季折々に異なった表情を楽しむことができる「富良野」。外観はもちろん、各部屋の入口や室内まで、心地よい空間である「ナチュラックス・ホテル」さん。富良野観光の新しいタイプの拠点として、皆さんのお越しをお待ちしております」。