from モスクワ – 4 - 雨ハ キニセズ。

(2010.08.03)
雨が降り出すと突如出現した「傘おばちゃん」! 写真を撮らせてくださいというと、照れて顔を隠した。

最近、夕方になると突然の夕立が毎日のように発生する。
どうもこれは毎年のことであり、今年が猛暑だから特別ということではないらしい。
南国にみられるスコールのように雨は突然降ってくる。

しかし、通りを見ていてもみんななぜか傘を差さない。
もちろん傘を差している人も見かけるが、10人に1人ぐらいの割合である。

大雨なのだが全然気にしないロシア人たち…。

「こんなことで慌てるなんて笑止千万!」と言わんばかり。
さすがロシア人、雨が降るなんて問題にするような出来事ではない。

私の個人的かつ勝手な分析によると理由は2つ。
1つ目:モスクワは内陸であり、もともと日本のように湿度が高くない。

「どうせ濡れてもすぐ乾くし、ちょっと涼しくなって丁度いい!」と思っている。
2つ目:熱帯地方のスコールと同じように、降る時間が短い。

「こんな短時間の雨のために、俺の歩みを止めるなんてありえない!」と思っている。

空は晴れているのに降っていることも。雨粒一滴一滴が雪のよう。

ということでモスクワの人の雨に対する意識は日本人の意識とは大きく異なる。

雨どいに関してもロシア人らしい意気込みが読み取れる。

雨は雨どいを通って降りてきても「そのまま」歩道に放出。
ちょっと歩道が遠いと「わざわざ」パイプライン開通である。

ほとんどの場合、雨水は歩道にそのまま流されてしまう。
もちろん「ロシア歩道」の立場としても、
雨が流れてくるなんてあまり考えられていない(ように見える)ので、
そのままなんとなく車道に流れていく。
雨水が車道に流れて行ったところで、「ロシア車道」の立場としても、
もちろんあまり考えていない(ように見える)ので側溝などあるわけもなく、
水は自然に身を任せどこかに流れるか、溜まっているという状況である。

自然を受け入れ、自然に抗わない、きっとそれがロシア人なのだろう。