from 香川 – 7 - 梅雨空にふんわり艶やか。香川県観音寺市 粟井神社のアジサイ。

(2010.07.06)

梅雨。優しい雨が降ったり、やんだりジメジメする季節、皆さんいかがお過ごしですか?
「アジサイの宮」と称される観音寺市粟井神社では、梅雨空下、ピンクや紫、うす青色と、色とりどりのアジサイが咲き誇り、花びら(がく)1つ1つが雨の滴に覆われ、艶やか。まるで宝石のように輝き、モンシロチョウがとまっているかのようでした。白い紫陽花!! 素敵な純白 ジュンブライドにふさわしい色です。手毬のような大きな大輪が恵みの雨でますます輝きを増し、疲れた心身、五臓も癒やされる雰囲気に魅了されました。 

 

地域主導型イベント『あじさい祭り』

別名「アジサイの宮」「アジサイ神社」として知られる粟井神社は、観音寺駅から東南へ5~6㎞ほど、藤目城跡のある藤目山の麓。岩鍋池の畔に鎮座しています。
今や3000株といわれるほどのアジサイが境内を埋め尽くす遊歩道の両側には、数十種類のアジサイの園で梅雨に彩りを添えています。

 
色彩も豊かで、花の種類により花びら(がく)は4枚~5枚ほど。形や大きさ等も違い、藍色、ピンク色、白色、淡いブルー色、青紫色、薄いグリーン色等、実に見応えがあります。また、濃い緑色の枝葉が、滴をのせた毬のような大輪の花をよりいっそう引き立たたせ、映えて見えます。

これほどのアジサイの種類は、今までに見たことが無いので圧巻でした!! 
粟井神社が、アジサイの宮と言われるほど有名になってきた背景には、地元住民の皆さんの結束力があるようです。

粟井あじさい祭り実行員会(粟井公民館内)によると、昭和62年から地元の氏子さんらが協力し合い、境内に、地域振興・地域活性化の新名所づくりとして植えだしたのがきっかけです。粟井神社が藤目山の麓かつ岩鍋池の畔ということからか、アジサイが育つ土壌に良く適しているとのことで、当初は数百株~500株くらいでしたが、次第に増えていき、今では3000株にも及ぶほど。5〜7月の間、いろんな種類のアジサイが咲き誇っています。

通年、アジサイの手入れは、粟井地区550世帯、うち実行委員会(130名)、粟井町、婦人会、体育協会などの人等により、年数回、境内内の草刈りや7月になると花つみが行われたりと、ボランティアの方達のマンパワーで、将来のアジサイ名所を見越した活動を行い続けています。真夏の水やりなどが大変だそうですが、官の梃入れはなく、地元住民の力で盛り上げる形、地域主導型で年数回のイベントが行なわれているそうです。

今年は6月12日、13日の2日間で第24回目となる『あじさい祭り』も開催され賑いをみせていました。
今後も、アジサイの新しい苗木も植えられており、ますます増えつづけ、私達の心を和ませてくれそうです。

 

アジサイにはこんなに種類がいっぱい! 

数多くあるアジサイの種類の中から少しだけご紹介します。



ガクアジサイ、ブルースカイ、セイヨウアジサイ、ベンガク、大山淡ブルー、ヤマアジサイ、エゾアジサイなどなど多種多様。

 

アジサイの「七変化」の謎やいかに?

「アジサイ」の語源について、『牧野新日本植物図鑑』(北隆館刊)は次のように説明しています。

※「あじ」は「あつ」で集まること、「さい」は、さの真「さ」の藍の約されたもので、青い花がかたまって咲いた様子から名付けられたものだとされています。アジサイのサイの語源に関しては、「真っ青」ということばがあることから、上記の説明で了解される。しかし、前半の「アツ=集」については了解しかねる。 本説の主張するところは、「アジ=アヂ=アヅ=アツ=集」ということであろう。

なぜ、アジサイの花色は「七変化」といわれるほど変化するのでしょうか。
複数のアジサイの参考文献によると、アジサイの色素は、花に含まれるいずれも同じ種類のアントシアニンから構成されていますが、あと2つ、アジサイの中で合成される補助色素と、外界から吸収するアルミニウムの分量で発色が多様化するとのことです。

土壌中のアルミニウムを良く吸収できる状態の場合は花の色は青色、あまり吸収できない状況のときは赤色、その中間の場合には紫色になるということみたいです。

微妙な色合いが出来るのは、こういった理由なんですね。

また、アジサイの色が日数とともに変化するのは、花の中の葉緑素の変化や、酸性の度合いの変化による、いわゆる老化による状況変化だそうです。人間と同じに、色調が体質によって変化してくるわけですね~。

 

粟井神社のアジサイが広まって、感激です!

今から10年ほど前、さぬき市の造田小学校の授業の一環として、観音寺の粟井神社から苗を譲り受け、鴨部川の堤防上で挿し木にして、小学校生徒や近所の方々が大切に育てて、今や、遠目にも鮮やかな色彩で道行く人の目を楽しませてくれます。

こんなところにも、粟井神社のアジサイが広まっているのが感激です。

アジサイは、花色が変貌する花、雨の滴でますます輝きを色濃く増し、人を魅了させる花ですね~。世界に誇れる日本の花のひとつだと思います。

夏への扉を開けるその日まで、私達の心を癒やしてくれそうですね。
次回は、夏を感じさせられる話題を提供していきたいと思います。お楽しみに!!