from 北海道(道央) – 4 - 小樽の、期待の若手「創作和食」職人。

(2009.08.20)

「馴染みのお店」のトップを切って。

今後、機会を見つけて、道央地域にある自分の「馴染みのお店」を少しだけ紹介させていただきたいと思います。まずは、魁に打って出るのは、札幌市内で和食の修行を重ねてきた大澤保(おおさわ・たもつ)&裕美(ゆみ)さんが大将と女将を努めるお店『創彩酒家 酔心(すいしん)』さん。開店してから、今年の12月で3年を迎えるという、小樽で店を構えるには短い経歴でありながら、既に常連客でいつお邪魔しても満席ということが多いことから、その腕前の凄さには驚かされる「創作和食」のお店なのです。

「創彩酒家 酔心」さん
青森県産「シャモロック」のグリルバジルソルト
サロマ湖産牡蠣入り厚焼き卵
酔心定番の絶品「きんぴらつくね」

 
日本全国の新鮮な魚が集まってくる!

「創作和食」と言っても、基本はやはり「新鮮な魚」。保・大将の出身は青森で、お父さまが未だに漁に出られているというのですから、子供の頃から鍛えられている新鮮な魚に対する目利きの良さに間違いなどあり得ません。いつお邪魔しても、北海道内のどこよりも早く、旬の魚がお店に届けられていて、北海道内の魚に限らず日本全国の新鮮な魚が集まり、さらに魚に限らず「旬の食材」を最高の形にアレンジしようという心意気には、「感心」を通り越して「感動」さえ覚えます。「このような新鮮な魚を、いつもどこから入手しているのですか?」と聞いてみると、札幌中央卸売市場で仕入れた卸商と取引しているとのこと。

「そう考えると、小樽に卸売市場と呼ばれる市場ってあっただろうか……」とブツブツ独り言を言っていると、顔見知りである眼鏡がお似合いのチャーミングな女性の常連さんが「実は2箇所あるんですよ!」と微笑ましく親切に教えてくださる。小樽に住んでいながら自分が知らないことを教えてくださる素敵なお客さまが、常にお店には集まってきています。

ホッカイシマエビ
本日の特選刺身盛り合わせ「小樽産生うに・大間産本鮪赤身・函館産赤メバル昆布〆・根室産サンマお造り・羅臼産釣りキンキ」など、これで1,980円とは信じられません!!

 
小樽老舗酒屋さんとの連携。

小樽ではなかなか手に入らない保・大将の出身地である青森県の日本酒「田酒(でんしゅ)」「ん」「一の馬」「豊杯(ほうはい)」などを中心に、前回ご紹介した小樽老舗酒屋である『あかさか』さんと緊密な連携を取りながら、その日ご予約されているお客さまがワイン好きだとすれば料理に合うワインを準備するなど、さりげない気遣いがとても心地よいのです。

夏の暑い日には、ジスクールのオーナーがプロヴァンスの別荘で避暑を過ごすために自家用に造っていたという、「ロゼ・ド・ジスクール(Le Rose de Giscours)」を飲みながら、尾岱沼で採れた「ホッカイシマエビ」を食べるなんて最高の贅沢だとは思いませんか?

日本酒「ん」
日本酒「豊杯(ほうはい) 雪灯篭」
日本酒「一の馬」
ロゼ・ド・ジスクール

 
「ホスピタリティ」の素晴らしさ。

「ともかく、お客さまには楽しい時間を過ごしていただきたいのです」。
「なおかつ、旬の食材、一品料理でおもてなしをすることを通じて、お客様には様々な食材に触れることを通じて、日本、そして北海道ならではの季節感を感じていただければ、料理人として最高の喜びです」と、笑顔で語られる大将・保さん。

あるときなど、小樽在住某女性作家先生から「京都の筍が届いた」と言われれば、店に持ち込まれた筍を季節感たっぷりに調理してくださる姿勢を目の当たりにしていると、まさに「感動」なのです!!

小樽でさらなる飛躍を遂げようとしている期待の若手「創作和食」職人。大澤保&裕美ちゃん。とかく「ホスピタリティ」に欠けると言われる北海道の外食業界であったとしても、是非とも他の見本でいてもらいたい若手職人たちが、全国各地から小樽に足を運んでくださることを心からお待ちしております!!

大将と女将である「大澤保&裕美」さん