狗飼恭子のロマンティック・オアフ・ストーリー - 28 - 夜は別のお楽しみ。
大人のエンターテイメントへ。
(2011.08.16)
オヒアレフアに約束を(28/31)
一杯だけお酒を飲みたくて、わたしたちはハレクラニの中のバー、ルワーズラウンジに場所を移した。シノワ調のシックな内装と暗い照明が、酔った体に心地よい。
真ん中にあるグランドピアノでは、男性ピアニストが静かな音楽を奏でている。
「わたしがオアフに来たかった理由はね、この島が、両親の思い出の場所だからなんだ」
「思い出? どんな?」
「母が、父にプロポーズしたの」
そう言ったら彼は目を丸くした。
「父が母に、じゃなくて?」
うん、わたしはうなずいた。本当に好きだったらね、自分の口でちゃんと言いなさい。だってその気持ち以上に大切なものなんかないんだから。母は、わたしによくそう言った。
でも、わたしにはまだ勇気が足りないみたいだ。ピンク・エレファントという名前のカクテルを少し多めにあおってみる。
「ずっとずっと一緒にいよう」ぐらいなら。ううん、やっぱりまだ言えない。カクテルで、もどかしい気持ちを飲み込んだ。
真ん中にあるグランドピアノでは、男性ピアニストが静かな音楽を奏でている。
「わたしがオアフに来たかった理由はね、この島が、両親の思い出の場所だからなんだ」
「思い出? どんな?」
「母が、父にプロポーズしたの」
そう言ったら彼は目を丸くした。
「父が母に、じゃなくて?」
うん、わたしはうなずいた。本当に好きだったらね、自分の口でちゃんと言いなさい。だってその気持ち以上に大切なものなんかないんだから。母は、わたしによくそう言った。
でも、わたしにはまだ勇気が足りないみたいだ。ピンク・エレファントという名前のカクテルを少し多めにあおってみる。
「ずっとずっと一緒にいよう」ぐらいなら。ううん、やっぱりまだ言えない。カクテルで、もどかしい気持ちを飲み込んだ。
(恋愛小説家・狗飼恭子)
つづく »
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ビーチにサーフィンにドライブ、と、明るい太陽の下で楽しむイメージの強いハワイだけど、オアフには夜遅くなっても楽しめるエンターテイメントがたくさん。ハワイアンミュージックやフラを堪能した後は、ジャズを聴きに、なんて大人な過ごし方もできる。「ルワーズ・ラウンジ」は、地元の大人達にも人気の、ジャズの生演奏が聴ける落ち着いたバーラウンジ。昼間の火照りを鎮めながら、カクテルと音楽に酔う夜もまた特別な思い出になりそう。
■ DATA
ハレクラニ内
毎日19:30~1:00
(エンターテインメントは、水曜日と木曜日は20:30~24:00、金曜日と土曜日は20:30 pm~24:30)
ハレクラニにあるラウンジ・バー。ジャズの生演奏を聴きながら、かつてニューヨークのレインボー・ルームで腕をふるったキング・オブ・カクテル、デール・デグロフ氏がハレクラニのために作ったオリジナルカクテルをいただくことができる。軽食では、名物メニュー・フォアグラのサンドイッチや、チョコレートアイス、チョコレートチーズケーキ、チョコレートカップケーキ、ホワイトチョコレートなどチョコ三昧の“チョコレート・オール・ザ・ウェイ”が人気。
■ 関連項目
・過去記事『今こそ、オアフ島!!』
・オアフ観光局
・iPadアプリ「今こそ! オアフ島」
Produce&Photographs: Yuji Komatsu
Special Thanks: Ritsue Honma / O’ahu Visitors Bureau