from 福岡 - 14 - マラソンは芸術
~市制50周年 北九州マラソン2014~

(2014.01.10)

初のフルマラソン大会開催
福岡県北九州市、かつて7つの市が合併し、50年を迎え、市制50周年記念事業の一つとして、2014年2月9日、1万人のフルマラソンである北九州マラソンが開催される。新年を迎えてから40日をきった。北九州市は、過去フルマラソンを開催したことはない。募集に、待ってましたとばかりに、市民が参加申し込みをした。自分のまちであるマラソンとあって、おそらく、記念受験的な人も含めて大勢の人が参加申し込みをした。今サーチエンジンにかけても北九州マラソンは上のほうにでてきているということは全国的にも注目を集めているようだ。まず、はじめに、あったのは北九州市民むけの募集締め切り。市民募集は1万人のうちの2千人、そこに、5千人近い募集があったのであるから、そんなにマラソンは人気なんだと思っていた。その時期のFacebookでは、「フルマラソン当選しました!」という、うれしい書き込みから、「まずい、当選した」「まさか、通るとは思わなかった」というのまで様々。わが姉は、当選をしたが、皆に知らせずにひそかにヤミ練習をしている。彼女の勤務地から家まで普段は車でいっているが、マラソン姿で汗だくで、勤務地から12km走って帰ってくる姉に仰天するとともに、私は、がんばれと心から応援している。それほど、みんな一生懸命なのである。

ここ数年のマラソンブームは目覚ましいものがある。道具もいらず、身一つでできる運動。景気が影響しているのかとさえ思わされる。また、健康に気をつかいだしたのではとも考えられる。さらには、自分への挑戦のためということが多いかもしれない。一人で走り、ゴールを目指す。目標をかかげて、前へ前へと進む。これは、人生にも似たものを感じる。

トライアスロンは、自分の限界を超えるためにするという人が多い、マラソンも同様であろう。

国内外のユニークなマラソン大会
各地でおこなわれるマラソン大会、ユニークなものも多々ある。アメリカで私が出場したサンフランシスコのナイキウーマンズマラソン(ハーフマラソン)。沿道にはたくさんのギャラリーがおり、自前の応援コスチュームをきたり、ゴスペルコーラス隊がいたり、DJがかってにまわしていたり、こどもたちが手をふっていたりと様々。私がこれに出場しようと思ったのは、ティファニーとNIKEのスポンサーがついていて、ゴールでは、フィニッシャーネックレスが、ティファニー色の水色のボックスに入っているものがもらえるから。あくまでフィニッシャーに対してのみであるが、ゴールで待っているのは、タキシードを着たモデルばりのお兄さんたちである。ゴールでは、ひそかに小さな列ができていた。かっこいいお兄さんには行列が…。私もスキンヘッドのお兄さんに並びたかったのであるが、あまりの疲れように、近くにいたお兄さんからティファニーボックスを受けとった。
marathon_02_thum
また、これもサンフランシスコであるが、BAY TO BREAKERSという11マイルのマラソンで、5月におこなわれ、仮装、もしくは、真剣に走ってよいとされている。私も、風の抵抗をうけながら、シンプソンズのような頭の長いウィッグをつけて走ったことがある。10人ぐらいのグループのマリリンモンロー隊やしゃけの着ぐるみをきて、ゴールから逆走してくるグループもいる。個人的には、巨大な車輪をネズミの着ぐるみをきて一歩一歩ふみしめているおじさんを応援していた。サンフランシスコは坂のまちであるが、そこで、それを選んだ勇気に拍手であった。もちろん自由の国アメリカは、ボディペインティングからヌーディストまでいる。普通にいるので、目を覆いたくなるが、なんとも、開放的なマラソン大会でした。また、トンネルになると反響を楽しむために叫ぶというまさに小学生的なその場にいる人の遊びまで始まる本当に愉快な大会です。サンフランシスコに行く機会があったらぜひお試しいただきたい。いっておきますが、この大会は、登録費が募金へ回るというとても素晴らしい大会なのですよ。
日本でも、私が個人的にすきなのは、玉名マラソンである。別名いちごマラソン。給水所には水、スポーツドリンク、そして、イチゴ。畑の前に、そこに住んでいる農家のおばあちゃんが、段ボールの上にイチゴを置いておいたりするので、思わず立ち止まって「ご馳走様でした」まで言って、走り出すということをしてしまう。大会運営だけでなく、まちが一体となってマラソンを運営し、まちのブランディングに寄与しているのである。それが、このまちにこよう、このまちは素晴らしいなと感じさせられるのである。
マラソンはまちを彩る芸術
2月9日北九州マラソン。県外からも5,000名以上の方が来北とのこと。北九州マラソンを通して、いかに、わたしたちは、訪れる方々に、まちを感じてもらえるだろうか。魅力を感じてもらえるだろうか。

マラソンは芸術である。と、中村清がいった。

走る選手の目線からのコメントであろうが、おそらく、マラソンが、まちを彩る芸術となるのかもしれない。どのような色に、どのような魅力を、参加する人に、運営する人に見せるのか、ますます楽しみになってきた。自分がハーフを走るということをのぞいては。